今年もすっかり毎年恒例となったベアさん主催の怪談会に語り手で参加させていただきました＾＾
ただ・・・・
今年はいつもと違い 出先からノートPCでの参加だったのでいろいろ勝手が違い大変でした（－－；
ともかく なんとか無事何事も無く語り手役を務められたようでよかったよかったｗ
（力尽きて後半寝落ちしましたが・・・・・・；；）
以下は今年の分のお話です。
「小人の夢」
その夢を見るまでは夢を怖いと思ったことは無かった。。それがどんな悪夢でもだ。
理由は簡単で、小さい時からどんな夢もそれが夢だと認識できてしまっていたからだ。（明晰夢というやつかな・・）
そして、夢から自力で目覚める方法も知ってた。
眠っている自分をイメージして無理やり目を開けるようにすると目が覚める。そんな簡単な方法だった。
すなわちどんなに怖い夢でも好きな時に途中退場できるのだ。
だからどんな夢もリアルな映画を見る感じで見てしまっていた。
でも知っておいてほしい。
夢の中にはほんとうに恐ろしい夢があることを・・
あれは小学校に入ったばかりの頃だっただろうか。
夢の中で自分は得体の知れない「何か」から逃げていた。
正体はわからないけれどとにかく逃げなきゃという意識に駆られて走っていた。
学校の廊下、家の居間、デパートの食品の売り場、夢ゆえに場所の繋がりはメチャクチャだったけど
「逃げろ」そして「振り向くな」という夢のテーマ（お題？）のもと逃げ続けた。
恐怖はさほど無かったけれど妙な義務感みたいなものがあったのを覚えている。
そして朝になり自然と目が覚める。そんな夢だった。
その夢は1、2年に一度ぐらいの割合で見ることがあった。
小学校6年生になってしばらく過ぎた頃、もう何度目かのその夢を見た。
その頃にはもう慣れてしまっていて「ああ、またこの夢か・・・」という感じだった。
そして今回ずっと気になっていたことを確かめてやろうと考えた。
ずっと追いかけてくる「何か」。その正体を見てやろうと。
でも今では心底後悔している・・・ほんとうに・・・・ほんとうに・・やめておけばよかった・・・・・・
夢が始まり最初はいつものようにほぼ全力疾走。
そこからだんだん速度を緩めていつしか歩くくらいのペースに。
ついには歩くことすらやめてゆっくりと振り向いた瞬間
景色が消えた・・・・・
それまで確かに学校のグラウンドに居たはずだった。
でも今は真っ白な世界に自分がひとりだけ。
「あれ？」と思ったと同時に右足首を掴まれる感触。
「ぐぎポ＄＃＊ｘｘｘ・・・・」
聞いた事のない擬音と右ひざのあたりから冗談のように噴き出す赤い液体。
右足が無くなっていた・・・・痛みを感じないのは夢だからだろうか。
バランスを崩し転倒。地面がみるみる赤く染まっていく。
信じられない思いで辺りを見回すと、目の前に奇怪な子供（小人？）がうつ伏せで倒れていた。
身長は小学生の自分と同じ位。卵型の頭が異様に大きく（ほぼ四頭身）それに付いている目鼻口も異様に大きい。
体毛は無く服も着ていない。その異様な小人は汗とヨダレと鼻水で顔をグシャグシャにしながら四つん這いで近づいてきた。
逃げようとあがいてみるが片足が無いためうまく動けない。
小人の右手には今もぎとったであろう血まみれの足、そして伸ばした左手が私の左足に触ったとき
小人は「ニタァ・・・」と笑った。
目を開けると寝室の布団の中だった。両側には父と母が眠っている。
ああ、夢から途中退場（緊急脱出）したのか とおぼろげに理解した。
ふと見上げると部屋の電燈の紐（引っ張って電器を点けるアレ）の先に何かがぶら下がっているのが見えた。
見覚えのあるそれはさっき見た血まみれの自分の右足だった。
おかしい・・・もう夢から覚めたはずなのに・・・・・
怖くなって両親を起こし 夜中にちょっとした騒ぎになったがその時には血まみれの足はもう消えていた。
一応自分の右足も確認したがその時は何事も無く、両親は不審がっていた。
その日はもうその部屋で眠る気にはなれなかったので祖父の部屋で一緒に寝ることに。
布団に入って仰向けになると祖父の部屋の電燈の紐の先に血まみれの足が見え・・
そこで意識を失った。
思い返せばそのときにもう自分は捕まっていたのだと後で気づいた・・
ずっと前にこんな夢を見た。
真っ白い世界に自分一人たたずんでいる。
「ズボッ・・」自分の腹から細い真っ赤な腕が生えていた。（SF映画でこれに似たシーンあったな・・）
そこから頭、胴、脚と赤一色の人型が這い出ていく。夢だからか痛みは無かった。
赤い人型は以前夢に出てきた小人だった。小人は内臓のようなものを大事に抱えている。
小人「あっだがぃ・・・」
こいつしゃべれたのか・・・・そんなことを思いつつ夢から覚めた。
目を覚ますと電燈の紐の先に臓器のようなものがぶら下がっていた・・・・
以前こんな夢を見た。
真っ暗な世界。両目を何かが覆っている感じがする。
体の感覚はあるが頭がやけに重い。
小人「だ～りぃだ？」
耳元で不快な声がした次の瞬間
「ぐちゃ・・」左目から熱い液体が流れる感触。
左目側を覆っていた小人の指が目のあった場所をほじくっている。痛みは感じない。
目を覚ますと今はLED電燈なので紐など付いていないはずなのに 何故か紐が付いていて
その先には映画で見るような くり貫かれた目玉がぶら下がっていた。
どうして紐にぶら下がっているのだろうかと考えていたが、ずっと後になってなんとなく理解した。
あれは自分の獲った獲物を見せ付けるために飾っているのではないかと。
小人が「これは自分のものだ」と見せ付けるために。
実を言うと中学校にあがってすぐの頃から 私の体は原因不明の病に蝕まれ続けている。
理由は解らないが体の一部が徐々に腐っていくという難病だ。
何より恐ろしいのは体が腐っていくとき 発狂しそうなほどのひどい痛みに何日も苛まれることだ。
治療法も何をきっかけにどこが腐り始めるのかも謎だと医者はいう。
最初は右足。次に内臓の一部。そして左目はもう腐り落ちてしまった。
この体はあの夢の夜からすでにもう自分のものではないのかもしれない。
夢を恐ろしいと思う。だがそれと共に夢の後に起こるであろう現実が死ぬほど怖い・・・
昨日こんな夢を見た。
大きな目玉が自分の右目を覗き込んでいる。
体は動かない。というか感覚が無い。あるのは両手で頭を掴まれているような感触だけ。
すぐ目の前からまたあの不快な声が聞こえた。
小人「ぼう、おぢぃまい」
紐の先には 自分の生首がぶら下がっていた・・・・・
・・・・皆さんの夢に小人はでてきますか？
＜お終い＞
