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Veteran Mercenary

Sidh Malaguld

Ultima [Gaia]

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エオルゼア酒記 ④ 穴場編

公開
 よう、皆。
 自分の暗黒と向き合えてるか?


 

 

 ……俺か? 俺にも失敗が結構、ある。
 だからって滝に打たれて反省しているわけじゃないぜ?




 冒険や闘いを繰り返しては、酒場に行って染み付きすぎた邪気を振り払う毎日だ。

 まあ、俺も冒険者としてはまだまだだから、
 仕事で失敗しちまう時もあれば、もっと人を助けられたんじゃないかとか
 あるいは悪への憎悪に心を支配されそうになるときも多々ある。
 が、そういった感情に引きずられれば、いつか、暗黒は己を蝕んでいく。

 ……そうはならないように、心身に傷を負った時は、たまには酒場から離れて、俺はある”穴場”に向かう事にしている。


 

 ここはキャンプブロンズレイク。
 天然の温泉が出る土地だ。
 観光名所としても知られているが、第七霊災や、相次ぐ戦乱、災害の傷を癒す湯治の場としても知られている。
 
 そして、ここは、もう一つ、酒で有名な土地でもある。
 酒好きとしては、抑えておきたい”穴場”だ。


 「ウォームワイン・サナトリウム」
 生薬をたっぷり含んだ温ワイン……グリューワインとも言うな。
 血行を促進し、治癒能力を高める。
 温泉との相乗効果で、治癒に時間のかかる傷も、たちどころに癒してしまう。


 その上、コイツは、心の傷にも効く。
 皆も暗黒に飲まれそうな時は、ここに来て一杯やるのもオススメだ。
 
 いろんな湯冶客が来ているから、そんな連中から話を聞くのも冒険者として面白い。



 そう、いろんな湯冶客が……。













 ……いや、なんでもない。




 どうやら、俺の中に暗黒の邪気が溜まり過ぎているようだ。
 邪気を祓い、もう一度”盾亡き人々”を護る暗黒騎士としての自分を取り戻さねば……。
 しかし、どうだ。
 青い空、美しい湖、空中に浮かぶクリスタル、深き美しい森……。

 自分とは無縁の世界だが、こんなにも、心に安らぎを与えてくれる。


 そう、ここで俺はもう一度自分を取り戻すのだ……。






 俺は……。

 何故、入れぬ、のだ!


 俺は……。

 踊りへの苦情が殺到したんだ!! 
 
 お、俺は……。

  湯につかる前、は必ず踊る!! 



 ……。




 たまらず俺は、声のする方向に向かった。

 すると門番の黒渦団員とマムージャ族がもめていた。
 なんでもマムージャ伝統の踊りが卑猥すぎるため、出禁にしたのだが、
 マムージャ族が納得いっていないのだという。

 このマムージャの名は美男のブガージャ。

 ……うむ、言われて見れば綺麗な歯並びをしている。
 体も鍛えられているようだ。




 「もはや、腕ずくで止めるしかない、あんたも手を貸してくれないか?」
 
 ……ううむ、しかし、踊りくらいで……。



 「一杯ウォームワインを奢るぞ」










  暗黒剣で粉砕 
 すまぬ、ブガージャよ……。



 「湯浴みしたいだけなのに……」

 ブガージャはそういって寂しそうに去っていった……。


 「でもあの踊りはなあ……」
 門番もいささか心苦しそうだった。

 不憫に思った俺は、ブガージャの後を付ける事にした。

 ブガージャは隠者の庵で一人たたずんでいた。


 「踊りの美、を解さぬ、とは……伝統、は理解さ、れぬのか」

 
 武と伝統の誉れに生きるマムージャ族。
 それが理解されぬというのはどんな気持ちなのだろうか……。
 
 「よかったら、その踊り、俺に見せてくれないか……?」
 俺は思わず声を掛けた。

 

 「お、お……おお、お……高まってき、た!!
  こんな日、が必ず来る、と信じてい、た!!
  我らマムージャ族、の伝統を解する者、が現れる日、を!!」

 

 ブガージャは、そういうと、喜び勇んで俺に踊りを見せてくれた……!!



 ……おおおお!!
 美しきアウラの鱗、が湯に濡れそぼり、
 男ぶりがいやがおうにも増してゆく!
 俺は、暗黒騎士になる前の、オサードの日々を思い出していた……!!





 帝国に侵略されたこと。
 アラミゴに落ち延びた事。
 そして、そこでも、帝国の手によってアラミゴが滅ばされた事……!
 だが、その辛い記憶の奥底にある、原初の熱い気持ち……!!






 人を護りたいと誓ったあの日を……おれはもう一度……!













 
 俺は、もう一度ブロンズレイクに戻り、湯に使った。
 心の傷が癒えていくのが解った。
 そして体は自然と動き出していた……!




 俺はウォームワインを一気にくらった。


 体の中にブラッドプライス以上の血液が駆け巡る!!













 ウーッ、ヤッ、ハッ!  我 は死す! 我 は死す!


 ウーッ、ヤッ、ハッ、ウーッ、ナッ、ハッ! 湯 に浸かりて 我 は死す! 湯 より出でて 我 は生きる!

 ウーパッパッ、ウーパッパッ! フィッ、テッ、ラッ! 生まれ変わ りし男を見 よ! 太陽の元 へ昇れ 昇れ!



 最高だ……!

 俺の中に淀んでいた余分な邪気は浄化され、
 しかしそれでいて、より純粋な渇望から来る負の感情……”弱き盾持たぬ人々”を虐げる””への怒り……!


 それが俺の胸を、占めていくのがわかった。
 俺は再び、自分の暗黒を見詰めなおす事ができたのだと思う。



































 ……そして俺は、一週間の温泉の出禁を喰らったのだった。


 
コメント(2)

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対象のキャラクターは削除されました。

(今回は人物視点で)



あら、貴方みたいな人でも心身の養生を心がけていたりするのね…?
けれど、ブロンズブレイクでのその行動は誉められたものではないわ。

当面出入り禁止なようだし、知っているでしょうけれど外地の北西にる温泉、
あそこならイエロージャケットに咎められることもなく湯治に浸れるのではなくて?

人の寄りつかない場所だから私もあそこで湯浴びをしたりすることがあったわね…。
http://jp.finalfantasyxiv.com/lodestone/character/3501813/blog/2191401/

Sidh Malaguld

Ultima [Gaia]

フッ……闇には溺れなかったが、のぼせちまった様だ。

暫くは、その隠者の庵で傷を癒す事になりそうだな。

俺の身はどうなろうと構わないが、まだ振らなきゃいけない剣があるからな。
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