こんにちは。Biskaです。
今日は、忘れられない対話がありました。
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書き留めておきたいこと。
・理念と現実の衝突
・家族だからこそ、届かない言葉
・名を奪われても、失わないもの
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森都で使者を迎えた。
その名は、
フルシュノ・ルヴェユール。
哲学者議会の議員として、
シャーレアンの答えを携えてきた父。
再会の言葉は穏やかだった。
母の無事を伝える声も、どこか優しかった。
けれど――
語られたのは、拒絶だった。
シャーレアンは介入しない。
それが結論。
「こんなものは、人同士の些末な小競り合いに過ぎない」
その一言が、空気を凍らせた。
アルフィノは声を荒げた。
小さな島に閉じこもって未来が拓けるのか、と。
アリゼーも続く。
理念を守りたいなら、今こそ手を取るべきだと。
それは戦いを好んでの言葉ではない。
守るために立ってきた者の、切実な訴えだった。
けれど父は首を振る。
戦いは賢明ではない。
犠牲は正しいのか。
長期的視野で見てなお、それは知的か。
そして――
今日からルヴェユールの名を捨てよ。
静かに、冷たく、告げられた。
私は息を呑み、何も言えなかった。
森の風が揺れる。
アリゼーが追おうとするのを、
アルフィノが止めた。
あの瞬間、彼は叫ばなかった。
拳を握り、ただ下を向いた。
怒りでもなく、涙でもなく、
それでも確かに揺れている。
父に否定されたことよりも――
「理解されなかったこと」が、
いちばん痛かったのかもしれない。
名を捨てよ、と言われた。
けれど、
彼が積み上げてきたものまで、
誰にも奪うことはできない。
過去から目を逸らさず、
痛みも含めて前へ進むと決めた彼は、
もう以前の少年ではない。
だからきっと。
揺れながらも、
立ち止まりはしない。
森の静寂の中、
その決意だけが、かすかに熱を帯びていた。
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星は、静かに脈打っている。