答えを探す旅は、
誰かの想いに触れた瞬間、少しだけ形を変える。
こんにちは。Biskaです。
ヴェーネスとともに、
私たちはヘルメスたちが翔ばしていた浮島へと向かいました。
アルゴスの背に乗り、
風を切って進む。
その先に見えてきたのは、
ノエトン万華樹が生える、小さな島でした。
けれど、そこは思っていたよりも静かで、
特別な仕掛けがあるわけでもない、
ひっそりとした場所でした。
ヴェーネスは言います。
過去を視る方法は、
ひとつではないのだと。
誰かの記憶を窺う方法。
そして、場のエーテルに刻まれた歴史を読み解く方法。
魂に記憶が刻まれていくように、
世界にもまた、過去が残されているのだと。
そうして私たちは、
目を閉じました。
過去視の中に現れたのは、
メーティオンたちから届いた報告でした。
宇宙へ翔んだ仲間たちは、
いずれも順調に目的の星へ向かっている。
調査は、
どうやらうまく進んでいるらしい。
ヘルメスは、
その報告に安堵していました。
何度も失敗を重ね、
宇宙は予想を上回るのだと痛感しながらも、
それでもなお、答えを求め続けていたのです。
メーティオンは問いかけます。
生きる理由。
命の意味。
星によって、
きっとまったく違う答えがあるのだろうと。
そのときヘルメスは、
どんな答えが届いても、
頭ごなしに否定しないで考えていきたいと語りました。
人だけではない、
ひとつでも多くの命が幸せを知れたらいい――
その願いは、
とても静かで、けれどまっすぐでした。
そして、メーティオンへ。
翔び方は教えた。
けれど、歩き方は。
生命としての生き方は、教えられなかった。
だから、
旅の果てにそれを知る誰かに出会ってほしい。
答えを得て、
再びここへ帰ってきたときには、
花を贈ろう。
いつかこの旅をやり遂げた君に、
心から花を。
その言葉は、
この先を待つ想いそのもののようでした。
過去視が終わると、
ヴェーネスは静かに私に問いかけます。
少なくとも、
彼らが意図的に終末を起こすことはない。
私は、そう感じました。
けれど、
終末と無関係だとも言い切れない。
本人たちの知らないところで、
関与してしまう可能性は残っている。
だからこそ、
次はヘルメス本人に、
真実を話してみるべきではないかと。
もし災厄を望む意志がないのなら、
知恵や力を貸してくれるかもしれない。
そうして私たちは、
もとの島へ戻ることになりました。
その後、
エルピス最大の研究施設――
ヒュペルボレア造物院へ。
そこでもまた、
ヘルメスの姿は見つかりませんでした。
けれど、
デュナミスの研究やメーティオンの創造は、
あくまで個人的に進められていたこと。
研究成果が盗まれた形跡もないこと。
そして、
ヘルメス自身に災厄を望む動機があるのかを、
見極める必要があること。
エメトセルクも、
ヒュトロダエウスも、
それぞれの考えを口にします。
そして――
ひとつの結論に、
私たちはたどり着きました。
ヘルメスを迎えに行こう。
まだ終わりではない。
まだ、話すべきことがある。
そうして次の一歩が、
静かに定まりました。
ひとこと
花を贈る約束は、
ただのやさしさではなく、
「帰ってきてほしい」という願いだったのかもしれません。