ベッコウ島に到着した私たちは、最初にその幻想的な光景に圧倒された。
海底に広がる空間、その中に漂う巨大な水泡――まるで異世界のような場所だ。
リセは少し緊張した様子で、周囲を慎重に見渡していた。
アリゼーはすぐに状況を把握し、リセに「大丈夫、怖くないわよ」と言いながらその背中を押してくれた。
その時、予想もしなかった再会が待っていた。
目の前に現れたのは、あのソロバンだった。
彼がここにいることに驚き、リセが目を見開くと、ソロバンはにやりと笑って言った。
「よく来たなぁ~、お前たち。」
彼の軽い調子に、少しだけホッとしたように見えるリセ。
その表情に、少しずつだが確実に成長している証が見えた。
ソロバンはリセたちが警戒しないように、あえてふざけたような言動をとることが多いが、その裏には確かな実力と洞察力が隠れている。
「オイラたちの『碧のタマミズ』へ、ようこそぉ~!」ソロバンは得意げに胸を張り、集落へと案内してくれる。
その口調は軽いが、目の奥にはどこか頼もしさが感じられた。
リセはその様子に驚きながらも、少しずつ彼を頼りにしているような表情を見せ始めた。