麗しき愛の伝道師
命を賭して純愛を貫いたことで知られる、古のイシュガルドの伯爵「アラベル・ド・ヴァレンティオン」。
彼女の生き様を称える祝祭日「ヴァレンティオンデー」の季節がやって来た。
今では、アラベル伯爵の勇気にあやかり、大切な人にチョコレートなどのプレゼントを贈り、その想いを伝える特別な日として、すっかりエオルゼアに定着したこの祭典。普段は荒々しい海都の中でさえ、どこか浮き足だったような雰囲気さえ感じてしまう。
そんな「愛の祭典」発祥の地であるイシュガルドから、我らがリムサ・ロミンサに高貴な客人が渡来してきた。
彼女の名は「リゼット・ド・ヴァレンティオン」。そう、あのアラベル伯爵の子孫に当たる、名門ヴァレンティオン家のご令嬢その人である。
自由を好む気風が強いここリムサ・ロミンサの住人と言えば、お堅い貴族や王族は決して好まない。
お高くとまった奴らを好きこのんで追いかけるのは、獲物として付け狙う海賊くらいのものだろう。
ところがどっこい、赤と白の可憐な装束に身を包んだ「リゼットちゃん」には、粗野な海の男たちもメロメロな様子。「愛の伝道師」を名乗って祭典を盛り上げようとする彼女に、野太い歓声を送っているのだから面白い。
当の「リゼットちゃん」と言えば、冒険者相手に「助手」を募っている様子。一体、何をやらかしてくれるのだろうか?
ユマ・モルコット