キャラクター
Masamune怪談会-2015-で公開したボクの創作怪談、「あいびき屋」です。
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長らく交際していた恋人と、疎遠になりつつあった。
心が離れた、というわけではない。
取引先との大きな商談でこちらの不正が発覚した。そして私の恋人は、その取引先社長の娘だった。
私が不正に関わっていたわけではないが、会うことを許されぬ状況に追い込まれることとなった。
なんとかしてもう一度会えないだろうか。
そう思いこそすれ、私には何をすることも出来なかった。
『毎度、あいびき屋でございます』
そんな私のもとに、ある男が現れてこう言った。
あいびき屋『あいびき屋をご利用しませんか?望む相手とのあいびきを確実に手配致します』
(逢い引きとは……随分古風なことを言うものだ)
あいびき屋『私どもへの報酬は成立と等価ですから、一切のお代は頂きません。ご希望をどうぞ』
正直に言って胡散臭かった。後から高額請求が来てもおかしくはないだろう。
それでもこの時の私は、何にでもすがりたかったのだ。
「○○○と、来月の14日、彼女の誕生日にお願いしたい」
あいびき屋『来月14日に○○○様と。確かに、承りました』
具体的に何をするのかと聞く間もなく、あいびき屋はいずこへと去っていった。
それから幾日かが経っても何ら連絡はなく、やはりあれはただのいたずらだったのだろうと思い始めた矢先に事件が起きた。○○○が姿を消したと言うのだ。
当然のように私は真っ先に疑われた。
お前が連れ去ったのだろう、そこに居るのだろう、娘を返せ。と散々な追及を受けたが、私には身に覚えがなかった。
どこかで事故にでもあったか、失踪か、あるいは攫われたのか。身に覚えがないとは言ったが、思い当たることはあった。あいびき屋だ。
あいびき屋『毎度、あいびき屋でございます』
○○○の誕生日当日、見知らぬ番号からの着信を確信をもって受けた私の耳に、望む相手の声が飛び込んできた。
「あんた○○○の居所を知らないか?というか、あんたが攫ったんじゃないのか?」
あいびき屋『ご安心下さい。全て万事順調でございます。あとは貴方様がいらっしゃれば、あいびき完成でございます』
「やっぱりそうなんだな?私は何も誘拐しろと言ったわけではーー」
突然世界が暗転し、私は意識を失った。
どの位時間が経ったかはわからないが、意識を取り戻した私の耳に再びあの声が飛び込んできた。
あいびき屋『毎度、あいびき屋でございます』
視界は未だ闇に覆われ、何かで吊るされているのか足元がふらふらと覚束ないが、すぐ隣にもう一人誰かの気配を感じた。○○○だろうか?
あいびき屋『大変お待たせ致しました。早速あいびきと致しましょう』
キリキリキリキリ、カチリ。
軽い落下感と、それからああああがああがあががががあががががががががががががが。
あいびき屋『お約束通り、○○○様のお誕生日にてあいびき成立です。報酬も確かに』
合挽き屋『いただきます』
-了-
通りすがりです。
ラスト怖すぎです!(つД`)ノ
Lolotさん>
コメント&感想ありがとうございます!
このお話で涼んでいただければ幸いです。順次他の方の怪談も
アップされると思いますのでそちらも宜しければ!
ずっとひらがななのがひっかかってて、最後の方にぁーってなりましたw
何かに気付いたエモながしておいた!
ミンチにしてやる('Д')
「完成」のあたりでなんとなく気付く、という人がそれなりに出る
ことを想定してました。最後は忍者の蜂毒でいただきます感を出して
みたけど、みんなの反応を見てグリノー風装備もよかったかもと
思いましたw
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拝啓、ぱにさんおげんきですか?ハンバーグこわい
僕、超げんきですハンバーグこわい
ちょっとあの日からハンバーグこわいだけなのですハンバーグこわい
このまえの怪談会、ひとたくさん集まってにぎやかでたのしかったですね!ハンバーグこわい
いつのまにか僕、記憶がとぎれてたですけど、チャットログで最後のべあさんの怪談までしっかり読んだですー!ハンバーグこわい
今から来年の怪談会もたのしみです!ハンバーグこわい
はやくらいねんになーれーハンバーグこわーいーーーー!
〉Punishさん
だいぶ冷えました!怪談話、いいですねぇ、それにしてもソーセージ食べるとき思い出してしまいそうです(つД`)ノ
こないだの日記読んで、ぱにっしゅケーキ考えてたけど、2年前のデジャヴが(´∇`)
これは、ぱにっしゅハンバーグを作るしかないですな|ω・)チラ
〉Punishさん
まとめがあるんですね!教えて頂きありがとうございます!
少しずつ、楽しみに読ませて頂きます^_^
Horenfelsさん>
あいびきにされる!
髪の毛はつけあわせのほうれん草とかでしょうか
Lolotさん>
お楽しみください!
流し読み (*ノωノ) 怖いの苦手w
毎年みんな、よくも怖い話ばかりしてと思っています 壁]ω・。) 怪談なのですけどw
Nanaさん>
Bloodborneが大丈夫なら大丈夫!
通りすがりにハンバーグ弁当を届けに・・・・
いえw
なかなかに、冷えるお話でした!
実は、あたしも日記に「怪談」を掲載しましたので、是非どうぞw
古典ものですが。
Mayuriさん>
コメント&お知らせありがとうございましたー
そちらにもコメントさせていただきましたが、来年は是非怪談会に!w
ありがとですん♪
プチ怪談。
「なあ、13階段ってあるじゃないか?」
「ああ?」
「この先の階段てさ、ちょうど13段なんだよ。」
「は?」
「いや、だから!13段あるんだよ!」
「お前さ。この校舎、一階、平屋なんだぜ?階段なんかいらねえだろ?」
Mayuriさん>
きっとそれは、天国への階段……