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Veteran Mercenary

Sidh Malaguld

Ultima [Gaia]

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妄想ジョブクエスト「魔界幻士編 EP2 岩と兄弟と怠け者」【終】

公開

 この日記は二次創作になります。
 独自設定並びに、独自解釈を含みます。
 また下記ネタバレを含みます。

 ・巴術/召喚士クエスト
 ・蛮族クエスト
 ・クリスタルタワー関連
 ・メインクエスト
 ・その他サブクエスト等



 また露骨なパロディーを含みます。

 ご注意ください。













---------------------------

前回までの3つの出来事 


 

 1つ、ギ・グに本心を語り息絶えるギ・ル! それを愚弄するヤ・バズー!
 2つ、そんなヤ・バズーにギ・グの怒りが爆発! それがタイタンフォームを目覚めさせる! 
 3つ、タイタンフォームの前に、撤退を決意するヤ・バダー、しかし!



---------------------------





 「あんたはいつもいつもそうやってェ!!」 


 



 ズガッ!!

 
 「……きょ……兄弟!?」
 


 ――ヤ・バズーの斧が、ヤ・バダーの肩を割っていた


 「あんたは……いつも俺の前に……立ってた……俺達兄弟が運から見放された時ですら……アンタはカッコよかった……!」


 「……兄弟、お前、まさか、蛮神の力に……!?」

 
 

 「でも……もう、俺たちは……いや、俺は無力じゃない!! 臆病風に吹かれたアンタなんか……! アンタなしでも……やって見せるッ!!」

 ヤ・バダーの身体から斧を引き抜く、ヤ・バズー。

 「……目を、目を覚ませバズー……!」

 それでも、ヤ・バダーは、弟に向けて手を伸ばす。


 しかし、それに対してヤ・バズーは、

 
 

 「オラァ!!」

 ――エーテルで出来た、鎖を放った。
 
 「兄弟……やめろっ! 何をっ!!」

 

 「エーテルドレイン!!」
 エーテルの鎖は光を放ち、ヤ・バダーから、蛮神ミノタウロスの力を吸収し始めた。



 

 「ぐ、ぐわああああああああッ!!」


 肩の傷と、エーテルを吸い取られる苦痛に、ヤ・バダーが絶叫した。
 


 「ああ……バズー……」
 そして……蛮神の力を吸いつくされたのか、ヤ・バダーの召喚合体は解かれ、その場に倒れ込む。

 


 ヤ・バダーはベルトから、ソウルクリスタルを取り出した。
 それは光を失い――砕け散った。
 そして、ヤ・バダーも、そのまま動かなくなった。


 

 「そんな……仲間の……兄弟のエーテルを吸い取ったのか!?」
 

 「ク・ウガ、様子が変だぞ!」

 「シドゥさん、気を付けて……! 二体分の蛮神のエーテルが一つになってる! これは……!?」


 

 「うおおおおおおおおおおおおおお!!!」
 力の衝動に、ヤ・バズーは叫んだ。
 そして、悍ましき波動が、ヤ・バズーの、セクレトの化身の身体を包む。



 「グォオオオオオオオオオオオオオオオオオ!!」

 すると、蒼と灰色を基調としていたセクレトの姿が、不気味な赤へと変色した。


「グァ……グァアアアアアアア!!」

 
 「蛮神の力が暴走している……! あれは、もうセクレトでもミノタウロスでもありません。ヤ・バズーの思念と、神の力が暴走しているだけの怪物です!!」

 ク・ウガが叫ぶ。
 そして、怪物は――タイタンの化身たるシドゥに襲い掛かった。


 

 「ヴァアアアアアア!!」
 声にならない叫びをあげて、ヤ・バズーの斧がシドゥに降りかかる。

 

 「チッ!?」
 タイタンアクスでそれを振り払うも、シドゥは驚く。
 ――受けたタイタンアクスが刃こぼれしていた。

 「ヤ・バズー! 目を覚ませ! 神の力に、存在を喰われてしまうぞ!」
 ク・ウガ叫んだ、
 

 「グ……グアァアアアアア!!」

 しかし、その声も、届かない。
 ヤ・バズーはまさに荒れ狂う、狂神と化していた。
 その斧が、タイタンフォームの胸元を切りあげた。
 
 「ぐぁあっ!?」

 無敵の鎧と化した筈のタイタンの体を切り裂いた――。
 つまりは、もはやシドゥ達に、ヤ・バズーを止める手立ては無い。

 

 「ク・ウガ! どうする……そうだ、自滅を狙うか! あんな力、長続きするはずがない!」
 「……」

 シドゥの案に、ク・ウガは少しの間、考え込んだが、
 「いえ……魔戒幻士として……彼を許す事は出来ない……でもそれ以上に……あんな禍々しい力を、それに飲まれた人間を……見捨てておけない、シドゥさん協力してください……!」

 「チッ……やっぱお前って奴は……仕方ない……それなら、一発で決着を付けるぞ!」
 ク・ウガの”覚悟”を前に、シドゥも不敵に微笑む。

 

 「「うおおおおお!!」」
 シドゥが雄たけびを上げた。
 大地から、ク・ウガは術式を用いて、タイタンの力を引き出す……すると。
 
 「……!! ……ウウ……ヴアアアアアアアアアアアア!!」

 
 

 ――狂神と化したヤ・バズーも、禍々しい力を溜め始めた。
 
 「なっ!? ク・ウガ! 術を急げ……想像以上だ!」
 「くそっタイタンよ……大地よ……力を貸してくれ……!」

 ヤ・バズーの力は予想よりも大きかった。
 ク・ウガは術を急ぎ、シドゥは体にエーテルを纏わせる。 
 しかし……。
 

 「ヴァ……ハアッ……グアアアアアア!!」
 先に力を溜め切ったのか、ヤ・バズーが斧を構えた。

 「――!」
 「マズい!?」
 
 
  
 
 「グォオオオオアアア!!」
 魔力の籠った、斧が振り下ろされる――。



 だが、その時。

 『タイタンさーま!!』
 『冒険者さーん!』


 声が、聞こえた。

 



 ペイトリアーク06ガ・ラとピックマン789ギ・グだ。

 「ヒトの子らーよ、使者達どのーよ! タイタンさーまの力を受けしものーよ! 神官としてわたーししも力をかすーぞ!」
 「ぼくだってコボルドだ! 祈る―よ!」

 
 二人の祈りが、僅かにタイタンに力を与える――と、

 「おらたちもきたーど!」
 「ギ・グばかりに良いカッコはさせませんーぞ!」
 「みんなで、タイタンさーまに祈るのであーる!」

 第789洞穴団の面々も、駈けつけて、タイタンとなったシドゥに祈りを捧げる。

 

 「……!! グゥオオオオオオ!!」

 ――何かに感づいたのか、ヤ・バズーが地に斧を振り下ろし、凄まじい魔力の刃を放った。
 それは、まっすぐに、シドゥへと向かう――。

 だが、
 「ガ・ラどーの! 我々もきましーた!」
 「く、くず鉄たちばかりーに、こんなこーとさせてる場合ではなーい!」
 今度はエリート洞穴団のコボルド達も集まってきた。
 それだけではない、そこには、ギ・ルの第193洞穴団も、クーデターに参加した753洞穴団も、ビ・ビの姿もあった。
 
 この鉱山に居るほぼ全てのコボルド達が、一丸となって祈りを捧げていた。

 

 「これだけの力があれば……! 間に合え! ……”タイタン・極”(エクストリーム)ッ!!
 
 ――そして、ク・ウガの術式が完成した。


 極まりし、タイタンの力が目覚める!
 

 

 「滾る! 滾るぞ! 皆の祈りが、我が心核に注ぎ込む!」


 ――切り裂かれた、タイタンフォームの胸元に、光る心核が現れた。

 

 ゴキッ!!
 シドゥは、首を鳴らした。


 ――目前には、ヤ・バズーの放った魔力の刃が。

 「これならあの化け物だってやれる! 行くぜ! ク・ウガ! 俺達の究極履行!パート2だ!
 「ハイッ!」


 そして、魔力の刃に向けて、シドゥは飛んだ。
 


 「「究極履行!!」」


 

 「大地の怒りに砕け散れえええぇえええ!!」 
 

 ヤ・バズーの刃に真っ向からシドゥは挑む。

 

 「セイヤーーーッ!!」
 

 ――タイタンアクスが、ヤ・バズーの魔刃に触れる、凄まじい力が、シドゥを襲う。
 だが!

 

 「オラアアアアアアアアア!!」
 コボルド達の祈りが、大地の怒りが、ヤ・バズーの魔刃を押し返す!
 

 「……ハッ!?」

 その怒りは、ヤ・バズーの力も取り込んで、黄金の光となって、跳ね返った。




 

 「グォオオオオオオオオオオオオオ!!」
 光に巻き込まれ、ヤ・バズーは苦痛に絶叫し……倒れた。

 

 ――そして

 

 「「――カラミティ・タイタン」」

 「後で言うんだーね……」

 究極履行をキメた二人に、ギ・グが呆れたように言った。
 

 ……と、

 

 「シドゥさん、見てください! 魔紋が!」
  

 

 「グ、グアアア……ガアッ! ガハアッ!!」
 ヤ・バズーの肉体には、タイタンの力が魔紋となって浮かび上がっていた。
 メ・ガルメ・ティアの時と同じだが、紋章はコボルド族の紋章となっていた。


 「ヤ・バズー!変身を……!」

 しかし、ヤ・バズーは苦痛にのた打ち回るばかりである。
 すると。

 
 「……ちゃん」

 ヤ・バズーが、声を漏らした。

 

 「……兄弟……?」
 それを聞いたのは……。

 

 「兄ちゃん……どこ……兄ちゃん……助けてっ……!!」
 
 
 

 「バズー!!」


 ヤ・バダーが、ヤ・バズーの元へと跳んだ。

  
 「ヤ・バダー! 危ない!」
 ク・ウガが叫んだが遅かった。

 

 ――ヤ・バズーのベルトが轟音を上げて爆発した。

 
-----------------


 

 「これで終わったんですかね……」
 爆発霧散した、ヤ族の兄弟たちを見て、ク・ウガは呟いた。

 

 「ああ……終わりだ―よ、コボルド族の夢もーね」
 ペイトリアーク06ガ・ラが、力なくそこに座り込んだ。

 ク・ウガがあたりを見回すと、そこにはも抜けの空となった木箱が散乱していた。
 ヤ族の兄弟の召喚によって、高純度クリスタルは全て消費されてしまったのだ。
 
 「あ、あのー……」
 

 そんな、ガ・ラにおずおずとギ・グが話しかけた。

 「きっと、大丈夫です―よ……僕たちまーだ生きてますーし、少しの食べ物とお山さえあれーば、生きていけます、なんとかなりますーよ」

 「は、はぁ……」
 ギ・グのあまりに楽観的な発言に、余計にガ・ラは肩を落とした。 
 しかし、ガ・ラは何かに気づいたように、辺りを見回した。

 タイタンを勝利に導いた、多くのコボルド族の姿がそこにあった。

 「……そうだーな、タイタンさーまは、きっと見守ってくれていーる。 時々は欲に駆られることもあるけーど、私たちはここーで、怒ったり、喜んだーり、そうしていけばいいんだな……怒るのーは、愛する者を守るたーめ、タイタンさーまは、本当は……」
 ガ・ラは頷いた。
 「君のようなコボルドの若者がいれーば……」
 と、ガ・ラはギ・グを見る。
 すると、ギ・グは嬉しそうに、言った。
 
「大丈夫ですーよ! 僕もがんばるーよ! …… 明日から本気出す―よ!

 「……ハアアァァ」

 一際大きいため息をガ・ラはついて、その場に蹲った。

 
 「やれやれ……」
 その様子を見ていたシドゥは、ク・ウガに肩をすくめて見せた。

 

 「フフッ……」
 しかし、ク・ウガは満足そうに、シドゥにサムズアップしてみせた。




-------------------------------------------------- 
 
 ――夜のラノシアの海岸を、誰かが歩いている

 

 「ハッ……ここは……」
 「気が付いたか?」

 

 ヤ・バダーに背負われた、ヤ・バズーが目を覚ました。
 「に、兄ちゃん……どうして!?」
 「どうして? 俺達は兄弟じゃないか……」
 「でも、俺は……兄ちゃんに……」
 自分がしたことを思い出すヤ・バズー。


 「やはり、お前がずっと思っていた事だったんだな」
 「……兄ちゃん」
 ヤ・バダーは優しく微笑んだ。
 「俺は兄弟の事を何も知らなかったんだ……悪いな」
 「そんな! 兄ちゃん……そうだ肩は!?」
 「大丈夫だ……セクレトとミノタウロスの、兄弟神の加護かな……」 
 「……」
 ヤ・バズーは押し黙って、ヤ・バダーの背に身を預けた。

 

 「……兄ちゃんにおぶられるなんて、ずいぶん久しぶりだな……」
 「ああ、流石に重くなったな?」
 「……俺さ、兄ちゃんは昔からカッコよくって、ずっとカッコよくいてほしくって、そんな兄ちゃんを追いかけるのが好きで……追いかけるのが俺の居場所な気がして、でも、それじゃダメな気もして……」
 「皆迄いうなよ、兄弟」
 「フフッ……」




 「もう歩けるよ、ありがとう、兄ちゃん……」
 ヤ・バズーは、ヤ・バダーの背から下りた。

 「そうだ、兄ちゃん、これ……俺はもうベルトが無いから……兄ちゃんに」
 「兄弟?」
 ヤ・バズーは何かをヤ・バダーに手渡した。

 

 それは、魔戒幻士のソウルクリスタルだった。
 

 
 「兄ちゃんには……まだ……」
 と、ヤ・バズーが言いかけた時。


 

 「あっ!?」
 ヤ・バズーは何かを見た気がした。

 

 その、異形は。

 

 「兄ちゃん! 危ないッ!」
 ヤ・バズーは、ヤ・バダーを突き飛ばした。

 

 「哀れな敗北者よ……聞くがいい、貴方達への葬送曲を」

 「これは……歌!? まさか!! 兄弟!」

 

 「RAAAAAAA!」
 歌が、エーテルを纏って、ヤ・バズーへと放たれた。


 

 「うわああああ! ……に、にいちゃぁん……!」

 

 その歌を浴びた、ヤ・バズーは大量の血を吐いて息絶えた。

 

 「そんな、兄弟……! ハッ!?」


 

 「貴様も逝くがいい、弟の元へ」
 

 「RAAAAAAA!」

 そして、ヤ・バダーにも歌のエーテルが放たれた。

 ヤ・バダーは必死に避けようとするが……やがて崖淵に徐々に追い詰められる。
 

 「くそっこんな……バズー!!」

 

 そして、ついには、ヤ・バダーも音の波動を受けて血を吐く、そして。

 「きょ、兄弟……!!」

 

 ――追い詰められたヤ・バダーは断崖絶壁を落ちて行った。

 

 「落ちたか、だがまあよい、生きてはいまい、それに……之も手に入った
 

 異形の者の手には、ヤ・バダーの”アラガントランスベルト・Χ”が握られていた……。

-----------------------------------

 ――数日後、グリダニア・アプカル滝。

 

「シドゥさん、お疲れさまでした。 あれから、やはりコボルド族たちは大変だったみたいですね」


 

 「ペイトリアーク06ガ・ラは責任を取って退陣し、あの鉱山はコボルド族の長老たちの直営地になるようです、とは言ってもあんな混乱があった後では、リムサ・ロミンサに牙を向けることはないでしょう」


 

 「あと、エインザル大甲将たちもそこに付け込むような事はしないそうです、ラノシアの平穏が保たれた事、そして仮初でも、コボルドと対話の機会が生まれた事をこれからの第一歩にしたいそうです」


 

 「ギ・グさん達は……まあ、言わなくてもわかるでしょう、いつも通り、らしいですよ?
 でも、あの事件のあと、皮肉にもコボルド族の団結力は増したそうです……もしかしたら、新しい時代が来るのかも、しれませんね」
 

 

 「それから……もう聞いたかもしれませんが、鉱山で爆散したと思われた、ヤ・バズーの遺体が、ラノシアの沿岸で見つかったそうです。 恐らく、間一髪、ヤ・バダーがベルトを外して、逃げ伸びたんでしょう……それなのに……奇妙な死に方をしていたとか……ヤ・バダーの姿も見えず、仲間に口封じされたのか……やはりグ・ロンギの一味は、恐ろしい集団です……」


 
 

 「ですが、シドゥさん……これで俺達はタイタンの力を手に入れ、ラノシアの平和を守ることが出来ました! これからも力を貸してください! そして、エオルゼアの自由と平和を守っていきましょう!」




 QUEST COMPLETE



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次回予告
 

 「森都グリダニア、この街では、小さな幸せも、大きな不幸も、常に森が運んでくる」

 

 「あんた気が付いてたんだろ? イクサル族の出自の事」
 「……アンちゃん、そいつは夢じゃねえ、夢ってのは、もっと胸の中からどうしようもなく湧いてくるもんだッ」

 

 「そんなことを言ってくれた男の子は初めて……」
 
 

 「これで決まりだッ! ガルーダエクストリーム!」


 次回LV40クエスト 「風に立つG/夢の守り人」




 
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