キャラクター

キャラクター

Veteran Mercenary

Sidh Malaguld

Ultima [Gaia]

このキャラクターとの関係はありません。

フォロー申請

このキャラクターをフォローするには本人の承認が必要です。
フォロー申請をしますか?

  • 0

【第一世界RPイベントリプレイ】七罪:序章「虚飾」①

公開
当記事は、RPイベントのセッションを元に、
ストーリー風に物語を書き起こしたリプレイ兼、RPストーリーです。
苦手な方はご注意ください!
https://jp.finalfantasyxiv.com/lodestone/character/12662472/event/47865/
開催日時:2020/11/20 22:00 ~ 23:00

参加者
Sidh Malaguld さん
Ian Russell さん
Gauche Falx さん
Nira Reba さん

また、ver5.xシリーズのストーリー内容を含みますので、5.xパッチの上のストーリーが未プレイの場合はネタバレの可能性がございます、ご注意願います。



























------------------------
その女性はユールモアに何十年も住んでいた。
元首が変わり、街の中心を追われることになっても、周囲の廃船街で生活を続けていたそうだ。
他に行くべきところも無く、ドン・ヴァウスリーの治世になってからは、罪喰いに襲われることも無くなったから、だとか。

だが、私は思う。

彼女は心のどこかで、待ち続けていたのだろう。
友人の事を。




-------------------------


 ――クリスタリウムの流星騒ぎ。
 あの騒動にすっかり隠れてしまっていたが、賞金稼ぎの間でちょっとした噂が流れていた。

 「大物のはぐれ罪喰いが再び姿を現した」という物だった。


 はぐれ罪喰いとは、他の罪喰いと行動を共にせず、独自のルールで動く個体の事だ。
 かつてノルヴラント中に恐れられていた「四使徒」がその最たる物だ。
 はぐれ罪喰いが何故、特異な行動をとるかは定かでは無かった。 

 
 ただ罪喰いは――人間だった頃持っていた習性や執着に従い行動する事があるという噂もあった。

 「きっと、余程の未練を残して罪喰いになった者たちがそうなるのだろう」と、旅人や賞金稼ぎの間ではまことしやかに話されていた。

 はぐれ罪喰いが本当に強い感情を持っていたかは、知る由も無い。
 だがそんな噂を裏付けるかのように、ヤツらには強力な個体が確かに存在していた。


 今回の噂になっているのも、そうした個体である。

 そんな中、国交が回復して間もないユールモアから、
 クリスタリウムの賞金稼ぎに向けた依頼があった。


「沖合にある”廃棄された大灯台”に強大な力を持つはぐれ罪喰いが住み着いた。
 時折ユールモアに飛来し人々に危害を加える。
 クリスタリウムに集う賞金稼ぎ達に協力を要請したい」

 と言ったものだった。

 期せずして、「光の戦士騒ぎ」があった為、
 クリスタリウムに集う賞金稼ぎや旅人は殆ど出払っており、生憎その数を減らしていた。
 私は、これを好機とみて、率先して名乗りを上げて、その依頼を受けることにした。


 ――それが、私が狙う”七罪”の一体である事を願って。

-------------------------


 ――しかし。

 「ぎゃははは」

 ピクシー族が”私だけに聞こえる声”でけたたましく笑っている。
 「海に落ちてオンド族なんかに助けられて、マジうける!

 私の仕事は、いきなり頓挫した。



 当初私はコルシア島から”騎獣”に跨り、
 一気に、罪喰いが住みつく、コルシア島沖の大灯台に向おうとした。

 ……しかし、少しばかり、アクシデントがあったのだ。



 ピクシー族の”オトモダチ”――ユル=ケンがはそんな私が滑稽で仕方ない様だ。
「どうすんだよ、諦めるかァ? ひひひ」

 まったく、人を揶揄うのが好きな子だなぁ。

 「まさか」
 私はユル=ケンをツンツン、と指でつついた。
 「さわんな」
 ユルケンは別の意味でツンツンしている、可愛いトモダチだ。

 
 「奇襲するつもりだったが、こうなってはね」
 私は苦笑しつつも、ユールモア政府に協力を要請することにした。

 当初は騎獣を用いた奇襲を行う予定だったので断ったが――ユールモア政府も、罪喰いの巣の近くまで飛空艇を出すくらいは出来ると言ってくれていたのだった。

 そして

 「真正面から敵の巣に向うなら、仲間も必要だな……」
 私は、計画を大幅に変更し、協力者を募ることにした。

 あとは――。
 「そもそもどうして、あんな所に大物のはぐれ罪喰いが……? 何か、あるのかな」

 私は、討伐に向う前に、少し調べものをすることにした。
-------------------------

 私はクリスタリウムの各所に依頼書を貼り、協力者が集まるのを待った。
 結果、顔見知りの旅人たちが協力してくれることになった。

 私は集合場所であるユールモアの飛空艇乗り場にて、ユル=ケンと話ながら協力者を待っていた。

 「あの灯台のこと、ナんか分かったのかよ?」
 数日行っていた”調べもの”の事が、ユル=ケンも気になったようだ。
 「ああ、ユールモア軍の資料に面白い記述があったよ――それから廃船街で面白い話も、ね」
 私はユル=ケンにウインクしてみせた。
 「ケッ」
 とユル=ケンは相変わらずの愛想の無さで私を睨んだ。
 ふふ。

 
 と、こちらに向って歩いてい来る影が見えた。

 ユールモアでは却って目立つ、深い闇色の衣を纏った人物――。 

 ――ユル=ケンが面倒を避けるために姿を消した。

 「……アジントタ、時間通りだね」
 その特徴的な装束の意匠は、亡国ロンカの地に、居を構えている事に由来するのだろうか。

 夜の民、ロストバン。
 哨戒任務で知り合ってから、度々顔を合わせるようになった人物だ。
 森の障害となる、罪喰いの排除にはこうして時々協力してくれる。
 
 「久しいな、シドゥルファス……いつ来ても眩しい所だ」
 「はは、飛空艇が出るようになって少しは雰囲気が変わったと思ったが……」

 清貧を是とする、”夜の民”には、未だにユールモアは慣れないようだ。
 私も特別な好きな所ではないけれど。

 と、もう一人、奥から――顔を隠した人物がやってきた。
 獣のような面に、白い毛皮を誂えた衣裳。
 「よぉ、依頼書見たんでな」
 その声には聞き覚えがあった。
 「はは、その声はゴーシュかい?」

 ――ゴーシュ。
 エルフ族の男性で、普段は甲冑を身にまとい、クリスタリウムで開発された銃剣を得物とする剣士だ。
 今の時代には珍しい、光耀教の敬虔な信徒でもある。


 「やあ、遅れてすまねえ! 久しぶりだな旦那」
 そして、最後の一人。
 いつの間にか、足元に愛嬌のある顔が見えた。

 「やあ、レバット、君も来てくれて感謝するよ」
 ドワーフ族のレバット。
 故合って、トメラの村を出たトルー一家のドワーフと聞いている。
 
 「ふひひ、お賃金がよかったもんでな!」
 「ああ、私も驚いたよ、なにせナバスアレン金貨だ」
 恐らく、ユールモアに献上された自由市民の財産の一部であろう。

 金の含有量で物品を売買しているノルヴラントにおいてはそれなりに価値があるものだ。
 「なんにせ、本物の金貨だぜ! こりゃあ乗るしかねぇってもんさ」
 レバットがにんまりと笑った。
 報酬によっては、難しい事もこなしてくれる、頼りになる相手だ。

 「レバットか、相変わらずだな」
 「ロストバンの兄ちゃんも久しぶりだな。ふひひ、ゴーシュのあんちゃんも無事そうでなによりだ」
 金銭で動くレバットに何とも言えない表情を見せるロストバン。
 夜の民とドワーフという奇妙な組み合わせに、私とゴーシュは少し笑った。

 皆、何度か旅の途中で顔を合わせた者同士だ。


 今回の相手は、はぐれ罪喰いの中でも大物――だが、互いに協力して対処する事出来そうだ。




 全員が集まったところで、私は今回の依頼の概要を説明しはじめた。

 「ユールモアの飛空艇を借りることになってね、沖にある廃灯台に向う」
 「よく借りられたな?」
 ゴーシュの言う通りだ、かつてノルヴラント最強の軍隊を持っていたユールモアだが、元首の交代、それに伴う国政の事実上の崩壊を経た今、余裕があるとは言い難い状況の筈だ。

 しかし、今は少しでも国政を安定させたい状況。
 多少の負担はやむを得ないという所だろう。

 「目標は、はぐれ罪喰いの中でも大きな力を持っているようでね……ユールモアも見過ごせないようだ
。 かといって軍隊迄出すことは出来ない、故に方々に依頼を出しているようだよ」

 ユールモア周辺であばら家になっている船――それが、まだ現役だった頃。
 かつて海があり、”航海”というものがあった時代。

 大灯台は多くの船の道しるべとなっていた。
 だが、今やそこは罪喰いの巣。


 大灯台から飛来する罪喰いはユールモアの人々を脅かしていた。

 「まだそこまで力を持ってるのが残ってるとはな」
 表情は見えない者の、ゴーシュが怪訝な様子で言う。
 夜が戻り、そして罪喰いを束ねていた”ドン・ヴァウスリー”が消えた今。
 罪喰いの数は減り、その力も目に見えて弱まりつつあったからだ。

 だが、これについて、私は少し思う所があった。

 ”だからこそ”なのではないかと。


「――光の戦士はどうした。こういう時こそ腕の振るい処だと思うが……」
 ロストバンが言う。
 困っていると人を救いたい、世界を救いたいと大勢の人間が旅に出たのは良い。
 だが、それで罪喰い退治の人手が足りなくなるとは、本末転倒も良い所だった。

 私は思わず苦笑した。

 しかし、人手不足の理由はそれだけでは無かった。

 「”いわくつき”の場所でね」

 大灯台は、コルシア島の人間に恐れられていた。
 ユールモア軍も近寄ろうとしない。

 「いわくつき? ……なんか理由でもあんのかい?」
 レバットが不思議そうな顔で言った。
 
 「ああ……」



  
 ”調べもの”で分かったことだ。

 あの大灯台は、罪喰いという存在の悍ましさが凝縮されていた。

 ――罪喰い。
 穢らわしい彼らの事を思うと、自然と血が湧きたつ。



 私は知らないうちに笑っていたようだ。
 レバットがこちらを見て肩をすくめていた。


 「――何代か前の”光の巫女”が命を落とした、不吉な場所って話だよ」

 私は少し高揚した気分のまま、レバットに言った。
(続)
コメント(0)
コメント投稿

コミュニティウォール

最新アクティビティ

表示する内容を絞り込むことができます。
※ランキング更新通知は全ワールド共通です。
※PvPチーム結成通知は全言語共通です。
※フリーカンパニー結成通知は全言語共通です。

表示種別
データセンター / ホームワールド
使用言語
表示件数