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Kirsch Curiosity

of the Sunless Sea

Ultima [Gaia]

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【霊二月】使用感のある革手帳【4/30更新】

公開
(※ここから先、ロールプレイ的日記、つまり創作物があります。また、若干のネタバレを含むことがあります。ご注意ください)



◆霊2月1日◆
 ロスがクッション袋に身体をうずめてじっとしていた。……目が合うとピエ、と鳴いてそれきりだったので、出られなくなったら呼ぶように言ってから、自分のことを始めた。
 木人相手に大剣の修練、魔力を流すにも元から術具である細剣とは勝手が違うので、反復して感覚をつかむことが重要だ。
 加えて魔術の鍛錬。……今回は空間エーテルへの干渉の感覚を研ぎ澄ませた。

 近いうちにまた草原に行こう。なにより、鍛錬の場として使っているのに挨拶もしなければ、”草原の長兄”が黙ってはいないだろうし。



◆霊2月2日◆
 草原での土産といえば羊だとかの実用的な家畜だが、私はそういう資産は持っていない。
 環境エーテルを利用して、微弱だが長期的に機能する病気治癒のお守りあたりがいいだろうか。彼らが部族外のまじない師を信用するかは別としてだが。
 それか嗜好品の類……アコニがこの辺は詳しいかもしれない。今度聞いてみよう。



◆霊2月3日◆
 再度、商会主催の海釣り企画が立ち上がっている。
 漁師ギルドの教練書を取り寄せたはいいが……身に着くかどうか。
 今日はそれでさまざまな技法を試すために、ロスとあちこちを行き来している。
 実際間に合うかは……微妙なところだ。



◆霊2月4日◆
 商会の航路調査に参加。個人的な釣果はふるわなかったが、全体としては商会として東方で取引するには十分な数があつまったようだ。
 私自身もいくらか懐が温まったし、吊り上げた希少種は調理法を調べ、アジムステップへのみやげにしよう。
 ロスがリムレーンプリントを妙に気に入ったようで、真似して平べったくなろうとして楕円になったりしていた。あれは……しゃがむといっていいのか、かがむといっていいのか。それとも単につぶれたというべきか。いや挟まれたわけじゃないからつぶれた、というのはおかしいが……
 まあ、ロスも荷物バッグから海を見て楽しそうだったので、よしとしよう。



◆霊2月5日◆
 魔導書の解読。そして修練。
 割に精神力を消耗するので、このあたりで……レイクランドにあるという温泉なども見に行くついでに、あちらへ行ってみることにしようか?
 ロスも喜ぶだろうし、あちらも手はいくらあってもいいはずだ。



◆霊2月6日◆
 夢を見た。……”彼女”の夢だ。
 もっと正確には、その頃の夢。彼女それ自体の夢。
 何気なく過ごす日常、そばにいる友人。かけがえのない家族。村の人々。
……詳しいところは分からない。ただ、そのような日常を夢に見た。
 夢は、記憶を整理する機能だという説がある。一方で、何か高次の感性を発揮しているとも。
 意味するところはなにも分からない。彼女は……私を許したが。私は……どうだろうか?
 今感じているのは紛れもない罪悪感そのものだ。私が、整理をつけなければならない。

……せっかく受けた助言もある。どちらも、世代を超えて受けたもの。
 なればこそ、それをも糧にして進むべきではないだろうか。



◆霊2月7日◆
 アコニがあちら側の調査についての募集をしていたので、参加を検討。
 それはそうとして、名工ゲロルトが新作を作っているという噂が流れてきている。
 なんでもかの”解放者”が手を貸しているとか……そしてロウェナ商会が噛んでいるとか。
 出どころの分からない話ではあるが、大元は東方だ。アルデナードではないらしい。
 もしもゲロルトの品が手に入るなら、ものにもよるが随分大きな収穫になるだろう。調べを進めることにしよう。



◆霊2月8日◆
 集合場所は擁書楼らしいので、クリスタリウムへ出たのちシロガネへ帰還。割と忙しい一日だったが、まあどうにでもなるものだ。
 修練と魔術の確認。術式の意識を研ぎ澄ませる……だいぶ期間が経っているとはいえ、あちらのことはまだ分からないことが多い。どのような状況にも対応できるようにしておくべきだろう。
 さて、確か明日だ。今日は栄養をとって十分休息することにしよう。



◆霊2月9日◆
 今日はアコニ主催によるアム・アレーンの大井戸の探索を行った。
 原生生物、水を操る奇妙なタロース、そして……罪喰い。
 奇妙な技を使ってきたがどうにか撃破。して戻ったところ、ダエグ=ティールが忠告をしに来た。
 曰く、罪喰いを討伐しすぎることもまた、罪喰い化を誘発するという。
 倒されることで、というのは嫌というほど聞いていたが、倒しすぎる、というのは初耳だ。
 それこそクリスタリウムの衛兵などは、闇が戻るまでは本当に命がけの戦いだったのだろう。

……旅立ちの宿で、「もうじき罪喰いになる」という者をかくまっていたという点とは、この話は合致する。ただその、空を覆う光にあてられるだけでなく、任務に忠実に、数えきれないほどの罪喰いを討伐した衛兵などもその中にはいたのだろう。

 いずれにせよ、今は間隔をあければ大した問題ではないという。助言だか諫言だかなんとも分からない言い方ではあったが、新たな情報を手に入れられたのは幸いだ。

 しかし、大井戸にはかつて大罪喰いと呼ばれるものがいて、それを闇の戦士は倒したという。となれば闇の戦士もまた、罪喰い化の危険と戦ったことになるのだろうか……?



◆霊2月10日◆
 無事罪喰いになることもなく帰還。おそらくダエグ=ティールの言は、まだ光に覆われていた頃の印象が強いのだろう。事実そのような口ぶりであったし。
 絶えず”光”を浴びている状況であれば、強力な”光”を受けた際に罪喰い化してしまうことも理解できる。
 ……しかし、ダエグ=ティールがなにか思いついたようだったのは気にかかるところだ。それに、口調がいつもと違う。いたずらとアドバイスを両立させたつもりなのだろうか?



◆霊2月11日◆
 今日は冒険者間の戦技の競い合い……ザ・フィーストに軽く参加した。
 最も得意なのは癒しの術であるから、当然そのようになるが……さすがに腕自慢が集うだけはある。勝敗いずれもそれなりといったところだ。
 だが景品ももらえるし、そこそこ良い経験にもなる。たまには悪くないかもしれない。



◆霊2月12日◆
 ロスは相変わらず水浴びと日向ぼっこが好きだ。乾燥からの水分補給で巨大化することがある、という話ではあるが……どうにもこの個体はのんきである。巨大になる兆候もなければ、今日もどこからか……黒くてすべすべの石を拾ってきた。
 平和でよろしいが、コロポックルの幼獣……コロコロポックルというのは皆こうなのだろうか? 私は……飼っているというのも微妙だし、同居する分にはそれなりに取り計らっているが、ほかのコロコロポックルや獣との交流をもっと持たせてあげたい気持ちもある。
 フィオレンツァ……といったか、彼女のもとのコロコロポックルとはそこそこ交流をしていたようだし、ほかのコロコロポックルがみつかったらまた交流させてみるのは良い試みだろう。

 それはそうとして、春になったせいかまたもゴワゴワしている。切れ味のよいクガネの剪定はさみは頼りになる。またきちんとまるくしておいた。



◆霊2月13日◆
 先日、アコニの大井戸調査の時に擁書楼からつながる禁書庫にある本の無事を心配する声があったのを思い出した。
 たしかに花が生い茂るという事は湿気やら何やらの問題があってもおかしくないはずであるし、本の状態は気にかかる。
 が、既にかなりの時間が経っているにも関わらず、カビや腐食の気配は見られない。そもそも魔法的な現象であるから本に影響がないのか、それとも本そのものがそんな程度では被害を受けないような代物なのかは分からないが。
 テンに頼めばあそこ自体の調査も可能か……いや、ただかなりリスキーである気がするが。



◆霊2月14日◆
 ダエグ=ティールが気にかかる。
 あれは明らかに何かろくでもないことを思いついた雰囲気だったし……今一度”おはなし”でもして聞き出すべきか?
 とはいえあれは相当に苦痛を伴うはずなので、なるべくなら避けたい。今度、話だけでも聞きに行ってみるか。



◆霊2月15日◆
 またも奇妙な夢を見た。
 ……彼女。過去の私だったものの夢だ。
 しかし、彼女は当時の姿ではなく。成長していたなら、というような。そんな可能性の話。
 彼女の魂は確かに星の海にある。だが、その片鱗もまた、私のうちに眠っているだろう。
 だとするなら、あれは……私と共に成長した彼女なのだろうか?
 おそらくそれは欠片だ。あるいは残滓。あの霊災の衝撃で間違いなく彼女は死に、代わりに私が生まれた。
 そもそも私の出どころは未だ分からないにしろ、とにかく。引き継いで、私は生きている。
 その私と共に、彼女の欠片もまた生きていたのなら。

 この夢は、きっと意味がある。
 もはや記憶や思い出さえ失くしてしまったであろう、私の中の彼女。
 けれど私が新たに得た記憶や思い出をほんのわずかでも共有したかもしれない彼女。

 しばし……自分について深く考えるべき時なのかもしれない。



◆霊2月16日◆
 また夢だ。
 ……しかし、彼女は幻術師だったはず。私の下地なのだから当然術師であるし、このころは武器術を修めてなどいなかったはずだ。
 しかし夢の中の彼女は武器を振るい、鍛錬をし……場面が切り替わると、何かと戦っていた。
 その意思は”決して通さない””守ってみせる”というようなもの。……記憶の限り、そのような相手がいた経験はないはずだ。

 だが、ひっかかる部分もある。もしかしたら、この夢は……いや、まだ結論は急ぐべきではないだろう。



◆霊2月17日◆
 記憶に触れる名前があった。武術に長け、”キルシュ”と共にいた人物。……クレスケンス。クレスケンス・スペキュルム。
 名前から察するにガレアン人で、記憶を探るにその通りのはずだ。
……しかし、なぜ? 彼女は……彼女こそは、私を許さぬ存在そのものだろう。星の海での対話こそ叶わなかったが、すくなくとも夢のような……共闘するような関係では、もはやないはずだ。
 クレスケンスが懐いたのは以前のキルシュであるのだから。
 しかし、夢で見た姿は以前のキルシュ。

……わからない。記憶の残滓が何か影響を及ぼしているのだろうか? ただの夢、と切り捨てるには妙な感覚だ。
……あの魔導書だろうか。あれは私を試し、観察している気配を感じることがある。名簿古書のように秘するものではなく、秘しているものをあえて知らせるような。そして、その行く末を眺めるような。

 術式を、編もう。
 夢の印象は残っている。眠りながらにして術式を意識下にすり込めば、彼女らのことがわかるかもしれない。
 正確には、”彼女たちらしき影”の。



◆霊2月18日◆
 理由は依然つかめない。だが……まず、大前提として彼女たちの魂はエーテルとして星の海に散っている。故に確たる個は、少なくともこちら側には存在しない。
 何かを考えることも、そもそも自らを認識することもできないはずだ。

 だが、夢で感じたのは。

 ”傍にいる”ということだった。
 術式を通し、その意味を探った結果がこれだ。彼女は……いや、彼女たちは、なんらかの目的を持っている。
 だが当然思考したり行動するほどのことはできないはずだ。それでも伝えてきたのだ。……おそらく、今の私のエーテル、魂を伝って。

 あまりにも都合のいい解釈ではある。だが、術式で感じ取ったのはそういうことだ。彼女……以前のキルシュと、クレスケンス。それに、私にパスを繋げた”誰か”があり、彼女らは私に歩み寄ろうとしている。

 今更害意のある行為などできようはずもない。少なくとも以前のキルシュは……そうだろう。
 私の中に残った残滓が、一体何を訴えているのか。そして、それを継いだのは誰なのか。
 不思議な直感だが、これは魔導書ではない。いや、それはきっかけに過ぎないという感覚がある。

 ……待っていたのだろうか? 私がこのように力を安定化し、自らのものにするのを。



◆霊2月19日◆
 術式を通じて分かったことに間違いはなさそうだ。夢に出てくる彼女らは確実になんらかの核を持ち、しかし確たる意思はない。……いや、意思しかないのか? なんらかの方向性のものを限定的に与えられた、いわば心象のゴーレムといった具合だ。
 実体化させることができればさらに多くのことが分かるかもしれない。近いうちに試してみよう。

 ……この手の研究をしているとき、ロスはおとなしく邪魔にならないようにしていて、助かる。ひと段落したら、散歩にでも連れて行ってあげることにしよう。



◆霊2月20日◆
 術式を改良し、接続深度を高めることにした。……まったく、私は何度自分の内側を知ろうとするのだろうか? まあ、いうまでもなく”何度でも”だが。
 結果として……伝わってきたのは、”護る意思”だった。奇妙なことではある。彼女らは……私を、護るというのだ。
 既に実体はなく、魂は星の海に還ったにも関わらず。
 しかしふたつの……そう、私が失っていたはずの”思い出”の残滓が。キルシュとクレスケンスとが、今の私の何かと結びつき、微かな、本当に微かな、核だけが存在するような状態になっている。

 これはひょっとして、星の海で彼女から受け取ったものだろうか? 私に残っていたものが零れ落ち彼女に還っていくと同時に、彼女からも何かが送られたというのか?

 ともかく。魔術的に重要なことが一つはっきりした。

 これは、現界させることができる。
 魔力で仮初の肉体を構成し、術式で疑似思考を作り出し、力を与える。私と彼女らはいまや同一の存在で、かつ、”血”という以前と今の私を繋ぐひとすじの道がある。
 だからこそできるはずだ。対話は難しくとも。より強く意志を感じ取ることくらいは。

 彼女たちが何を護ろうというのか。いや、それは罠で、やはり生き延びた私を許せず取り殺すつもりかもしれない。
 それならそれで良い。それも彼女らの選択だ。……むざむざ死ぬつもりもないが。

 明日、試してみることにしよう。



◆霊2月21日◆
 彼女は、私の姿をして。
 そして、クレスケンスの言葉で話した。
 ごく短く、それはおそらく記憶や思い出といったものの残滓しかないからだろう。
 ただ一言「私が護る」とだけ言って、黒い影からなる具足を身に着け、剣を手に取った。

……記憶が正しければクレスケンスは槍の使い手だったはずだが、おそらく私が主として細剣などの剣、そしてこの手の術式を織り込んだ大剣を使うために影響したのだろう。
 姿ははっきりと見たはずだが、覚えていない。記憶の中と同じように、ぼんやりと霞がかってしまっている。
 ただ確かなのは、彼女らの残り香は確かに私の中に残り、そして、私の力になるのだということだ。
 彼女らに名前を付けることはできない。既に名前を持っていたし、しかして混ざりこんだものなのだから。
 だからこそ、必要なときには現れる。
 要素として影。彼女たちの在りし日の残影。そして私自身の影。
 起動するに術式はごく簡易なものにまとまり、一定の魔力をもって現界させることができる。

 彼女らは、明確な意思を持たないだろう。なんらかの指向によって私を護るというだけだ。
 だが同時にただの道具でもない。私が、私の内側から生み出した影の刃だ。
 ジールの細剣がそうであるように、これもまた因果だろう。
 アコニすら連れて行くことがはばかられるようなところにも着いてくるものがある。それは、私自身。たった、それだけのことだ。

……アコニにこのことを話したら、ひょっとしたら拗ねてしまうだろうか? そう尋ねたロスはのんきにやっているばかりで、何の答えもない。……鳴きもしない。
 自分で確かめろ、ということかもしれないな。



◆霊2月22日◆
 ”影”は安定している。木人を相手に修練している最中に呼び出したところ、微かに頷いて彼女なりの修練をし、魔力が切れる前に自ら帰還する。術式自体の限界もあって長時間呼び出せるわけではないが、護る、というかたちのひとつを見たような気はする。

 さて、あとは都合のいい武器をよく探すことだ。魔力を乗せやすく、なるべく扱いやすいものがいい。



◆霊2月23日◆
 候補はいくつかある。
 まず、術式によってゼロから生み出す方法。形状のイメージ元は必要だが、魔術も織り交ぜる都合上触媒としてはこれ以上ないものだ。
 ただ、えてして改良が進まないうちは脆くなりやすい。激しい戦闘や、魔力を伴わない戦闘には不向き。
 次に、量産品に手を加える方法。
 これはほどほどだ。ただ、大抵の場合術式の乗りが悪く、物理攻撃に特化しがち。
 最後に、なんらかの出土品などを使う方法だ。
 刀がそれに該当するが、時を経たもの、業物、心のこもった物品は魔術に適する。そういったものを探すのも悪くはない。

……そんなことを考えていたら、ロスがきれいな枝を持ってくるくる回っていた。私の技の真似だろうか……?



◆霊2月24日◆
 ひとまず、量産品のなかでも格別に良いものを選定して購入。魔力による補強を施した。
 どういうわけかこの一連の術式は私の性質が色濃く出たようで、色合いは血のように赤い。それも、あざやかな動脈の鮮血だ。
 魔力の運用としては表面的なものだが。……まあ、今後改良の余地は大いにある。焦らずにやろう。

 それと、庭先に置いてあるバラのワゴン(華を添えようと置いたものだ)にロスが水やりをしていた。そして満足げであった。平和でなにより。



◆霊2月25日◆
 コルシア島の調査に参加。
 ライト村にはじまり、沖の海底に住むというオンド族へ案内する小舟(もっとも、行くだけで直接の接触は利用者任せらしいが)、雨で霞むほどの高さをもつリフト、ドワーフ族の集落……見るところは多く、また、謎の巨山などのスポットも気になるところだ。
 浮いている…と思いきやつながっていて、しかもどうやらつなぎとめているのは巨大なタロースだとか。なんともスケールの大きい話である。
 しばらく哨戒などをしつつ、交流を深めることになるだろう。
 商会としてのチャンスはやはり大きい。……もちろん、イル・メグやラケティカ大森林のことも忘れてはならない。
 築くより難しいのは、維持すること。今後も彼らに定期的に接触し、関係を維持していきたいところだ。



◆霊2月26日◆
 術式の補正と調整に時間をかけた。ロスは昨日の調査に同行したためかご機嫌に階段で遊んでいる。
 ”影”を現界させるときには私自身のエーテルを利用し、いわば写し身を作る。文字通り影だ。
 そして影はそのかすかな意識に基づき、私と共に戦ってくれる。
 制限も多いため短時間に制限しているが、これ自体はまた何か別のことにも利用できそうだ。

……ロスの分身を作って遊ばせるとか?
 いや、それはいなくなったときにロスが寂しいだろうから……と思ったが、そもそもなぜロスが例に出てきたのか。

 ともかく、十分に研究の余地がある。それに武装も調達したり、調整しなければ。



◆霊2月27日◆
 装備の新調に時間をかける。……なかなか都合のいいものが見つからない。
 軽装か中装甲のもので、足さばきを見えないようスカートで……となるとなかなか選択肢は限られてくる。
 重装にしたところで軽量化術式をかければいいのだが、それはそれで重装の利点の一つが潰されてしまう。

 剣へのエンチャントも試行段階であるし……何か良い方法はないものか。



◆霊2月28日◆
 ひとまずは現行のままでいくことにした。
 本業は術師なので、目的を見誤ってはいけない。
 明日あたりにでも気分転換をかねて、ロスと散歩でもいこう。



◆霊2月29日◆
 今日はロスとヤンサ周辺を散歩してきた。で、これまでにない事件があった。
 干し柿を手に入れたロスが、驚くべきことにそれを軽くかじったのである。
 普通に……もぐもぐと食べて、ピエエと鳴いていたのであるが……まあ、多分、「おいしい」だろう。両手パタパタしてたし飛びあがってたし。

 とにかく、少量ではあるが食事をとれることが確定したのは発見だ。
 今後彼(彼女?)にあたえる娯楽の選択肢としても取り入れることができるだろう。

 とりあえず柿は大丈夫そうなので、おやつとして2つほど買い置きすることにした。



◆霊2月30日◆
 今日はよく晴れた日で、夜になるとロスが庭でじっと空を眺めていた。
 星空を鑑賞しているのかと思い、実際そのように尋ねてみたが……
 身振りからするに、流れ星を見てみたいらしい。
 それっぽいものを魔術で再現することはできるが、そういう問題ではないだろう。

 そうして結構な時間、ロスと空を眺めていたが、結局流れ星は見ることができなかった。
 しかしロスはどこか満足げに寝床に入っていった……つくづく、不思議な生き物だ。
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