キャラクター

キャラクター

Mammeteer

Alain Oldman

Chocobo [Mana]

このキャラクターとの関係はありません。

フォロー申請

このキャラクターをフォローしますか?

  • 0

ゲームと勉強について長い話

公開
今回はゲームとゲームでないものを分けるのはどのような性質によるものなのかを考えてみる。

1.ゲーム性とは一体何なのか

もし、ゲームと同じくらい勉強を続けられたら自分はもっと学校の成績が良かったかもしれない、
過去を振り返って、あるいは現在進行形でそういった思いを持っている人は少なくないと思う。

なぜ、ゲームは寝るのも忘れて続けられるのに勉強は続けられないのか。
それは「これをすれば得られる報酬がある」という期待感の強さ(濃さ)にあるのではないだろうか。

人の脳内には報酬系と呼ばれる、欲求が満たされたときや満たされることが分かったとき、
報酬を得ることを期待して行動しているときに活性化し、快感をもたらす神経系が存在している。

活性化した報酬系から快感がもたらされているとき、人はその報酬系を活性化させているものに
夢中になってしまい、もっと快感を得たいという一心で行動を続けてしまうのだ。

つまり、ゲーム性とは「人の報酬系を機能させる性質」と考えても良いのではないだろうか。

ゲーム性が高ければ人は夢中になり、ゲーム性が低ければ人はクソゲー!と叫ぶ。
もしかすると、勉強もゲーム性が高ければゲームのように続けられるのかもしれない。

要するに、気持ちよさを生み出す報酬系が刺激されると人はそれに夢中になるのだ。

2.勉強はクソゲー?

ゲームでも勉強でも「これをすれば得られる報酬がある」というのは、共通している。
それなのにゲームは毎日遊べても、勉強は毎日できない人が多いのはなぜだろうか。

ゲームと勉強の違いを考えていくと、ゲームでは行動してから報酬を得られるまで、
RPGで言えばクエストを受けて解決し、クエスト報酬をもらうまでの期間は短いが、
勉強では行動してから報酬を得られるまで、つまり勉強をしてからその効果を実感するまでが長い。

また、報酬の価値にも違いがある。
ゲームにおいて基本的にクエストでもらえる報酬というのはすぐに役立つものが多い。
役に立たないものを渡されるという場合もあるが、そういったクエストは評価が高くない傾向にある。

一方、勉強はというと「学校の勉強が一体何の役に立つのか分からない」と言う人が
今も昔も絶えないように時間をかけてもそれがいつ、どの程度役に立つのかが分からず、
時代によってもその価値が変動する。

加えて、評価される境界の問題もある。
勉強してテストで良い点を取るのは当たり前、という意識が一般的で、いくら勉強しても
テストごとに内容が変わったり、自分が伸びたのと同じだけ問題が難しくなってしまうと
テストの点数を見ただけでは自分の成長を実感することが難しい。

さらに授業は集団や教科書に合わせて進むため、
自分の出来不出来に関わらず、内容は難しくなっていく。

ゲームで言えば
1)クエストをクリアしても一体何に使うのか分からないモノを報酬として渡される
2)クエストを受けてクリアするのは当たり前だとNPCに言われる
3)レベルが上がっても上がらなくても、敵は強くなり続ける

3)だけならば、こういうシステムのゲームもあるので詰んでも、セーブデータからやり直したり、
リセットすれば、そうならないようにはどうすればいいのか学んだ状態でやり直すことができる。
しかし、1)、2)、3)が複合して存在していたらクソゲーと言われても仕方がない。

つまり、面白いゲームは報酬系を上手く刺激するようにできていて、
勉強は報酬系を上手く刺激できていないがために続けるのが難しい。


3.ゲーム性の構造

ここまでに考えてきたことを踏まえて、ゲーム性の構造を整理していく。
「これをすれば得られる報酬がある」ことが分かっており、
それを期待して行動し、実際に報酬が得られる。

このプロセスによって人間の報酬系が活性化するのであれば、重要になってくるのは、
事前に行動に対して報酬が見合っているかどうかが分かるか、
もしくは、分からなくても行動が報酬に対して見合っていると思えるような流れがあることだ。

たとえば、多くのRPGでは敵を倒せばお金が手に入り、お金を溜めれば
新しい装備を買うことができる。

装備の代金を稼ごうと思えるのは、その装備の性能が今の装備よりも高いことが分かっており、
手に入れることができれば、キャラクターを強くできるからだ。
この例ではお金を稼ぐ(行動)と装備を手に入れてキャラクターが強くなる(報酬)が対応している。

1)敵を倒してお金を稼ぎ、新しい装備を買えばキャラクターを強くできることが分かる
2)キャラクターが強くなるという期待を持って敵を倒し、お金を稼ぐ
3)溜めたお金で新しい装備を買い、キャラクターが強くなる

大して強くならない割りに価格が高ければ、わざわざ時間をかけて稼ごうとは思わないだろう。
(コレクターにとっては性能以外にコレクションという価値があるので話は変わってくる)

このように、行動に対して期待通り(あるいは期待以上)に報酬が得られることで、
報酬系が活性化し、行動するモチベーションを維持、向上させることができる。


この行動と報酬の構造を順序立てると以下のようになる。

①問題 → ②挑戦 → ③解決 → ④評価 → ⑤報酬

①問題
ここでの問題とは目的や目標、ゲーム的に言えばクエストやコンテンツと呼ばれるものを指す。

この問題は「挑戦者にとってちょうど良い問題であるか」どうかが非常に重要となる。
人が継続して没頭するには、難易度と要求されるスキルが上手く釣り合っていなければならない。

なぜなら、スキルに対して難易度が高すぎれば、失敗するかもしれないという不安を感じてしまい、
難易度に対してスキルが高すぎれば、今度は簡単すぎて退屈さを感じてしまう。
この2つが釣り合っていないと人は上手く集中することができず、達成欲求を満たしづらくなる。

欲求を満たしづらくなるということは報酬系が活性化せず、快感を得られなくなることに繋がる。
そのため、取り掛かる問題は自分のスキルに対してちょうど良い難易度である必要がある。

簡単に言えば、自分にとってちょうどいい難しさの問題を解くことで人は気持ちよくなれる。

②挑戦
問題を認識し、実際に行動することをここでは挑戦と呼ぶ。
ここで重要なのは、「問題に挑戦する上で効率の予測ができるか」ということにある。

①でも触れたように、難易度とスキルの釣り合いが取れていることが報酬系の活性化に結びつく。
自分のスキルと比べて問題がどの程度難しく、どのくらいの時間効率で解けるのかを予測できれば
今の自分のスキルに見合った問題の解き方を選ぶことができるため、釣り合いを取りやすくなる。

例えば、敵の弱点をつくと大きなダメージを与えられるが、同時に敵が強くなってしまうとしたら、
自分のスキルに自信がある人であれば、敵が強くなるというリスクを背負うことになるが
弱点をつくことによって、短時間で敵を倒すことができるので時間効率は高くなる。

自分のスキルに自信がない人は、弱点をつかずに戦えば時間はかかってしまうが
リスクを背負わずに敵を倒すことができる。

これにはリスクをとって弱点をついて死んでしまった場合、
かえって時間がかかってしまうかもしれないという判断も含まれているので、
その人にとっては弱点をつくよりも時間効率は良いと予測した結果と言える。

どちらも自分のスキルと問題の難易度を考えた結果から、効率を予測して行動を選択しており、
自分の選択した行動によって、それに見合った報酬を得やすくなるため、報酬系は活性化する。

③解決
解決するにあたって重要なのは「解決することで、新しい発見はあるか」ということだ。
何度も問題に挑戦していくうちに、同じことの繰り返しでどうしても飽きてきてしまう。

なぜ、飽きてしまうかといえば、問題について効率を予測したときに
これ以上効率化することができない、あるいは効率化する必要性を感じなくなってしまうからだ。

将棋のように選択肢が局面によって無数に存在するゲームにおいては、効率化の可能性は幅広く
スーパーコンピュータですら最も効率の良い選択肢を常に選び続けることはできない。
問題を解決しようとするたびに新しい発見が得られ、それによってスキルが上がることで
より効率的な選択肢を選ぶことができるようになれば、飽きるまでの期間は長くなる。

つまり、問題を解くほどにもっと効率の良い解き方に気付けるような余地があることで飽きにくくなり、
報酬系を長く活性化させやすくなる。


④評価
問題を解決する際に必要となるのが、「解決方法がどの程度適切か」を示す評価だ。
自分の行動に対して評価ができなければ効率予測の判断基準が曖昧になり、
どの行動が今選んでいる行動よりも効率の良い行動なのかが分からなくなってしまう。

例)敵の弱点属性をつくと大ダメージを与えることができるが、与えたダメージ量は表示されない。

敵の弱点属性が戦闘中に変わらないという条件においては、
属性ごとに敵を倒すまでの時間を計ることで、評価としては手間がかかってしまうものの、
敵の弱点属性を割り出し、効率化することができる。

しかし、敵の弱点属性が特定条件下で変わる場合ではどうだろうか。
弱点属性がいつ変わるか、どの弱点属性に変わったのかが分からなかった場合、
与えたダメージの量が見えるなどの評価に使える情報がないと敵の弱点を割り出すことが難しくなる。

もし、敵の弱点属性が変わると属性に対応した外見に変わったり、
与えたダメージ量の違いが見えたり、行動パターンが変わるなどすれば、
弱点属性や属性が変わる条件を割り出せるようになり、
難易度と自分のスキルから行動の効率を予測して、自分に合わせた行動を選択できるようになる。

このように要素が複雑に入り組んでいた場合、評価に使える情報が得られるようになっていないと
効率の予測ができなくなってしまうため、飽きが早まってしまったり、行動する指針を見失ってしまう。


⑤報酬
「これをすれば得られる報酬がある」という期待感が報酬系を刺激し、
活性化させると説明してきたように報酬が「行動に見合っているか」どうかで、期待感が変わってくる。

見合った報酬とは何だろうかと考えてみると、実用的であったり趣味的であったりと様々だが、
分類すると形のある「モノ」と形のない「コト」に分けることができる。

モノに含まれるアイテムや装備品、通貨などはその実用性を数値で表すことができるため、
誰にとっても一定の価値のある報酬として設定しやすい。

一方、コトに含まれるのは体験や経験、知識などであるため、数値で表すことができず、
人によってその価値は変わるので、報酬として設定しづらい。

こう見るとコトよりもモノの方が行動に見合った報酬として設定しやすく、簡単そうに思えるのだが
気をつけなければならないのは、強い装備が手に入るようになると、それ以前の弱い装備には
価値がなくなるようにモノの価値というのは、より優れたモノが登場すると薄れてしまうということだ。

報酬としてモノが手に入る構造が繰り返されていくうちに、次に手に入るモノの価値は
更に次にモノが手に入るようになると価値がなくなってしまうことが事前に分かってしまうようになる。
これによってモノによる報酬の期待感が薄れていってしまう。

そんなモノに対して、コトは経験や知識など記憶がベースになっているので、
忘れてしまったり役立つ場面が限られることはあっても、完全に価値がなくなってしまうことはない。
むしろ、体験などは思い出補正と言われるほどに濃くなることすらある。


このように報酬をモノだけに依存するのは、数字が変わるだけと思われてしまうと
魅力が薄れる危険性があるため、報酬はモノとコトを組み合わせて
「手に入れたモノでどんなコトができるか」というように設定することが重要になる。

4.さいごに

報酬系を上手く活性化し続けてくれるゲームは面白く、寝食を忘れて続けてしまうことさえあるが
学校の勉強はというと、自分で報酬系を活性化させることができないと面白くはならない。

優れたゲーム性を持つ面白いゲームというのは平たく言ってしまえば、
自分にとってちょうど良い問題に挑戦することができ、上手くやるほど褒められる(報酬が手に入る)。
失敗すれば何が間違っていたのかを考える手掛かりを与えてくれて、やり直しもきく。
問題に挑戦して学んだことはすぐに役立つことばかりで、無駄になることはほとんどない。
何より重要なのは、ゲームは自分のペースで進めることができるということだ。

学校の勉強と比べると、ゲームがいかに人を夢中にさせることに特化して作られているかが分かる。

しかし、ここで思うのではMMORPGはゲームと勉強のどちらに近いのだろうか、ということだ。
前回の記事ではMMORPGの面白さとは何なのかについて書いたが、
ゲームとしての面においてはコンテンツ中心の第二世代のMMORPGはコンシューマゲームよりも、
むしろ勉強に近づいてはいないだろうか。

ゲームの優れているところは
ゲーム性によってプレイヤーを動かし、成長を促せる点にある。

MMORPGだからといって、自力で報酬系を活性化させられるようになればいいだろうと
切り捨ててしまえば、それはもう勉強と変わらなくなってしまうのではないだろうか。

コンテンツの旬を逃したプレイヤーが、コンテンツに参加しづらくなっている状況は
授業についていけなかった生徒が集団のペースに追いつけず、
そのまま、やる気をなくしてしまうのとよく似ている。

同じペースでないと遊びにくく、それでいて同じペースで遊んでいるプレイヤーを見つけることが
難しいとなると過密サーバーはより過密に、過疎サーバーはより過疎になっていってしまう。
コメント(0)
コメント投稿

コミュニティウォール

最新アクティビティ

表示する内容を絞り込むことができます。
※ランキング更新通知は全ワールド共通です。
※PvPチーム結成通知は全言語共通です。
※フリーカンパニー結成通知は全言語共通です。

表示種別
データセンター / ホームワールド
使用言語
表示件数