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Flootier Cyda

the Negotiator

Pandaemonium (Mana)

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忠義

公開
前回の続きです(今更)

始まりがもう一年前になりそうなのでリンク
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贈り物
連れ去り
とある男が死んだ日
会談

過去編
ある日の男とお姫さま
ある日の男とお別れ

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ゴロは苛立ちを隠せなかった。

復讐は目前。
だがそれはたった一人の男に妨げられている。


魔導兵器によってこじ開けた穴に殺到するゴロツキ達。
しかし、目的の場所にたどり着くことはかなわない。


「誰一人...ここを通すわけにはいかねぇんだ!!」

圧倒的人数差に怯えることもなく、なぎ倒し続けるルガディンの男。


「アイツ....見たことが...そういや...闘技場で..???だが、あいつは万年底辺のカスだったはず....」
「そのカス一人に、随分時間かかっているのね。」


突如後ろから声をかけられる。

「あぁ、あんたか..」
不快感をあらわにするゴロ。

雇い主の娘であり、以前攫った女でもある。
だが、その頃の面影はない。
その身からは禍々しい気配を感じる。

「これじゃあ、日が暮れるわね...そういえば、アンタのお仲間以外の兵隊は何をしているのかしら?」
「アイツらは使えやしない。使命だ正義だのぬかしやがる。」


「ふぅん..」

おもむろに待機している兵士に近づく女。


「ダメよ?ちゃんと仕事はしないと...」
「いや、しかし...ウグゥッ...」


兵隊の中でもゴロに次ぐ地位についている男が苦悶の表情を浮かべる。

「おいおい、なにしやがったんだ?」
「なにって....使えるようにしただけよ?」
微笑みを浮かべながら答える。

「グゥアアアアアアアア!!」
兵士の身体は見る見るうちに変化していき、ついにはおぞましい怪物と成り果てた。


「こ、こいつはいったい...」
「あら?怖気づいたのかしら?」

クスクスと笑う女。
ゴロはこの女を好きになれない。
だが、

「バカ言うんじゃねぇ。どんな手を使おうとも、あの男に復讐できればそれでいい...」

「フフフ...そう、それでいいのよ...さぁ、もっと面白いことをしましょうか。」

女はそういうと呪文を詠唱する。


手の中に創りだされた小さな火が徐々に大きくなり、ついにはキャリッジほどの大きさの火球へと育った。

それを穴のあいた門ではなく、その奥の屋敷に向かって投げつける。


爆発音とともに炎上する屋敷。


「さ、これで中にいるあの男の仲間も炙り出せるし...死んでくれればなおいいわね。」

クスクスと笑う女。


とても常人とは思えない。
だが、復讐のためなら、なにと手を組もうとも構わない。



「てめぇら!さっさとそんなカス捻りつぶせ!」

怒号を飛ばす。


ゴロの気持ちは逸るばかりであった。

-------------------



-------------------

守る屋敷が燃えようとも、門前にいる男は逃げなかった。

その振る舞いに強い意志を感じる。


何が起きようとも、やり遂げるという強い意志。


それが、ゴロを更に苛立たせた。

「たった一人になぜ苦戦してる!さっさと袋叩きにしやがれ!」
仲間に怒号を飛ばす。
しかし返ってくるのはどうしようもない言い訳ばかり。
「狭い場所で多くの人間が一度に入ることが...数の利を活かすことが難しい位置取りをされて...」
「うるせぇ!うだうだ言わずにさっさとなんとかしろ!」
怒りに任せて殴り飛ばす。


「ええい!魔導兵器の充填はまだか!」

怒るゴロに怯えながらも充填作業を進める部下。

「まったく…世話が焼けるわね…」

女は異形と化した者達に支援を指示する。


クロッカスに対し斬りかかっていた人間諸とも魔法で攻撃を加える。


「ぐぁああ!」
悲鳴が複数あがる。


「あらごめんなさい?まぁ、でも、別気にしないわよね?」
「フン....おい!まだ充填は終わらねぇのか!!」


そばで整備していた部下に当たり散らす。


魔法に怯んだゴロの取り巻き達が攻撃の手を止める。

その一瞬のうちにとある男がクロッカスの前に立ちはだかった。


「グッ…てめぇか…」

「…」
男は黙ってクロッカスを見下ろす。




「お前が相手だろうと…ここを通すわけにはいかねぇ…」
剣を杖代わりに使い立ち上がる。



血塗れの左腕はだらりと下がり、肩で息をする姿は、誰がみようと限界であった。


「何故、貴様は闘う。」

男が短く問いかける。


「なんだと…??」
「貴様は最早闘える身体ではないだろう。だというのに、何故貴様は立ち上がる?」


「へっ…そんなことか…」
満身創痍でありながら、不敵な笑みを浮かべるクロッカス。



「頼まれたんだよ。」
「頼まれた?」
「そうだ。ここを、頼むってな。自分の主に、そして、憧れの人にな。」


まっすぐと剣を目の前に立ち塞がる男に向ける。

「私に、勝てると思うのか?主の前で手も足も出ずに打ちのめされた貴様が。」

「勝つんだよ。」


その眼には諦めや絶望はない。


「そうか....」
そうぽつりと呟くと誰かと連絡を取り始めた。


「ああ、私だ。ああ、うむ。見つけたよ。そちらもか。なら、、、、了解した。」
通信を終え、目を閉じ何かを思案する男。



そして決意した表情でクロッカスに向き直る。

何かを語り掛けようとした男だったが、それは乱入者によって邪魔をされる。




「テメェ...やっぱりアイツの味方だったのか...」
魔導兵器に乗ったゴロが苛ついた様子で話しかける。



「なんだその眼は...気に入らねぇ...」
肩を震わせながら怒りをあらわにする。


「気に入らねぇ....気に入らねぇ...!!どいつも...こいつも...!!!」
徐々にその顔は狂気に満ちていく。

「みんな...みんなぶち壊してやる!!」
魔導兵器がそのおぞましい口を開け、魔力を一点に集中させる。


「砕け散れ!!!!」

放たれた魔力は轟音と共に周囲に破壊をまき散らす。


「はは!はははは!!」
直撃を受けて無事であるはずがない。
そう確信し高笑いするゴロ。


だから、

舞い上がった土煙から覗く光の翼に気が付いた時は動揺を隠せなかった。



衝撃に備え、身を屈めていたクロッカスもまた、驚きを隠せなかった。


「お前...どうして...??」


男はクロッカスの問いかけに微笑んで返す。

そして、煙を払うように剣を抜き放ち高らかに宣言する。




「忠義の元に、我は盾となりて遍く脅威から御身を護ろう。忠義の元に、我は剣となりて御身に立ち塞がる全てを斬り払おう。この忠義、我が主と、とある男の決意に捧げん。」




以前会ったときとはまるで別人のような背中。


クロッカスにとって、これまでの生涯で二人目となる大きな背中だった。



不敵に微笑む。
「さぁ、反撃開始だ。」







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「皆さん!はやく!こっちです!」

青年が声を張り上げる。
「まさかここまで直接的な手を取ってくるとは...」

あれほどの集団に囲まれた時点で、

そして、

あの男が出てきた時点で、

後悔は溢れるほどに湧き出る。

だが、今はそんなことを考えている場合ではない。
ただでさえ後手に回っている現状、出来ることをやらなければ。


従者たるもの命を賭して屋敷を護り、主の帰りを待つべきだろう。
だが、日ごろから主人に厳命されていた。


主不在で襲撃などを受けた場合は至急避難しろと。


だからこそ、青年は動く。


「くっ....火の手が思ったより早い...皆さん急いで!」
「...兄さま!まだポピーさんたちが...!!」
泣きそうな声でスズランが言う。

「そうですか....ポピーたちは私が連れていきます。スズランさんは三姉妹と一緒に先に行っていてください!」
スズランに託し、ポピーたちの部屋へと急ぐ。


すでに屋敷の中まで火が回ってきている。

「早く皆さんを避難させてクロッカスを助けに行かなければ...」


ふと、目の前に人影があることに気が付く。

「誰だ!」

この屋敷にいるのはスズラン、三姉妹、ポピーたち。
そして、表で戦ってくれているクロッカス。


そのどれとも違う人影。


「にゃははは~君はこの屋敷の執事長さんだねぇ~」
間の抜けた声で語り掛けてくる。

「お前は..」

クロッカスから報告を受けたご主人様を誘拐した人物は二人。



大柄なルガディンの男と、


目の前にいるミコッテの女。


クロッカスが言うには、ルガディンの男も強いが、それ以上に女の方が得体の知れない強さを感じたらしい。

だが、それ以上に、青年は相手の女から既視感を感じる。
そう、この感じ、どこかで。

「そんなに急いでどうしたんだにゃ~?」
「っ!!」

間合いを取る。

「そんなに警戒しないで欲しいにゃあ~」
親しく声をかけてくる女。

はっきりと顔が見えるほどの距離になってから、青年は気づいた。
女の傍にはカーバンクルに背負われたポピーたちがいた。


「その子たちに何をした!」
「なにって....どうしたと思う?」
いたずらをした子供のような笑顔を浮かべる女。


「くっ!!」
拳を握り、女に向かって踏み込もうとする。

「君に、私を倒せるの?」

「!」


「なんの力も持たない君が...私に?」
じわりと距離を詰めてくる女。

「外では君の仲間が必死に戦い...あの子たちを逃がしたらあなたも加勢しに行くつもりでしょう?」


「でも、正直、足手まといだと思うんだよねぇ。まだ、あの子、スズランちゃんだっけ?あの子の方が戦えるよね?」


青年は言い返すことも出来ない。

気が付けば女は目の前にきていた。


「ねぇ、聞きたかったんだけどさ、どうしてそこまでするの?」

含みのある言い方をされ、困惑する。

「君は戦えない。こんな戦いの中じゃあ死んじゃうかもしれないのに、どうしてそこまで頑張るの?さっさと逃げちゃえばいいのに。」


「なぜって...」

「それは、君があの男に拾われたから?」
「君は元々孤児だよね?それをあの男がどさくさに紛れて連れ去った。それで、こんな危険な目にあっている。逃げ出してもいいんだよ?」
「逃げ出せないのは、もしかして...弱みでも握られているの?それで、ここで酷使されているの?」

畳みかけるように問いかける女。


「私は....」
絞り出すような小さな声。

「私が、ここから逃げ出すのを手伝ってあげる。」
そういいながら女は手を差し伸べる。


その手をじっと見つめる。

「考えている時間はないよ?」



女の問いかけに、青年はまっすぐと返事をする。

「申し訳ありません。あなたの申し出を受け入れることは出来ません。」

「どうして?」
「あなたは少し勘違いをしております。私は、自分の意志で、ここにいるのです。過程はどうであれ、ここにいたいと思ったのは紛れも無い本心です。こういった荒事は少し怖いですけどね。ですから...」


女に頭を下げる。

「どうか、私の手伝いをしていただけませんか?逃げるのではなく、戦うための力を貸してください。」



細く鋭かった女の目が和らぐ。

「にゃはははは。初対面の私にそんなことをお願いするなんてにゃあ。肝が据わってるにゃあ。」


「それでは手伝っていただけるのですね?」

女はウィンクをして返す。


「ありがとうございます。あぁ、ポピーたちを助けていただいたことのお礼もまだでしたね...」
「いいよいいよぉ。この子たちはいい子たちだからね。気にしないで~」



「それでは私はこの子たちを連れて避難します。それであなたには....」

「表で戦ってる彼の手助けでしょう?お姉さんに任せておきなさいな!さぁ、早くいきにゃ!」


ポピーたちを預かった青年は深々とお辞儀をし、避難口へとかけていく。

それを見送った女に通信が入る。

「はいはーい。どうだった?こっちは見つけたよ~。そっか。じゃあ、いいよ!好きにやっちゃいな!」


通信を終えた彼女は一人呟く。

「あの子が随分と入れ込んでいるみたいだったから見てみたけども...なかなかどうして、いい眼だったにゃあ。でも、同時に危うさも含んでる...か。それにどうしてここが襲われる...??」
思案にふけりそうになるのを抑え、自分のやるべきことを考える。

「おっと考えるのはあとでいっか...表にはアイツがいったし....私は本来の仕事にかかりますか!」

背伸びをした女は静かにその姿を消した。













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