あるところに、一匹のタヌキがいた。
この毛玉はたいそう貧しい暮らしをしており、
人里へ下りては人に化け、ある時は石を掘り、ある時は草花を刈り、ある時は海老を釣り、
ある時は料理や薬やその他もろもろを作り、ある時は魑魅魍魎との戦いに身を投じるなどしてお金を稼いでいた。
親しい友人から「びんぼー」と呼ばれるこの毛玉は、
ありとあるゆる手を使いなんとか頑張って小さい家を買えるほどのお金を稼ぎ、
その時偶然持ち合わせていた幸運を全て使い切ることで、大人気の港町に家を買うことができた。
そしてその後その家を改装し、道行く人の休憩所となるようにと小さな酒場を開き、多くの人の話を聞きながらのんびりと過ごしたのである。
家を買ってから早二年、店を開いてから早数か月が経った頃、びんぼーなタヌキは相も変わらずのんびりとしており、時々厄介なことに巻き込まれることはあったが、以前と変わらず小銭を稼ぎ、焚火や流れる川の音を聞きながらうたた寝をするような平和な日々を過ごしていた。
今日も今日とてなにして過ごそうか?
そんなことを考えながら砂国の大通りをとてとてと歩いていた人型の毛玉に、ある人物が声を掛けた。
「いい物件がありますぜ…興味ありやせんか?」
この突然の問いかけが、己が身を約二日間の長い戦いへ導くものだと知らずに、
タヌキは勢いよく気軽な気持ちで「はい!」と答える。
こうして、びんぼーお家争奪戦が始まったのである。
まあ、そんなこんなで色々ありましたが以下省略
色々な偶然が巻き起こり、
個人宅でLのハウスが手に入りました。
私自身も、まさかこうなるとは思ってなかったのでびっくりです。