登場人物
オッ参：職業ファットキャットのオッサン。え？ウサミミ？ 男は黙ってブラミミだ！
キング：トリプルトライアドの王様
・・・・
ゴールドソーサー閉店後のＢＡＲ。
キングは一人酒を飲んでいた。
仕事を終えたバニー達の声が聞こえる。
バニ１「最近冒険者減ったきがするぅ」
バニ２「減ってなんかないわよ。みーんなキングのところへ行ってるの」
バニ３「知ってる知ってる！ 簡単に勝てるって、カモられてるらしいわ！」
キング「・・・」
バニ１「あっ！ キングさん！？」
バニ２「キングさん、お疲れ様でした！！」
バニ３「キングさん、私たちはこれで失礼します！！！」
キング「や、やめてくれ！ 私をキングと呼ぶのは、もうやめてくれ・・・」
バニー達は気まずそうに、ウサミミを揺らしながら去って行った。
？？？「ウサギ達に当っても、失ったものはもどりゃしないぜ・・・キングさんよ」
キング「だ、誰だ君は！？」
ブラジャーを頭に着けて、そのブラミミを揺らしながら男はキングの隣に座った。
キング「変なおじさんだ！」
オッ参「俺はオッ参。職業ファットキャットさ」
オッ参「バーテン、ミルクを頼む。ホットでなっ！」
バーテン「かしこまりました」
オッ参「申し訳ない、仕事中で酒はご法度なのさ」
キング「ミルクならいいんですかっ！？」
オッ参「ファットキャットだから」
キング「はぁ・・・」
オッ参「ここで会ったのも何かの縁」
オッ参「キャットに解決なんてできはしないが、話ぐらい聞いてやれるぜ」
キング「・・・それは悩みを話せということですか」
オッ参「まあ、嫌なら無理しなくてもいい。だいたい察しはついてる」
オッ参「さっきのバニー達の中に、好きなヤツがいるんだろ？」
キング「全然違いますからっ！」
キングはトリプルトライアドで負けまくって、自信がなくなったことを話した。
オッ参「なるほど。自信がなくなってバニーに告白できないと・・・」
キング「バニーから離れてください！」
キング「負けっぱなしで絶望のどん底です。勝てそうな希望さえあればいいのですが・・・」
オッ参「・・・」
オッ参「人の歩みをとめるのは、絶望ではなく諦め。人を歩み続けさせるのは、希望ではなく意志！」
オッ参「エルマー！ お前のカードへの想いはこんなものだったのか！？」
キング(本名エルマー)「どうして私の名前を！？」
オッ参「そんなことはどうでもいい！(バニー追いかけてたら呼ばれてるの聞いた)」
オッ参「負けがツライか！？ ツライよなっ！ 俺も負け組だから分かる！！」
キング「・・・」
オッ参「キングという肩書がオマエを苦しめるか！？ 俺もファットキャットの肩書に苦しめられるさっ！」
キング「ぃゃ、それは・・・」
オッ参「だが泣こうがわめこうが、オマエはキングで、俺はファットキャット」
オッ参「勝ちも負けも、涙もバニーも受け入れろ！ キングがオマエじゃなく、オマエの生き様がキングなんだ！」
キング「俺の生き様が・・・キング」
オッ参「そう！」
キング「負け続けるのが・・・キング」
オッ参「勝負には負けるが、キングという人生には負けていない！」
キング「・・・」
オッ参「俺を見ろ！ 人間として負けているが、ファットキャットとして負けてはいないぞ！」
キング「ぇぇ～・・・」
