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Under the Moonlight

Shiro'a Itati

Anima (Mana)

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二次創作「リムサロミンサ」

公開
これは個人的に作られた非公式小話です。
これは同好者の間だけで楽しむために作られた二次創作です。
原作者様・出版社様とは一切関係ありません。
世界観を壊す可能性があるので読む場合は自己責任でお願いします。
p.s.公式さん的にアウトだったら消すので何かしらの連絡をください。お願いします。


白み始めた晴天の空には煌々と照らす太陽が顔を出し始め、カモメの鳴き声と共に血気盛んな野郎どもの騒ぎ声が聞こえ始める。
その怒号にも似た声は次々と伝播するように各所から聞こえ始め、数分もすれば町全体がその怒号に包まれていた。
しかしそれを止める治安維持に努める者などこの場にはいない。
恐らくだがあの『光の戦士』と呼ばれる方々ですらこの騒ぎを止める事なのできないだろう。出来るはずもない。
だってこれはここ『海の都 リムサ・ロミンサ』の活気ある日常の風景であり、今日が大漁である証拠。祝福を込めた行事の様なものなのだから。

耳をつんざくような音に少し嫌気を差しながら店の開店の為に露店奥の棚に見栄えのいい商品を並べ始める。
「全く、レストランや料理屋は良いよなぁ…大量に魚が取れれば安く仕入れられるんだから」
「そう言うがね、保存がきかない分、料理屋だって儲けもあまり出ないんだよ」
何と無しに呟いたボヤキは丁度通りかかったのであろう碧色髪をした料理屋を営むゲルフに聞かれたようで思わず振り返る。
「よお。元気そうで何よりだ。顔を合わせる事はあっても話すことは中々ないから安心したよ」
「そうだな。またウルダハが鉱石の税率を上げてからこっちは確かに血がたぎるほど元気だな」
皮肉交じりに愚痴をこぼすとゲルフは困った顔をして愛想笑いを浮かべる。
「ところで、ゲルフは市場の帰りか?」
「いいや。これから向かう所だ。ここ最近豊漁で商いがやりやすくて助かる。水難事故も無いと聞くしリムレーン様様だな」
「全く羨ましいね。近くゴールドラッシュでも起きてくれないものか祈るばかりだよ。そしたら私は喜んでナルザル神にこの身を捧げてもいいね」
「では俺は友人が簡単に信仰心を据え替える不純な人間に成らない様に神に祈っておくよ」
そういうとゲルフはヒラヒラと手を振って漁師ギルドの方へと姿を消した。

ゲルフが市場から戻ってくる頃には騒々しい怒号もなりを潜め、代わりに冒険者でにぎわうリムサロミンサの姿が現れ始める。
特に朝方の国際街商通りは一番の稼ぎ時と言っていい。
客である冒険者達はこれからの出立に必要になるであろう様々なモノをここで調達する。
さながらその光景は時々酔っぱらった三流の吟遊詩人から戦場の様に例えられた。
素人の自分でもお粗末ともわかるその歌は、しかし意外にも一部界隈では人気があるようで、一時リムサロミンサにお金の匂いを嗅ぎつけた詩人が数人、何日か滞在してお金を沢山落としていった話を聞いた事があった。ちんけな歌一つで宿屋が儲かるとは誰が予想できただろうか。
まあ確かに早い者勝ちの露店で我先にと鬼気迫る冒険者たちと、それに物怖じせず淡々とモノを飛ばすように売りつける強面の海賊という絵面は酒の肴としては十分なものかもしれない。
しかし実のところ賑わう所と言えばゲルフの所の料理屋か道具屋などの店が大半で、うちで扱う防具などの類いは売上数が二桁あればいい方であり、どちらかと言えば要らなくなった防具の買取が多い有り様であった。
そういった現状、賑わいを見せているこの光景は面白くないと言える。
なんせ人が来れば来るほどお金が飛んでいくのだから。
冒険者から防具を引き取り出費。その防具をインゴットに変えるために鍛冶師に依頼して出費。そのインゴットで売れ筋の防具に変えるために甲冑師に依頼で出費。と店を開けるだけ損をするとはどういうことなのだろうか?
今日も早めに店を閉めようか。そんな事を考えていると覇気のない、今にも消えてしまいそうな声で話しかけてくる男が一人店の前で立っていた。
「あの……防具の引き取りをお願いしたいんです」
男の手には酷くえぐれたカイトシールドだったであろう物と、消耗しボロボロになったプレートアーマーがあり、男の顔を見ればどこか虚ろで生気がなく、体のあちこちには赤く染まった包帯を巻いているのがわかる。
こういった人間を過去に幾度となく見てきた。
夢半ばで挫折した人は皆こうやってもう自分には必要のなくなった防具をすぐさま売りに来る。
嫌な思い出を忘れるためか。たはまたけじめの表れか。
防具屋を営む私には知る由もないが少なくとも彼らは決まって言うセリフがある。
「お金はいりません」
そう言うと儚げな男性はそそくさと店を後にする。
「(引き取り費用を要求したらどうするつもりだったんだよ)」
もう姿の見えない彼に向かって愚痴をこぼす。
こんなボロボロじゃインゴットに変えるだけ損な気がする。
最近大口の商談も無く手元が寂しいこの頃。今度から費用を要求してみようかと思案する。

「いや、無いな。面倒くさい事この上ない」
重さや量によっての金額査定は時間を取られるし一律で金をとってしまえば必要以上の金を取る事になる。
『リムサ・ロミンサの民から略奪をするべからず』
昔から聞くリムサロミンサの掟の一つにそんなものがある。
暗黙の了解として受け継がれてきたそれは今まで何気なしに守ってきた。
聞くところによると『破ればシーフに殺される』とも聞くし『ただの子供だまし』という人もいる。
私も後者の意見に同意はするのだが掟がある以上、面倒ごとに巻き込まれない為には守った方が無難であるのは確かだ。
『略奪』とは少し違うかもしれないが必要以上の金をとって掟に触れるようなことはしたくない。
触らぬ神に何とやらだ。

日がそら高く登れば人の波は消え代わりに閑静な波の音が聞こえ始める。
朝方あんなに忙しそうに働いていたゲルフも今や机に膝を付き一点を見つけてあくびをしている始末で先ほどの姿はどこへ行ったのか。今では私と同じ暇な商人に成り下がっている。
「さて、そろそろ店を閉めるかな」
今日の売り上げと引き取った防具を確認し台車と共に鍛冶師ギルドへ向けて歩みを進める。
返ってくる頃にはこのギルが満タンに入った財布は空になり代わりに甲冑師ギルドお手製の発注書一枚に変わっているのだ。ナルザル神も鼻で笑ってるに違いない。



気温というモノは月経てば肌で実感できるほど変わるモノで、ここ最近は海風の冷たさがどうも骨身に染みる。
それでもカモメはお構いなしに今日も漁師が捨てる魚目当てにリムサロミンサにその甲高い鳴き声を上げながら集まり、いつも通りゲルフは忙しそうに冒険者を相手にせっせと働いている。
いつもと違う所と言えば冒険者の数が異様に多いという事だろう。心なしか吟遊詩人もよく見かける気がする。
理由は恐らくとてもシンプルで『光の戦士』かここに滞在している他ない。
どうも最近かの有名な『リヴァイアサン』を討滅したという武勇伝と共に、その姿を一目見ようと噂話好きな人間がこの街に集まった結果である。
昨夜ゲルフと飲んだ時には『稼ぎ時だ』と満面の笑みで語っていた彼も今や忙しさのあまり疲労の表情が伺える。
かく言う私も店の奥から防具を出してはお金を勘定し息つく暇もない。
久しぶりの繁盛ぶりに喜ばしい反面『こんなに疲れるものだったか?』と体の衰えを実感させられる。
おぼつかない手捌きで接客をしていると何処か聞き覚えのある声を捉える。
「すいません」
どこか気まずそうに声をかけてくる彼の顔を見て思い出す。
ソレはいつぞやの覇気の感じられない男性だった。
手には少量のギルが入っているであろう財布を持ち不安げな面持ちで「覚えていますでしょうか?」
と恐る恐る顔をのぞかせると忙しさのあまりぶっきら棒に言葉を返してしまう。
「なんだ」
「前に引き取ってもらった防具が残っていたら買い戻したくて…」
「少し待ってな」
そう言って奥から新品のプレートアーマーとカイトシールドを取り出す。
「えっと…」
「溶かして今はこれだ」
端的に伝えると、どうやら伝わったようで男性は自身お財布の中身を確認した後に「そうですか…」とか細い声と共に立ち去ろうとする。
「おいおいおい。待て待て。防具を引き取りに来たんだろう?」
「でもお金が」
「元々はお前さんの装備だろう。後も使えてるし置き場所に困ってんだ。とっとと持って行ってくれ」
男性はソレを聞いてお辞儀をした後、装備を受け取る。
騒がしい国際街商通りの中で感謝を伝える声が何度も響き渡り、慌ただしい足音と共に彼の背中は小さくなっていった。

「はぁ」と天を仰いでため息一つつく。
国際街商通りはいまだ賑わいを見せているものの、人の流れは落ち着き通常営業に戻る。
来るかもわからない客をただ平然とあくびをしながら待つ。存外こういった時間が好きなのかもしれない。
しかしまあ、やはりと言うべきかお昼を回ろうという時間帯にもかかわらず今日に限っては人の数は減らず冒険者でひしめき合っているところを見ると『リヴァイアサン討滅』の武勇伝はそれほどまでに人を惹きつけるらしい。
全く『光の戦士』と言うのは人を魅せては突き動かして我々を疲れさせるのだから商人にとって面倒くさい存在の一つに違いない。
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