キングトンベリを鎮めたことで、旅神の神殿には平穏が訪れるはずだった。
しかし、どうやら傭兵集団が拠点にするために占拠したようだ...
聞いた話では、回復の兆しがあるトンベリ病患者にも危害を加えているらしい。
黒魔法は環境エーテルに影響を及ぼすため、過度な使用は禁忌とされている。
しかし、残された彼らへのせめてもの安らかな暮らしのため、
私は再びこの破壊の力を使うことに決めた....黒魔導士のような高火力が投入される目的の多くは、牽制や調査でなく、鎮圧だ。
だからこそ、先行した仲間たちやそこに暮らす人が傷ついた中で戦うことになる。
事前に聞いていた通り、今回もそういった場所で戦うことになりそうだ.....
傭兵集団ということもあり、道中にも武装がされていた。
防壁でふさがれた一本道を剣や槍を構えて突撃してくる近接戦の彼らは、
詠唱が必要な私には天敵ともいえる相手だった。
だからこそ、今回そんな彼らに対して、一つの技を編み出してきた。
体内のエーテルの巡りを加速させる陣を引き、詠唱を効率化する「黒魔紋」
魔紋に支援された素早い詠唱魔法は、威力を減衰させることもなく、
集団で襲い掛かる彼らが、私の喉元に剣を刺す前に、灰へと変えていくのだった。
そして、たどりついた最深部にいたのは、モラージャジャという
この傭兵団の団長兼副団長である双頭のマムージャ族だった。
悲劇の第二幕に幕を閉じるため、私は決闘を挑んだ...
敵は奇妙な旗と2つの剣でじわじわと安全地帯が減らしていった。
私はようやく黒魔紋を配置して、反撃の機会を得た
体内エーテルのほとんどを杖に送り込んで放った魔法は「デスペア」
皮肉にも”絶望”という名前の魔法は、一撃で敵を殺し、
周囲を黒煙で包んだ。
黒煙が晴れた時、大量のトンベリ病患者が押し寄せて、死体に包丁を刺し始めた。
その姿はまるで伝説の怪物「トンベリ」のようであった...
しかし、道中には確かに人の言葉を話す者もいた。
きっと回復の兆しはあるのだろう...
神殿をあとにした私は、冒険を再開するのだった。
終焉を退けるための、力を求めて...