目次&登場人物紹介&設定解説はこちらガレマルド、魔導城、謁見の間。
皇帝親衛軍の2人の近衛兵が守るべき皇帝の亡骸の前で項垂れていた。「陛下、、なんということだ、、」
「、、、ユリア、我々が嘆いたところで陛下は生き返りはしない。
陛下の御為にも為すべきことをせねばなるまい」「わかっている、、」
「ならいいのだが、、各司令部には連絡してあるか?」「ああ、親衛軍司令部には連絡済みだ。
ガイウスと正体不明の騎士の追跡手配と共にな。
第1・第3軍団や軍司令部、それに政府には親衛軍から連絡が行くだろう」
「、、、、」「どうした?他に連絡すべき機関があるか?」
「いや、、すべき、ではなく、せざるべきだったか、と思ってな」「というと?」
「お前も第1軍団長と第3軍団長の不仲は知っているだろう」「派閥争いに興味はない」
「私とてそうだがな、、だが、陛下亡き今、不仲が対立に発展しかねん」「待て。まさか、両軍団が戦争するとでも言う気か?」
「只の不仲なら私もそんな心配はせん。
だが、あの2人の不仲の背景には、まさにお前の言った派閥争いがある。
ヴァリス陛下派と、ティトゥス殿下派の、な」「じゃあ、親衛軍司令部に頼めばよかったのか?
第1・第3軍団には秘密にするようにと、、そんな権限、我々には無いぞ」
「確かに、そんな権限はない。だが、両派閥のいずれにも与しない義務ならある」「まあ、それは、当然だが、、どうしようと言うんだ?」
「もし、いずれかの派が陛下の御遺体を持ち出そうとしたなら、
何としても止める。自派の正当性確保のためにそうしようとする者が現れてもおかしくない」「わかった。
親衛軍司令部からもウィギレスが到着するまではここを保全せよと命令が出ているからな」
「ウィギレスか、、」「何か問題でもあるか?」
「いや、連中が有能なのは知っているが、あまりお優しい組織でもないからな」「なんだ、絞られた経験でもあるのか?」
「親衛軍入りする前だがな。
当時いた部隊で横領事件があってな、、私も取り調べの対象になった。
横領こそしてなかったが、書類手続き上の誤りをやらかしていてな。えらく理詰めで追求されたよ」「お前がなぁ、、、」
「あれ以来デスクワークはどうも苦手だ」そこへ、皇帝親衛軍の兵士が割って入った。
「お話中失礼します。ウィギレスの捜査員到着しました」「よし、通せ」
次回に続く、、、
~あとがき~
その当時を背景として色々書きたい人や組織があるもので今回のストーリー始めました。