紅蓮4.3を終了しました。
紅蓮4.3と暗黒騎士Lv50のガチネタバレがあります。読まれる際はご注意下さい。今までのメインクエスト関連日記================
・僕たちの罪はどうすれば癒されるのだろう【紅蓮4.2まで】・あなたはどんな人ですか?(※PCミナトのキャラクター設定)・盟友への手紙【紅蓮4.0ネタバレ】・なんのために戦うのか【紅蓮4.0ネタバレあり】・紅蓮入りでシンデレラの魔法が解けた(※蒼天3.5まで)・追憶の旅路(蒼天3.3ネタバレ)・大切な君へ(蒼天3.0ネタバレ)・推しが死にました(蒼天3.0ネタバレ)・新生クリアして毛皮を脱ぎました。(※新生2.5まで)・新生2.0クリアしました!(※新生2.0まで)====================================
ネタバレのない範囲で言うと、
PCミナトくんがお疲れなので、気分転換にしばらくヒューランミラプリを楽しむことにします、という日記です。
(X.0~X.xの切り替えタイミングで幻想薬をパリンしてもいいというマイルールによるものですが、今回はRPを楽しむ部分も兼ねているので戻るタイミングは任意としています)リオルゼア的な話:
また、今回はいつも以上に二次小説なので、そうしたものが苦手な方はブラウザバックをお願いいたします。(PCミナトくんは五年前の第七霊災以前の記憶を全て失っているという初期設定に基づいたものになります)忠告しましたよ?--------------------------------------------------
闇の中に浮かぶのは、わずかな灯りに灯された、ペンで何かを綴る手だけだった。
その指先は力をこめすぎて、雪のように白く見える。
一番古い記憶は、破け、爛れ、壊れたような空の色。
そして咆哮。
青い空。
土ぼこりがたゆたう往来。
もたれていた背中から感じる、廃屋のゴツゴツとした硬さ。
時折通り過ぎていく、輪郭のあいまいな人影。
ピクリとも動かない、枯れ枝のような自分の手足。
完全なる、空白の感情。
目の前で立ち止まり、こちらを覗き込む人の瞳。
動かない体をひょいと担いだ腕は、廃屋の石と違って、ひどく温かかった。
もしかしたらと思っていた。
もしかしたら、なにもかも丸く収まって、"彼女"は幸せになれるのではないかと。
ゴウセツと二人、人里離れた小さな一軒家で。
わずかばかりの畑を耕しながら、ゆっくりとした時間を過ごせるのではないかと。
傷みを受け、無関心に流され、堕ちていくしかなかった少女。
自分自身に価値があることを、知ることもできなかった女性。
優しい微睡みすら許されなかった彼女。
彼女は、もう一人の私だ。
そうなるかもしれなかった、もしくはそうなるかもしれない"私"の似姿だ。
私が紅蓮の解放者と呼ばれるように、彼女も、彼女自身を取り巻く鎖からの解放を望んでいる者だった。
だからこそ、上手くいってほしかった。
"私たち"にも、希望はあるのだと。
信じていたかったのだ。
思惑は違えど、ヒエンは良く慮ってくれたと思う。彼に可能な範囲で、ゴウセツとツユが幸せでいられるように、手を差し伸べてくれていた。
それを崩そうとする者がいた。
幸せなぞ、くれてやるものかと。
お前が一人の村娘となるには、あまりにも築き上げてきたものが大きすぎるのだと。
死したはずの男と、その心棒者である男の奸計は、忘れられたはずの過去からの使者で。
そして――かつて、その引き金を引いたのは、間違いなく"私"なのだ。
過去からの手が、私の手が、幸せになってほしいと願った彼女の首をねじあげたのだとしたら。
私たちは、ただ、"そうあれかし"と言われるがまま、踊り続けるしかないのであれば
"私"も、 いつか
……苦しい。息が、できない――【動発ドッデグンビリ――】「……………本当に、君という人は」
深く息をつく気配。
灯りに照らされる指先は、いつの間にかペンを置き、藍闇色の甲冑に包まれていた。
「そんなものは、君が負うべき傷じゃない。あるかどうかもわからない過去にすら怯えるなんて、アルフィノの事を笑えないじゃないですか」
再び落ちるため息。
コツ、コツと、指先が机を叩いた。それから乱れた文字が綴られている紙をろうそくにかざす。
「大体、この慣習も気に入らないんですよ、僕は」
手の中で緩やかに燃えていく、声にならない言の葉。それらを兜の奥から瞳を細めて眺めつつ、男は淡々と呟く。
「自分が死んだ後で利用されないように、記録をいつも燃やしてるとか……どこまでお人好しなんですか」
英雄と呼ばれる人間の、誰にも零せない弱音や本音。それらは書き出された後で、彼自身の手により常に焼却されている。
盟友への手紙という体裁をとってはいるが、もう一方の実情はひどく世情的なものだった。
いつ死ぬかわからない"英雄"に許された、ほんのわずかな自由。
それらは、"自分"を殺し続けることでようやく得られる程度のものでしかないのだと、彼の主は理解している。
それがなおのこと、腹正しい。
「こんなことをしていたら、そのうち本当に蛮神にされてしまいますよ。討滅させられたいんですか?」
声音に確かな苛立ちがにじむ。
冗談じゃない、と男は忌々しげに吐き捨てた。
紙片の最後が燃え尽きたのを確認して、鎧の指先がキュッと火種をくびり殺す。
灯りを消した闇の中で、更に深い闇がゆるりと立ち上がった。
「……疲れたのなら、しばらく眠っていて下さい。大丈夫、キミの望まないようにはしません」
せいぜい頑張って"英雄"になってみましょう、と男は肩をすくめる。
コツ、カチャリ、と、狭い部屋の中で足音と甲冑の触れ合う堅い音が響いた。
「僕たちは、共にあるものなのだから」
眠りに落ちるかのような深い吐息を最後に。
部屋の中は、ただ暗闇と静寂で満たされる。
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紅蓮4.3終了後に出待ちしてとても楽しい会話をしてくださった先輩達のおかげで元気に遊んでます。