我が家には先輩ヒカセンがいる。
数ヶ月前にFF14を始めたそのヒカセンは、最初はキャラの操作もおぼつかない、
チャットすらままならない完全なるゲーム初心者だった。
広大なフィールド、無限に続くお使いクエスト。挫折するのも時間の問題だと思った。
(私は過去フリートライアルで挫折した人間だ)
しかしヒカセンはあきらめなかった。蒼天までクリアしたら面白い!
ネットにはそんな情報があふれていたからだ。
黙々とメインクエストを進めるヒカセン。私は「光のお父さん」の姿を重ねてその人のことを見るようになっていた。
新生が終わる頃からどうやら完全にハマったようだった。
めちゃくちゃ楽しそうにストーリーのネタバレをバンバンとばしてくる。
その頃から「光のお父さん」でおなじみ、大迷宮バハムートをやり始めたヒカセン。
(この頃から私の知識を超えた存在になっていった・・・もうアドバイスできることはなかった)
FCにも加入し、ツインタニアを撃破し、蒼天、紅蓮とどんどんクリアしていった。
はっきりってすげぇ・・・マジか・・・相変わらずネタバレはバンバンとんでくる。
毎日本当に楽しそうだった。特に週末のバハムート攻略はめちゃくちゃ楽しそうにプレイしていた。
そんな姿を見て、ちょっと、いやかなり羨ましかった。
だが漆黒も中盤まで進んだある日、事件が起きた。
リアルの事情により、急遽FF14を続けることが難しくなったのだ。
ある日家に帰るとその人は泣いていた。FCの人にやめることを伝えたらしい。
見ていられなかった。
なんとかしてあげられないかと思った。
漆黒をクリアできずストーリーがわからないまま引退することになったヒカセン。
漆黒のヴィランズといえば世界的にも非常に評価の高いストーリーで有名だ。
これをプレイせずにやめるなんてありえない!
私は決心した。このヒカセンと同じ見た目のキャラを自分で作り、
私が、このキャラクターが、漆黒をクリアしていくのをいっしょに見てもらおう。と
そうすれば漆黒のストーリーをたのしんでもらえるのではないだろうか
今度はこっちがネタバレをする番だ!
ヒカセンも喜んで承諾してくれた。ありがとう!と言ってくれたその顔は、今でも忘れられない。
かくして私は決意を胸に、かわいらしいミコッテとしてエオルゼアに降り立った。
先輩ヒカセンよりギルやおしゃれな装備もいただいた。(そんな恥ずかしい格好で街のなか歩かないでとのこと)
そして、FF14スタートのお祝いとして「モグスターションのアイテムから好きなものを1つ選んで」と言われた。
(異世界に転生する時、神様がなんかくれる的なやつみたいだと思った)
装備やら乗り物やらいろいろあるんだなぁ・・・
目に飛び込んできたのは SDSフェンリルのマウントだった
これしかない!これにするわ!(クラウドファンにはたまらない乗り物だ)
こうして、この相棒と、私の冒険が幕をあけた