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Yaduru Shira

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【ワシのヒカセン冒険記】第1話【FF14二次小説】

公開
■あらすじ
FF14でのロールプレイを、スクリーンショットを交えて連載作品風にしたものです。(前回の話は没案になりました)

▼この作品はBlog【逆断の牢】、【Lodestone】、【Pixiv】で多重投稿されております。
※画像はBlogから参照されております。

Twitter■https://twitter.com/hisakakousuke
Blog■https://sakatatsunorou.blogspot.com/
Pixiv■https://www.pixiv.net/users/2277819

第2話→https://jp.finalfantasyxiv.com/lodestone/character/34040203/blog/4664961/

◇◆◇◆◇>>><<<◇◆◇◆◇




「お姉さん、そこはお布団じゃないよ」

 記憶を失ったままウルダハなる都に来て二日目の事だった。
 クイックサンドなる大衆食堂と思しき店の女将であるモモディ殿に、冒険者としての手続きを行った結果、本名を名乗ったつもりが別名で冒険者として登録された事により、ワシの名は今、ヤヅル・シラ、と言う事になっている。
 さて、ワシこと、このヤヅルは今、冒険者としてウルダハに滞在している訳だが、新米冒険者と言う括りにされているが故に、まず信頼も実績も皆無からの幕開けであるため、宿屋に宿泊する事すら叶わずであり、クイックサンドで食事を摂る事は出来ても、寝泊まりできる環境が整っていなかった。
 それ故、昨夜は渋々クイックサンドの近くの路上で、座り込んで朝を迎えるのを待っていた訳だが、二日目である今日も宿屋を利用する許可は得られず、今夜も路上で朝陽を拝む事になるだろうとウトウトしていたところだった。
 街路灯が作り出す人影が、ワシに向かって声を掛けている事に気づいたのは、幾許かの後だった。
 見上げると、猫のような耳、猫のような尻尾を生やした女の子が、こちらを見下ろして不思議そうに小首を傾げていた。
 愛らしい瞳で見つめられている事に気づいたワシは、ようやっと彼女が発した言葉が脳髄で消化されたのを機に、眉根を寄せて気難しい表情を作った。
「いや済まぬ、そこの宿に泊まる事も叶わぬ身ゆえ、ここで朝を待つ心算だったのだが……もしや迷惑だったか?」
「うわ、難しい言葉を使うんだねぇ」
 猫のような少女は驚いた表情を刷くと、指を顎に添えて逆側に小首を傾げた。
「えぇと、お姉さん、朝までここにいるつもりなの?」
「うむ、他に行く当ても無いゆえ……」
「じゃあさ、わたしとそこのクイックサンドに行かない?」ニパッと向日葵のような笑みを覗かせる猫のような少女。「良かったらお話ししない? 今ならご飯も奢ってあげちゃう!」
「有り難い申し出だが……」不審者を観る目つきになってしまう。「見返りなど期待されても困るぞ……?」
「わたしも話し相手がいなくて困ってたからお互い様! さっ、行こ行こっ!」
 猫のような少女に手を引っ張られ、有耶無耶のままに再びクイックサンドに戻ってきてしまう。
 空いている席を見つけて、猫のような少女はテキパキと注文を熟すと、「さて、と」と注文表を閉じ、改めて視線を合わせてきた。
「自己紹介がまだだったね。わたしはツトミ。ツトミ・アモウって言います。宜しく~」
 ニパーッと人当たりの良さそうな微笑を浮かべる猫のような少女――ツトミに、邪気らしい邪気を感じず、本当にただ親切心で相伴に与らせて頂いたのだと実感させられる。
「ワシは白谷……じゃなかった、ヤヅル。ヤヅル・シラと申す」
「ヤヅルちゃん! 宜しくね~、わたしの事はツトミちゃんで良いよぅ」
「ツトミ殿は」「ツトミちゃんで良いよぅ」「……ツトミちゃんは、ワシと同じ冒険者なのかの?」
「そうだよぅ。まだまだ新米だけどね~」
「御同輩の上に、同じ新参者であったか」そうは見えない胆力を感じさせるが。「立ち居振る舞いを観るに、先達かと思っておったわい」
「ヤヅルちゃんもその喋り方で新米冒険者はビックリだよ~」からからと楽しそうに笑うツトミ。「装備を観た瞬間、あっ、新米さんかな? って思ったけれどね~」
 自身の装備を見直すが、何を以て新米と認知されたのか、ワシにはイマイチピンとこなかった。
「先達には、装備の質を観るだけで新兵か否かが判ぜられる、と?」
「うぅんと、何て言うかな。お洒落か、お洒落じゃないか。もうそこしかないよね」
「お洒落……?」
「ヤヅルちゃんの装備、機能性は良いかもだけど、全然お洒落じゃなかったから、あっ、新米さんかな? って思ったの」
 ……装備がお洒落になる事で、新米を脱する、と言う主旨なのだろうか。
 そう明言しているツトミの装備は、確かに機能性云々はさておいても、年相応の娘が着るに相応しい、可愛らしいともカッコいいとも言える、装備と言うよりは衣服と言った面の強い服装である事は否めない。
 つまり、冒険者の質が上がれば、装備も自然と洗練されたものに……機能性を兼ね備えつつ、見た目も麗しくなる、と言う事なのだろうか。
「ツトミ殿は」「ツトミちゃんで良いよぅ♪」「……ツトミちゃんは、新参者の割には、着衣に気を配っているように見えるが……新兵の幅も広い、と言う事なのか?」
 ツトミちゃんは運ばれてきた紫色の液体の入ったコップに筒を差し、スィーッと吸い上げて満足そうな表情を浮かべていた。
「ん~、アレだね、新米さんだと、お洒落じゃない装備が多いから、ちょっと奮発して頑張ったんだね」
「なるほど、ツトミど……ツトミちゃんは努力家なのだな」
 ワシの前に運ばれてきた紫色の液体の入ったコップを見下ろし、筒を差して吸い上げるに、これは葡萄のジュースのようだ。ツトミちゃんが注文した内容を上手く聞き取れなかったばっかりに、何かしらの薬物なのかとばかり思っていたが、喉越しも良く、清涼感が口腔に広がる。
「ところで、ヤヅルちゃんって若そうな雰囲気なのに、喋り方が独特だよね。何かこう、お婆ちゃんみたいで安心するって言うか」
「……あぁ、これは話して理解して貰えるのか分からぬが……」
 ワシはつい二日前にこのウルダハなる砂の都に来た事と一緒に、ウルダハ行きのチョコボキャリッジに乗車する前の記憶が一切無い事、そして己がアウラと言う種族の女性である事実を認めながらも、元は恐らく別の世界の老爺だった事を、なるべく判り易く説明を試みた。
 その間に運ばれてくる料理などを摘まみながら、ツトミちゃんは相槌を返し、ワシの与太話に真剣に耳を傾けてくれた。
「……と言う訳で、ワシは元の世界では白谷次郎と言うお爺ちゃんだった訳でな。お婆ちゃんみたいな喋り方と言うのは分からんが、この姿形には似つかわしくない喋り方になっておるやも知れぬ」
 語り終え、ワシはやっと肩の荷が下りた感覚で葡萄のジュースを吸い上げて舌と喉を潤した。
 ツトミちゃんも食事を終えたところでフォークとナイフを皿の上に戻すと、「なるほどね~」としみじみ呟いた。
「じゃあ、お婆ちゃんじゃなくて、お爺ちゃんなんだ」
「うむ、そうなるのう」
「ふむふむ。まぁそういう事も有るんだよきっと。何だっけ、なんたらクリスタルの導きって奴じゃないかなぁ」
「これなるもクリスタルとやらの、か」
「わたしも似たようなもんだよ~。ほら、わたしこう見えてもね、ちょっと腰をやっちゃってたりするし。ギックリ腰って言うの?」
 あいたた、と腰を摩りながら笑うツトミちゃんに、ワシは「なるほど、そういうものか」と得心したように頷いた。
「じゃあアレだね、ヤヅルちゃんじゃなくて、ヤヅル爺ちゃんって呼んで良いかな?」
「それは構わぬが……周りが混乱せぬか?」
「良いの良いの、伝えたい人に伝わればそれで」
 にっこり笑って応じるツトミちゃんに、ワシも安心感が込み上げて「あぁ、そうじゃの」と深く首肯を返すのだった。
「徹夜になっちゃったけど、楽しかったよ~、ありがとね~」
「む? もう夜明けか」
 店内に差し込む陽の光に気づき、ワシは改めてツトミちゃんに頭を下げた。
「一晩丸々付き合わせてしまい申し訳ない。何かワシにも返せるものが有ると良いのだが……」
「良いよ良いよ~、わたしが誘ったんだし」立ち上がりながら小さく手を振るツトミちゃん。「あ、でも、どうしてもって言うなら、一つお願いしたい事が有るかも」
「ワシに出来る事なら、何でも言ってくれ」
「今後もわたしの話し相手になってほしいな~」
 顔色を窺うように小首を傾げるツトミちゃんに、ワシは意表を衝かれて即答が叶わなかった。
「……ダメ、かなぁ?」
「ワシで良ければ、いつでも召喚してくれ。幾らでも付き合おうぞ」
「やったぁ~、えへへ、爺ちゃんありがとね」
 アウラと言う種族の少女でありながら、孫娘でも相手にしているような感覚で、ワシはミコッテと言う種族の少女を見つめる。
「感謝すべきはワシの方だ。また年寄りの長話に付き合っておくれ」
「長話ならわたしも負けないよぅ」グッと親指を突き立てて微笑むツトミちゃん。「じゃあはい、これ、リンクパール」
 小さな真珠のような装置を手渡され、「これは?」と彼女を見上げると、ツトミちゃんは「それで連絡を取り合えたら、スムースに再会できると思って♪」とウィンクを見せた。
「あぁ、何から何まで助かる。ではまた、何れ」
「うん、またね~」
 手を振り合って別れるも、これが彼女との長い付き合いになる事は、今からでも想像に難くなかった。
 記憶を一切無い地点からの、異郷の地での生活の始まりだったが、光明が差し込んだかのように、今日からの冒険が楽しみになってきてしまった。
 さて、また困った住人の手助けに励んで、宿の使用許可を早急に得られるよう、奔走に明け暮れるとするか。
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