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Makai Samurai

Mimiku Miku

Ixion [Mana]

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聖なる夜の一時

公開
 雨は、シトシトと、冷たい石畳に降り注ぐ。
外は、どんよりとした、雲が空を覆う。

ほの暗いキッチンの片隅からドン…ドン…と響く、鈍い音。

ミミク「ジングルベール、ジングルベール…」

私は想いを込めて、鈍器を振り上げコカトリスの肉を叩く。

ミミク「ジングルベール、ジングルベール…」

叩き終わった肉に今度は、ホークで想いを込めて何度も、何度も突き刺す。
こうして、大きさを均等にして、味を染み込ませやすく、しっかり下ごしらえする(更にエオ充に呪いを込めて)。

ミミク「クックック…」

今日は、楽しい性暴災…じゃなかった。星芒祭。
毎年は散々な星芒祭を変える為に、今年は気合いを込めての下準備だ。
ことの始まりは、寒空の下、トボトボと歩いている時だった。
売店に並ぶ、コカトリスの肉と卵。
ふと、思った。
この二つは、親子なのでは…と。
憎い。
鳥の分際で、私よりエオ充しやがって…

だが、ものは考え様だ。
この親子は、ここで私に食われる為に生を授かったのだろうと。

本当はキッチンまで生かしたまま、親の目の前で子供のタマゴを調理してやりたかったが、物凄く暴れて、キッチンがメチャメチャになる気がするので、生きてるコカトリスは断念した。

これは、仕方がないことだ。
私が歪んでいるのでは、ない。
世界が、歪んでいるのだ。
どいつも、こいつも街中でイチャイチャと、ところ構わずイチャつきやがって…

こんな歪んだ世界エオルゼア故に、この蹂躙劇も極々、普通なのだ。

私が憎しみを込めて鶏肉を充分に痛め付けた後、更なる痛め付けの為に、ブラックペッパー、ナツメグ、磨り下ろしたガーリック、塩、コンソメ、そして最近お気に入りのドマの調味料[しょうゆ]を入れる。

散々痛め付けた肉は、蹂躙劇が終わったと思い安心しただろう。
だが、まだ私の憎しみは、これでは終わらない。
このスパイス達を傷口に、しっかり刷り込み更なる痛みを与えてやる。

そのまま半刻程、放置する。
どうだ、痛むだろう?
だけど私の心は、もっと痛いのだ。
そんな、私にエオ充として充実している、愚かな鶏肉に更なる屈辱を。

目の前で子を叩き割る。
まだだ、まだ絶望は終わらんよ。

私は、その卵に、薄力粉、磨り下ろしたガーリック、コンソメ、塩を加えしっかり混ぜ合わせる。

ミミク「フッ…これでお前の子供はキメラの様に、原型はメチャクチャだ」

親の前で、子を蹂躙する。
どんな気持ちだろう?
考えるだけで、ニヤケがとまらない。

そんな絶望した親に見せ付けるため、子の中に漬け込んで覆い尽くす。
親と子の、束の間の再開だ。
どんな気持ちだろうか?

私に対して、腸を煮やす程、悔しいだろうか?
それとも、親子がボロボロにされて、ただ悲しいのか?

そんな親子の想いなど、私の機の向くまま、思うがままなのだから。

まだ最後の拷問が、残っているからだ。

業火に熱した油に、無惨に絡み合った親子を沈める。
どうだ死ぬ程、熱いだろう?
必死に、親子が浮き上がろうともがく様を眺めながら、私は嘲笑う。
無駄な事だと。

香ばしく、カラッと揚がった親子を取り出し、暫く休ませる。
だが、これで終わりではない。
お前達の、地獄はまだ続くのだと。

拷問の終わりだと勘違いしているであろう憐れな親子に、嗤いながら再び灼熱の油に投下する。
必死に親子の泣き叫ぶ声が、聞こえてきそうだ。

もう、蹂躙し過ぎて何の気力も失せたであろう親子を適当な頃合いで、油からあげる。

ミミク「私に不快な想いをさせた罰だ」

私は白い皿に盛り付けテーブルの上に並べた後、冷蔵庫へ向かう。

最後の、蹂躙劇の仕上げ。
この時の為に冷やしておいた炭酸水と氷、霜が付く程に冷凍して冷やしたジョッキ。
そして、香り豊かな蒸留酒。
これを混ぜると、[ハイボール]と呼ぶらしい。
何故この名称が付いたかは、知らないが、この飲み方を考えた偉人に乾杯ッ!!
レモンを皮を下にする。
こうすると、レモンの香りが楽しめる。
力一杯搾って、[ハイボール]の完成ッ!!

笑顔で、テーブルの上に乗せた蹂躙の限りを尽くした私の芸術の品、コカトリス親子のフライドチキンに視線を送る。
実に楽しみだ。
私に食われ、ただ絶望し終わる様を。



の、はずだった…

私が白い皿の上に並べた、フライドチキンが無くなっていた。

ミミク「何処へ行ったッッッッッッ!!」

必死に机の下も探したが、フライドチキンの影も形も無い。

代わりに皿の上には、黒い物体[ダークマター]が乗っていた。

そこで私は気が付いた。
私に掛かった、世界の呪いを。
全ての食べ物が[ダークマター]になる呪いを。

ミミク「世界よオオオオオオオッ!!エオルゼアよオオオオオオオッ!!私をここまで否定するのかぁぁぁぁぁぁッ!!」

私の叫び声が、静かな部屋に響く。
叫んだ、慟哭は虚しく虚空へ消え行く…

ミミク「お総菜でも、買いにいくか…」

冷えたハイボールが、温くなる虚しさと侘しさを感じながら、寒い外へ私は向かう。

何故か、頬に冷たい水が滴る。
まだ、外に出ていないのに、雨漏りかな…

ミミク「30%引きだと、嬉しいなぁ…」

願望を独り言のように呟いた。

外での雨は、いつの間にか小さく舞う小雪へと変わり、冷たい風に乗って、[ピュー]と耳元で風を切る。
寒さをいっそう感じられずには、いられなかった。

終わり
コメント(2)

Hauhau Valentine

Ixion [Mana]

みみくんの日記が帰ってきた!
楽しく読ませていただきました。

エオ充爆発しろ!

ナツメグバンザイ!

Mimiku Miku

Ixion [Mana]

ハウハウさん、コメントありがとうございます。

フライドチキンを作ろうと思って、アウトプットしていたら、こうなりました。
もっと、血の生臭い話になりそうでしたが、思い止まって辞めました。

エオ充、爆発しろ。

ミミク、怒りのナツメグ一気食い。
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