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Ayaka Wavesurf

Belias [Meteor]

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【RP二次創作記事】郷愁の勇者 【親友の想い王女の願い 前編】エピソード11

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エピソード10の続き←クリック


悪事千里を走ると聞くが、情報に飢えている地方集落では悪事以外の瓦版(昔の新聞のようなもの)も格好の話題なのだろう。行商人から伝わったカッパーベル解放の件も尾ひれがつきクレセントコーヴにも伝わっていた。

キャリッジがこの集落に着いたときはまるで英雄の凱旋を思わせる歓迎ムードだった。元クレセントコーヴの住民が関わっていたことが余程誇らしかったのだろう村長自らの出迎えを受けた。以前の陰気な雰囲気はない。
前村長とは違い民主的な方法で就任した新しい相談役の村長であった。砂蠍衆の娘を警護する冒険者一行が魔物を退治したという事とその一行にクレセントコーヴの関係者がいたという事がここの住民の耳に入っていたのだった。
ナナモ陛下の勅令なので実際にはウルダハ王国の治安出動と言ったところだが、民衆は英雄の出現を何より喜ぶ。メリルダ姉弟とモモロトともモグレターでのやり取りは有ったが約一年ぶりに再会を果たした。私が使っていたベットはいつ帰って来てもいいように以前のままにしてくれていたようだった。質素だが一番落ち着ける場所だった。ナナモ様は噂に乗っかることにして砂蠍衆の娘リリラというていで通した。

その夜、夕食会が集落の集会所で開かれ出席することになった。以前と違い活気がある。驚いたのはさつま揚げと寒天が進化していたことだ。様々なエオルゼアの野菜が練りこまれて種類が豊富になっていた。寒天も色とりどりの染色が施され、ウルダハの象徴天秤が描かれているものまであった。

歓談の中、モモロトに呼ばれ外に出た。ニヤニヤして手招きしている。彼の工房に招かれ、手渡されたもの。アーティファクト?剣の柄が付いているが剣ではない?これは?当然の質問を投げかけると彼は誇らしげに語った。
「これは剣だ。黒衣森北部にハーストミルっていう寂れた村があるんだが、そこに住むゲロルドって爺さんがいてな。共同開発してみた。彫金師の俺は細工、武器としての性能は鍛冶師のゲロルド爺さんに打ってもらった。使ってくれるか?」彼に手渡されたがどう見ても剣には見えない。柄を握ると妙な感覚がした。気が付いたか?と言わんばかりにモモロトはにやけながら言った。
「エーテルを剣に集中して振ってみろ。」言われたとおりに気を集中してふと振りすると。シャキーン!柄の先が伸びて両刃の剣に変形した。
その細工に驚いていると、やっぱりなと言う顔をして「その剣は超える力を携えた光の戦士タンク職にしか反応しない。名付けてメイルブレーカーだ!」モモロトは続けた。

「次にいつ会えるかわからないから言っておく。お前はきっと第七霊災でエオルゼアを救った光の戦士たちに関係があると思う。彼らの装備を製作していた俺が証明してもいい。その剣が反応した事が何よりの証拠だ。以前から思っていたんだけど雰囲気や行動が彼らによく似ているなって。彼らの結末を知っているから言い出せなかったが、お前には帰るところがある。ここだ。俺は戦うことが出来ないがその手助けはしたいんだ。どんな困難があっても今度こそちゃんと帰って来てくれ!」可愛らしいいで立ちだが歳はだいぶ上だろう、今までどんな苦労があったのか。

メイルブレーカーを腰に装備して外で抜刀してギルドでの稽古で身に着けた剣技の型を行った。余興だと思ったのか集会所のテントから拍手が上がった。ヤ・シュトラの反応は違った。あのアーティファクトを使いこなしている?満足げに見ているモモロトの存在にも気づいた。あの人はまさか?「これは吉兆なのかしら?それとも。。。」ヤ・シュトラは小さく呟いた。

次の日の朝、久しぶりの帰郷を惜しみつつ出発した。特に懸念されるような事案は全くないということは無い。。。そんなに優しい世界ではないのだ。盗賊団スコーピオンの後釜が最近どうも暗躍してきたという噂が出てきていた。まだはっきりとした情報も少なく集落に被害は出てきていないが銅刃団員と怪しげな魔導士が人目を避けて密会しているのを漁師たちに目撃されているようだった。
ベスパーベイに到着するとヤ・シュトラさんは港近くにある建物を目指し私たちと別れ人ごみに消えた。ここは相変わらず人が多く活気のある街だった。酒場とINNの主人に挨拶をしてリリラ様の目的をコンプリートし、今度こそウルダハに帰還となった。
サー・キヴロンの残党狩りに駆り出された後は平穏な日々が続いた。シロウの姿が見えないのに気付いたが、また大方アルディスとつるんでいるのかと思い気にするのは辞めた。クイックサンドで食事をしているとモモディさんと目が合った。何やらカウンターに促されている気がして行ってみると、メモ紙を渡された。

メリルダとオリヴァーが銀冑団に保護されている?どうして?モモディさんの顔を見返すと深刻な表情で頷きもう一枚メモ紙を差し出してきた。銀冑団執務室のオワインを訪ねるようにと。。。聞かれては不味い事なのだろうということはわかった。しかし、どうしてメリルダ姉弟が関係しているのか。。。自然に振る舞い会計を済ませ、早速ロイヤルプロムナードへ向かうことにした。
この服装で大丈夫なのか心配はあったが、指示通りにモモディさんの使いだと名乗ったら衛兵がドアを開けてくれた。執務室に通されると実直そうな騎士が話しかけてきた。

「よく来てくれた。君が冒険者のアヤカだな?噂は聞いている。銀冑団騎士のオワインだ。まぁ掛けてくれ。」物々しい雰囲気だが敵意は感じない。メリルダ姉弟について質問すると優しい笑みを浮かべて安全に保護していると説明された。しかし、その理由が問題だ。王族の警護を担当している騎士団がなぜ二人を保護しているのか?
オワインはこれから話すことはウルダハの沽券に関わることなので十分注意してほしいと前置きして語りだした。
「ウルダハ王朝に代々伝わる王冠が盗難にあった。痛恨の極みだ。そして、下手人たちは有ろうことか。返還の取引として製造使用を禁止されている若返りの効果があるとされているゾンビパウダー薬を要求してきた。これも宝物庫に保管されているのだ。奴らがなぜそれを知っているのか。」犯人グループの目星はついているのかと質問したら、オワインは悔しそうに続けた。
「あの宝物庫に立ち入れるのは限られているので、おそらく内部の犯行だろう。しかし、証拠がない。途方に暮れていたが、あの姉弟が有力な情報をもたらしたのだ。足跡の谷でシロウと言う冒険者が密輸組織の調査を行っているようなのだが、この件に関わる情報を証言した住民の保護をギルド経由で求めてきたということだ。内容が内容なのでモモディ女史は我々に知らせてきた、、、感謝している。」

シロウさんまたやってますね。。。この間、禁制のお薬工場を燃やしちゃって怒られたばかりなのに。。。しかし、メリルダ姉弟の情報で犯人一味が密輸組織であること、その連中が王冠の事を話していたことがクレセントコーヴの住民に聞かれていた。また汚職の銅刃団が関わっている。
以前、シルバーバザーでのアラクラン戦出征前夜にリリラ様の過去が見えたとき何かを盗まれたというのが見えたが、それとも繋がった。
ここに呼ばれたのはメリルダ姉弟の引き渡しだと思ったのだが、話は意外な方向に向かった。取引に応じて王冠を取り戻すということだ。
私は怪訝な顔をして、本気ですかと尋ねるとオワインは「この度の失態はすべて私の責任だ。相手が現れたら刺し違える覚悟だ。奴らを牽制している間に君には王冠とゾンビ薬の回収を依頼したい。危険だが受けてくれないだろうか?」これぞ冒険者の本分、危険だが断る理由はない。むしろ騎士らしい覚悟を聞いて士気が上がった。

彼の依頼は作戦と言うほどの策ではない。恐らく相手は私の命も奪う気だろうから、王冠の存在を確認したら取引の結果を待たず相手を討伐。確認が出来なければ取引を中止する。というものだ。私に対しての依頼は見晴らしのいい場所に隠れ万一の時は加勢し、王冠とゾンビ薬を相手から奪取した場合は直ちに離脱する。

オワインは実直な男だった。しかし、相手が相手なので恐らく裏目に出るだろうと思われる。一対一をほのめかしながら仲間を連れてくるだろうし、泥棒がまともな取引をするはずはない。何かほかに狙いがあるのだろう。大方、王党派主軸である銀冑団の不祥事を大事にしようとする等、茶番の匂いもしていた。しかし、覚悟を決めた漢の信念に水を差すような野暮はしない。イザというときは現れた悪党どもを殲滅するのみ、くだらない共和派の謀略など魔物との死闘に比べたら・・・とそこまで考え自分を戒めた。スライム戦の経験からだ。

タラハシーの教え。。。切り札が無い。オワインは反対するだろうが私は相手より卑怯者になることを考え始めていた。この真面目な騎士に悟られず準備をする必要がある。

メリルダ姉弟と面会した後、私はナナモ菜園に向かった。いい天気だからきっと野良仕事をしているだろう。次の冒険はラノシアと言っていた。少し早いが、この世界で唯一の親友を訪ねた。パパシャン殿が彼女の傍らに立ちにっこり笑いながら言った。
「やはり現れましたな。聞き及んでおりますぞ。腕が鳴りますなぁ。」もう耳に入っているようだ。
パパシャン殿の正体はヤ・シュトラさんから聞いていたので苦笑するしかなかった。空を見上げたらベテランの冒険者だろうか?フライングマウントが4機編隊で通過していた。飛行機雲が眩しかった。


ここは荒野の王都ウルダハ、若き騎士の信念が乾いた風を切り裂く。

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Shyne Bonds
コメント(2)

Dahlia Shio

Belias [Meteor]

久しぶりにストーリー楽しませていただきました。
しろうさん、戻ってきてほしいですね。

Ayaka Wavesurf

Belias [Meteor]

しおちゃん
コメントありがとうございます。
そうなんだよねぇ~プレイスタイルが独特なんでまたひょっこり来てくれるんじゃないかと思うんだけどねぇ。私の方もリアルゼアがバタバタしてるんで新年度に期待ですかねぇ。。。シロウさんのストーリーは前編で止まってるし(^^ゞ
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