キャラクター
ララフェルLoveなわたしの童話です
ララフェル嫌いな人は見ないでね!
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ウルダハの街から少し離れた街で
そのララフェルは生まれました
レイという男の子です
第七霊災で家族を失い
知り合いのツテでどうにか
コロシアムの下働きとして雇われた時は
まだ12歳でした
荷物運びや水汲みなどの力仕事をさせられて
遊びといえばそこらの木の枝を剣に見立て
ともだちと闘剣士ごっこをする事でした
そしていつかは自分も闘剣士として
試合に出場し、この暮らしから抜け出す事を夢見ていました
ところが現実は甘くありません
闘剣士になりたいと志願しても体の小さな
ララフェル族だということで相手にもされません
コロシアムの下働きをしながら間近で試合を眺め
密かに体を鍛えていつかは自分もと
淡い期待を胸に秘めていました
そんなある日の事
コロシアムの檻に竜が搬入されてきました
見せ物として、名高い剣士と戦わせるために連れて来られたのです
それ程大きくないのでまだ若い竜族のようで
首には鎖が巻かれ檻に繋がれています
下働きのレイが呼ばれ 試合当日まで
世話をするようにと親方から言いつかりました
『食べ物は与えるなよ!
弱らせ試合に負けさせるんだ
逃げないようにしっかり見張っておけよ』
初めて竜族を見たレイは
その大きさと迫力に圧倒されました
まだ若い竜とは言えララフェルからすれば
とても大きく恐怖心すら感じる存在です
でも何か違和感を感じ
恐る恐る近寄るとふっと血の匂いがします
レイは驚いて竜の体を見回すと
翼の内側に矢尻が刺さったままになっていました
『これは、、、』
近寄ろうとすると竜は目を見開き威嚇のため
翼を広げ吠えますが
なんとかしてあげたいという気持ちでレイは
怯まず足を止めません
『大丈夫 ボクはキミを傷つけたりしないよ』
両手を広げ 人懐っこい笑みを浮かべ
静かに一歩ずつ近寄ると
不思議と竜はおとなしくなりました
レイの真っ直ぐで純粋な心が
伝わったようでした
『痛いよね 可哀想に、、、
少し待っていて
薬草と何か食べるものを取ってくるよ』
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親方が帰宅し、日がすっかり暮れた頃
レイはこっそり檻に忍びこみました
竜は寝ていたようですが
人の気配を感じたのか、すっと起きあがり
身構えましたがそれがレイだとわかると
首を下ろしレイの目の前にきました
矢尻をぬき、手際よく薬草を塗るレイを
竜はおとなしく見ています
塗り終わると背中のリュックを下ろしながら
『死んだじいちゃんから聞いたんだ
竜の好物はこれだって』
と言ってララフェルが片手では持てないほどの
大きな果実を差し出しました
黄色くてまんまる、そして甘い香りがしました
竜は一瞬びっくりしたようで動きが止まりましたが
大きな口を開け、一口で飲み込んでしまいました
それを見たレイは嬉しそうに目を細め
『明日もまた持ってくるから
窮屈だろうけど我慢してね』
と言って檻を出ました
『ありがとう』
という言葉が聞こえたような気がしました
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それから何日か、レイは水だけを与えているように振る舞っていましたが
あたりに誰もいない時を見計らって
食べ物を差し入れたり
傷口に薬草を塗ったりと世話を焼きました
数日後、親方がレイを呼びつけ言いました
『明日の試合にはあの竜を出す
ウチの1番の剣士相手だ いい見せ物になるぞ』
とご機嫌です
『念のためこの薬を混ぜた餌を
試合前に与えておけよ 見にくるからな!』
と言い残すと出て行きました
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その晩、檻に忍び込んだレイは
なんとか竜を助けたくて本当の事を伝えました
明日の朝、出された食べ物は絶対に食べないこと
競技場に出された時も 弱ったふりをする事
檻から出す時に首輪がすぐ外れるように細工をしておくから隙を見て飛んで逃げるようにと
『キミを助けたいんだ!』
レイは真剣な眼差しを竜に向けました
そこで竜は初めて言葉を口にしました
『そんな事をしたら
そなたが罰を受けないか?』
言葉というより
心にダイレクトに伝わった感覚です
『大丈夫、少し殴られるくらいさ、そんなの慣れてるから、それにキミの方は命が危ないんだよ?』
竜は 静かに頷きました
その晩 レイは寄り添うように竜の隣で夜を明かしました。寝物語に 自分には親兄弟がいない事
闘剣士になりたい事 など身の上話をしました
試合当日 竜はレイの言いつけどおり
出された餌には口をつけませんでした
それを見た親方が怒り 無理にでも喰わせろとレイに言いましたが
大歓声があがり 開始時間よりも早く
巨体の剣士が盾を掲げながら入場して来たので
『さっさと連れて行け!』と言われてホッとしました
4〜5人の男たちがコロシアムの中央まで檻を押して行きました
親方の合図でレイが檻の扉を開け
さらに大きな歓声が響き渡ります
レイは竜の目を見て 頷きました
もう 鎖は外れています
ところが 飛び立つと思っていた竜が ゆっくりと剣士の前に立ち ものすごい咆哮を放ちました
剣士がひるんだ隙に あっという間に翼でなぎ倒し
剣と盾が吹き飛びました
そしてレイに向かい
武器を取るんだ と心に直接届く声で言いました
何が何だかわからず それでもレイは竜に言われるまま 剣士の持っていた剣と盾を素早く拾い上げ
構えました
倒れていた剣士が起きあがり レイに向かって飛びかかろうとした一瞬 竜はもう一度凄まじい咆哮を放ちます
周りの者全てが麻痺した様に動けなくなる中
レイだけがゆっくりと竜に歩み寄り
頷く竜の背に乗りました
すると竜は満足げに羽ばたき
レイを乗せたまま空の彼方へと去ってゆきました
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ウルダハの街からはだいぶ離れた山の中で
竜はレイを下ろしました
『そなたはカイの孫であったのだな』
と唐突に言う竜に びっくりしたレイが答えます
『なぜじいちゃんの名を?』
『わたしの好物があの果実だと知る人間はカイだけでな、、、少し前 いや人間の時間で言えば50年程前になるのか、毒に苦しんでいた所を助けてもらい一緒に旅をした事があってな、、、』
竜は目を閉じて話始めました
懐かしそうにカイの名を呟き
目の前のレイの姿にかつての友の姿を思い浮かべている様でした
『礼をせねばな、、、』
と呟くと背中の鱗を2枚剥がして
さっきの剣と盾の所に置くように言いました
レイはごめんよと言いながら鱗を剥がし
指示された所におきます
すると竜はふぅっと息を吹きかけ
翼を広げました 何か得体の知れないものが
剣と盾にスーッと入って行くように見えました
『レイよ そなたは闘剣士になりたいと言ったな?』
間髪を入れずレイがそうだと答えます
『ダメだ そなたにはふさわしく無い』
と強い口調で言い返され レイは言葉に詰まりました
『そなたの正直で真っ直ぐな心 しかと見届けた!
剣士として精進し パラディンを目指すが良い
そしてパラディンとして開花した暁には
わたしの力を少しだけ授けよう』
⭐️
剣士として最初の一歩を踏み出したレイですが
この先 エオルゼア最強のパラディンとなり
竜の咆哮を模した盾の強力なスタンを駆使して
宇宙をも救う英雄となることは
まだ誰も知りません
読み物としてレベルが高すぎる!!実はプロの方ですか?
普通に没頭して読んでしまいました。
また続き読みたいー!
2作品共に素晴らしいです。
英雄のひとりひとりの物語楽しいですね♪
マスターさん
コメントありがとうございます
褒めすぎです でも嬉しいです
インできないのでいろいろ妄想しています
なおさん
コメントありがとうございます
1人1人の光の戦士に物語がありますよね
そしてみんなが英雄になるのです
この世界では!
素晴らしい物語をありがとうございました!
なつななさま
コメントありがとうございます
読んでいただいてとても嬉しいです
次の作品もまた書く予定です
いつになるかわかりませんが
その時はぜひ読んでください
レイ君宇宙まで救った!!
読みやすくて、
優しくて、
ほっこりする。
こう言う話、好きです。
キラっとお話が浮かんだ時にまたアップして下さい。
楽しみにしています。
Ruさま
コメントありがとうございます
次の童話もちょっとだけ書き始めました
まだ先になりそうですが
また読みにきてくださいね