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Bulwark Between Worlds

Juliette Blancheneige

Alexander (Gaia)

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  • 1

『Mon étoile』(6)前

公開
6-1

 帰国したヤヤカは、仲間たちと一旦分かれて屋敷へと向かった。気は重いが、ギードたちのことを報告しない訳にはいかなかった。

「行方不明……だと!?」
 書斎のソファでテーブルを挟んで向かい合わせに座るビアストが、きょとんとした表情を浮かべた。あまりにも予想外の言葉だったのだろう。
 やがてその意味が浸透してくると、今度は怒りに歯を剥き出しにした。
「どういうことだ! ギードが……アイツらが行方不明で、オマエらは無事だと!? なんでだ! おかしいじゃねえか!」
 落ち着いて、とヤヤカが口を挟んだが、ビアストの怒りは収まらなかった。
「オマエらが――オマエらが殺ったんじゃねえだろうな!?」
「いい加減にして!」
 ヤヤカは思わず立ち上がった。ギードらを助けられなかったこと、その後も発見できなかったことを詰られても仕方がないとは思っていたが、濡れ衣を着せられることは我慢がならなかった。
「それならなぜ行方不明なんて言うの!? 素直に死んだと言えば済むのに!」
 激昂したまま、ヤヤカは早口で経緯を告げた。
 異空間に飛ばされていたこと、自分たちが出られた理由も分かっていないこと。つまり彼らは出られていない可能性があって、だとしたら彼らは地震とその後の崩落に巻き込まれていないかもしれないこと。
「こればかりは、調査を続けるしかないわ。あとは、彼ら自身の運や実力に期待するしかない。――だから、死んだって決めつけないで」
「――…………」
 反射的に口を開きかけて、それからビアストは口を噤んだ。それから立ち上がりながら、「わかった」とだけ言った。
 肩を落とし、足を引きずるように扉へ向かう。扉脇に控えていた部下が扉を開けた。
 ヤヤカは。
 その背中があまりにも小さく見えたので、
「ぁ――」
 声を掛けようとして、やめた。どう言っても、枉げて受け取られそうだと思った。
「……」
 ビアストは、そのヤヤカの漏らした声に気付いた。立ち止まり、顔だけを向けてヤヤカのほうを見る。
 奇妙な沈黙が二人の間に流れて。
 ビアストが顔を背け、立ち去った。
 あとに残されたヤヤカは、溜息と共に再びソファに腰を下ろした。クラリッサが何事もなかったかのようにやってきて、紅茶をテーブルの上に置く。
 ビアストは、なにかを言いかけていたように見えた。何を言おうとしたのだろう。
 あんなに心細そうなあの男の姿を見るのは初めてだった。
 今すぐに追いかけて、話をしたいと思う心の一方で、
 ――憎い男にまで情をかける余裕があるのか?
 そう、心の奥から問い質される。
 そうだ。
 あの男のせいで、わたしは。
 いつの間にか見つめていた扉から視線をはがす。口をつけた紅茶は、苦かった。
 
 数日後、パスファインダーズの面々はクイックサンドに集合した。
 それまでの間に、ヤヤカは錬金術師ギルドと呪術士ギルドへ謎の板を持ち込み、調査を依頼していた。
 しかし。
 結論としては「全く未知の物体」であること、その用途も製法も何もかもが不明であることを、告げられただけだった。
 わずかでも成果があるとするなら、両ギルドのマスターがどちらも強く興味を示し、二人とも継続した調査を申し出てくれたことだろう。
「――というわけで、わたしの研究室に両ギルドから調査スタッフが来てくれることになったわ。今までの研究班には『石壁』の調査に当たってもらって、わたしは過去のマハ伝説の中にそれらしい記述がないかどうか、再度文献調査をします」
「うーん、さすがに時間がかかりそうですね」
 リリの嘆きに、ヤヤカは頷いた。
「ここまで何も手掛かりがないと、ちょっとね。――それで、そちらは?」
 テオドールたちは、ハ・ゾン・ティアの足跡を辿っていた。ギードたち同様、行方不明になったことを誰かに知らせなければならないと思ったからだ。無論、フリーランスの冒険者には係累がいないものが多いことは分かっている。だが、せめて知己でも見つからないかと考え、調査をしてみた――のだが。
「それが……」
 テオドールが僅かの間、言い淀んだ。珍しい反応にヤヤカは首を傾げる。ノノノが後を継いで言った。
「……ハ・ゾン・ティアは、一年前に死んでる」
「――え?」
「冒険者ギルドの名簿に名前があって、リムサが本拠だと書いてあった。だから、リムサに行ったんだけど」
 溺れる海豚亭で告げられたのは、彼がすでに死んでいるという事実だった。
「バデロンのオヤジに確認したが、俺らの知ってるハ・ゾン・ティアとツラも話し方も合ってた」
 前置きしてから、メイナードは眉をしかめたまま語る。
「海賊の調査、って仕事だったそうだ。死亡の申告は当時の冒険者仲間。海賊相手と思ってたが、蓋を開けりゃあ怪物退治――どうもサハギンだったらしい。
 で、その戦闘中に敵に追い詰められ、奴さんは崖から落ちちまったそうだ。――下は岩だらけの海岸だった、と記録にある」
「仲間が回復魔法や蘇生魔法をかけましたが、効果が無かったそうです。つまり……即死だったかと」
「なにそれ……」
「ただ、彼らは遺体を確認してはいません。戦闘が劣勢になり、結局その場から逃走するしかなく、仕事は失敗に終わったのだそうです」
 つまりは状況から判断された死である、とテオドールは指摘する。
「……実は生きていた、ってこと?」
「あり得るとすればその線くらいなのですが、だとして何故自分が生きていることを申告しに行かなかったのか。ギードたちがいない以上、彼らがどうやってハ・ゾンを雇うに至ったのかの経緯も不明です」
 どうにもすっきりしない話だった。
「それと、疑問点はまだあります。一つ目。バデロンが語る彼は、巴術士でした」
「あ……!」
 彼は冒険者職業としての『学者』だった。学者には巴術士の素養が必要なのだと聞いたことがある。だから巴術士から学者になったと考えれば矛盾はない、が。
「死んだ、ってされてたけど実は生きてて、学者になった。でもリムサのギルドには帰還したと言わずに、フリーで仕事をしていた……?」
 そうまとめれば無理が無いようにも思えるが、どこかに違和感があった。
「もうひとつ。彼らが挑んだ仕事の難易度は、我々が知っているハ・ゾン・ティアの実力と矛盾します」
 そうだ。ヤヤカが見た彼の技量は非常に高かった。
 
 ――楽しくなってきたねえ。

 そう言って、彼は笑ったのだ。あの激戦の最中に。
「一年程度であの実力を得るのは、至難の業です」
 リリの指摘に、ヤヤカは頷いた。違和感の正体はこれだ。自分が知るハ・ゾン・ティアの実力と、一年前の彼には大きな乖離がある。
「でも、他人がアイツの顔や名前を真似することの意味が不明」
 ノノノが肩をすくめる。それもまた、その通りだった。
 そうか。
 この始終すっきりしないもやもやした事実を持って帰れば、言い淀みもするか。
 その後しばらく、あれこれと推論を交わしたが、それだけだった。

 さらに数日後。
 ヤヤカはテオドールから、一人の技術者の推挙を受けていた。
「ガーロンド・アイアンワークスの人?」
「ええ。名を、エミディオ・ゼローラといいます。――かの会社が、亡命したガレアン人の受け入れ先になっていることはご存知でしたか?」
「噂程度だけど。じゃあ、本当なのね」
 ええ、と頷いて、テオドールはテーブルに置かれた紅茶を飲んだ。
 ザル回廊に新たに借り上げた研究室の、応接スペース。謎の板という新たな研究対象が増えたため、手狭となった『学究院』内の研究室を引き払い、ここに移転してきたのだ。それも当然ビアストの金だが、もはやヤヤカは躊躇しなかった。
「はい。彼はガレマール帝国において、アラグ帝国の魔科学を研究していた研究者であり、それらを魔導技術で再現しようと試みていた技術者でもあったそうです」
「魔科学……!」
 ヤヤカは感嘆の声を上げた。第三星歴時代に隆盛を極めたアラグ帝国の用いた技術、魔科学。ガレマール帝国の魔導技術の多くは、そのアラグの魔科学を模倣して作られている。
 マハは第五西暦の国家だ。仮にあの板がマハの産物であったとすると、アラグ帝国とは時代が異なる。だが、霊災によって技術・知識の断絶が起こるエオルゼアにおいては、古い時代だから劣っている、とはならない。少なくとも、魔法を用いた技術についてはアラグ帝国の独壇場だ。ゆえに、魔科学の見地からの発見は大いにあり得る。
「それは、ぜひともお願いしたいわ!」
 喜ぶヤヤカを見て、テオドールは目を細める。
「はい、承知しました。内々には話してありますが、正式な依頼をいたします」
 ありがとう、と礼を述べてから、ヤヤカは紅茶に口をつける。美味しい。先日ビアストと書斎で会っていた時に飲んだ紅茶と同じ葉――ビアストの商会がラザハンから取り寄せている、高級茶葉という触れ込みのモノ――で、淹れているのも同じクラリッサだが。あの時は、気分が良くなかったから味も苦く感じたのだろうか。
「ヤフェーム行きの船長さんのときも思ったけど、冒険者ってやっぱり顔が広くなるものなのね」
「どういう仕事をしているかにもよりますが、そうですね。様々な場所へ行って、様々な人々と関わることが多いですから。彼の――エミディオの場合は、もともとガーロンド・アイアンワークスのほうから、亡命を試みた彼の救出依頼を受けていました。帝国の基地に侵入したりもしまして、それなりに大立ち回りでしたね」
「そんなことしたの!? よく無事で……」
「いくつも幸運がありましたしね。けれど、脱出してからは不運続きで、予定通りに不滅隊と合流できなかったり、帝国の追撃が予想以上に執拗だったりで、一月以上かかりました。ただ、そのお陰で彼と個人的な友誼を得られたことは良かったですね」
 言い終えると、テオドールは席を立った。次はガーロンド・アイアンワークス社へ赴き、エミディオの件を正式に要請するためだ。
「ごちそうさまでした。とても美味しかったです」
 一礼して去るテオドール。
「ですってよ」
 戯れに、カップを片付けているクラリッサに水を向けてみる。
「どういたしまして」
 素っ気ない答えだけが、淡々と返ってきた。ヤヤカは肩をすくめる。
 やはり、苦かったのは自分の心ゆえだったのだろうと結論付け、ヤヤカはそのことを忘れた。
 
 エミディオ・ゼローラは、なんと翌日にヤヤカの研究室に現れた。
 そのスピードにも驚いたが、同伴してきたのがノノノだというのも意外だった。
「や」
 今日はいつもの格好ではない、カジュアルな装いのノノノだ。その隣に立つエミディオは、痩せて背の高い青年だった。テオドールほどではないが、メイナードよりも高い。半面、肉の量では到底及ばない。メイナードに突き飛ばされれば転んで身動きが取れなくなりそうな細さだった。
 長い黒髪を後ろで一つに束ねている。切れ長の目、細い顎。そして、額の第三の眼。ヤヤカが初めて見る、ガレアン族だった。
「エミディオ、ヤヤカにご挨拶して。最初が肝心よ」
 なぜかお姉さん口調のノノノが、エミディオを見上げる。
 それに頷くと、やや高めの声でエミディオは一礼した。
「エミディオ・ゼローラです。この度はお招きいただき、ありがとうございます」
「ヤヤカ・ヤカです。来ていただけて光栄です。どうぞ、忌憚なき意見をお聞かせください」
 ヤヤカも一礼する。ノノノが何度も頷いていた。
「ヤヤカ、エミディオはこう見えて情熱の人なので頑張って。エミディオは……」
 一度区切ると、ノノノはエミディオの脚を叩いた。
「飛ばしていけ」
「…………」
 無言で、エミディオは頷いた。そこには特に気合や血気のようなものは見られず、“情熱の人”という気はしなかった。――のだが。ちょっとだけ、悪い予感がした。 
「それじゃ早速だけど、謎の板の実物を見てもらえるかしら」
 ヤヤカがエミディオとノノノを伴って研究室に入ると、そこには錬金術師ギルドのギルドマスターであるセヴェリアン・リクターと、呪術士ギルドのギルドマスターであるココブキ・ロロブキがいた。
「む。遅いぞヤヤカ・ヤカ」
「クックック……お邪魔してますよ」
「また……!」
 ヤヤカは驚きと呆れの入り混じった叫びをあげた。
 この二人のギルドマスターは、ヤヤカが最初に板を持ち込んだ時、板の正体を見極められずにいたことが悔しかったらしい。当初は『両ギルドから調査スタッフが来てくれることになった』はずだったのだが、蓋を開ければこの二人がほぼ毎日やってくるという事態となっていた。
「二人とも暇じゃないでしょうに!」
 錬金術師であり呪術士でもあるヤヤカにとっては、この二人は馴染みが深い。セヴェリアンとは霊災直後からの付き合いだ。ココブキとは同年代で、実はギルドへの加入はほぼ同時期となる。どちらかと言えば、ココブキはシンシアと仲が良かった。
 二人とも尊敬に値する人物だと思ってはいるが……と同時に、困った人物であることも確かなのだった。
「ハッ! この私に下らない雑事をやれというのかヤヤカ・ヤカ! それこそが大いなる知の損失というものだぞ! 大体だな……」
「クックック……ギルドのことは兄弟たちに任せてきているので安心ですねェ。それよりもこの板を調べるほうが楽しそう……おっと」
「同時に喋るな!」
 思わず対等な口調で叫んだヤヤカだが、そんなことを気にする二人ではない。やれやれ、と肩をすくめて顔を見合わせている。まるでヤヤカが悪いかのようだ。
「ああもう……そうじゃなくて、新しいスタッフを招聘しましたので! 協力してください!」
 勢いのままに喋ってから、エミディオを見る。騒がしいのは苦手だろうかと思ったが、彼の表情は特に変化がなかった。もしやクラリッサと同じような人物なのだろうかとヤヤカが危惧を抱いたとき。
「――失礼します」
 言うが早いか、エミディオはココブキが持っていた板を素早く抜き取った。いつの間にか、その手には精巧な機械の手袋が付けられ、顔には目を完全に覆う金属製のゴーグルがはめられていた。
「む。ガレマールのエーテル計測器に似ているが?」
 セヴェリアンの指摘には答えず、エミディオは手のひらに嵌められたレンズのような球体の上に、板を乗せた。レンズが光る。
「……!」
 エミディオが息を呑んだ。なぜか、二人のギルドマスターが満面の笑みを浮かべた。
「どうだ」
「いかがです」
「――完全なるエーテル遮断状態……!? これは……材質解析……不明……年代測定……不可……これは……これは……ッ!」
 エミディオがゴーグルをかなぐり捨てる。その顔は明らかに興奮していた。頬が紅潮し、目が血走っている。
「そうだガレアンの技術者よ! 驚嘆するといい! この板は完全なエーテル遮断状態にある! 魔法も青燐機関も使用せず、だ! これが板の素材による効果であるのかなんらかの魔法現象なのかも不明だ! すごいだろう!」
「加えて、この板の絶霊状態は強度も完璧です。クク……私の攻撃魔術を無効化しましたからね……」
「待って攻撃魔法を撃ったの!?」
「お待ちを。今『無効化』と仰いましたか!?」
「ほう、そこに気付きましたか。これは見どころがありますねえ。そうです……この板への魔法投射は、効果自体を無効にされるのです……」
「エーテル変容の拒絶……!? 吸収の可能性は検討しましたか!?」
「無論だ。だが、結論から言えば『わからない』。吸収とは、質量ないし容積の増加を以て測られるもの。魔力であっても、内在エーテル量の計測で知ることが出来る。計測できれば、な」
「そうか……この絶霊状態が解析を無効に……!」
「その通り。そしてどうだこの美しさ! 一切の継ぎ目のない加工法! 水銀も溶解液も通じないぞ!」
「待ってそんなものの中に入れたの!?」
「……これは材質の問題と考えるべきなのか……例えばアダマン鋼に絶霊剤を塗布して一時的に模倣品を創れるか……? いや、質量が段違いだ。圧倒的にこの板は軽い……重さ……衝撃……物理的な衝撃はどうでしょうか。例えば、飛空艇で高空から落下させるのです」
「「おお!! それは試していない」」
「待てえええええ!」
 ヤヤカは三人の手から板を奪い返した。ノノノがソファに突っ伏して震えている。笑っているらしかった。
「何をするヤヤカ・ヤカ!」
「この板の正体を知りたいと言ったのは貴方ですよ?」
「これこそ正に『レース・アルカーナ』です。解き明かす価値がある!」
 エミディオの口走った言葉に、ヤヤカは首を傾げた。
「レース……何?」
「ああ失礼。古いガレマールの言葉で、『謎』という意味です」
「ほう、いいではないか! “板”よりずっといい!」
「そのまま呼称にしてしまえばよいのでは?」
「…………なるほど……。わかったわ」
 こうして。
 謎の板は、その正体・真の名が判明するまでの仮称として、『レース・アルカーナ』という名称が与えられた。

 その日の帰り道。
 キャリッジで屋敷へと戻る道すがら、ヤヤカはレース・アルカーナと名付けられた板を取り出して眺めていた。
 結局、妙に意気投合してしまった三人から無理やり奪い取り、ヤヤカはレース・アルカーナを持ち帰っている。ヤヤカはヤヤカで文献等からこの板に類似するものの伝承を探しているのだ。常に無くともよいが、全く無くてもいいわけではない。 
「レース・アルカーナ、かぁ……」
 偶然だが、それなりに良い名を付けられたものだと思っている。窓から差し込む夕日を受けて、板はまぶしく輝いている。
「お前の名前は、レース・アルカーナよ」
 おどけて言ってから、目前に座るクラリッサと目が合う。気恥ずかしくなったヤヤカは、慌ててレース・アルカーナを鞄にしまい込んだ。
「――ヤヤカ様」
 急に話しかけられて、ヤヤカは驚いてクラリッサのほうを見る。
「何」
 その顔が、少し戸惑っているように見えた。
「……その、板が」
「え?」
「板の中の……模様が、動いたような、気がして……」
 ヤヤカはレース・アルカーナを見る。板の中の球体は、いつもと同じようにゆっくりと色を変えて回転している。
「ああ、これ? これはいつもそうなの」
 それだけ言って、ヤヤカはレース・アルカーナを再びしまった。どうということはないが、知らなければ無理もないだろう。
「……そう、ですか」
 歯切れ悪く言ってから、クラリッサは頭を下げた。
「差し出がましい口を利きました、お許しください」
「別にいいわよ」
 クラリッサの感情のこもらない謝罪を気にも留めず、ヤヤカは自分の思考へ没頭していった。
 鞄の中で、レース・アルカーナと名付けられたそれは、球体から正方形へ形を変え、再び球体へと戻っていた。――誰も、それを見るものはいなかった。

(六章後半に続く)
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