↓の短編は、『Mon étoile』(7)の直接の続きです。
ですが、これをセイン1.5話の冒頭に持ってくるのは(1.5話単体の構成としてみた場合)不自然で、さりとて七章に入れるにはとても“セイン側の”話なので、ここに載せておくことにしました。
(隠したのはこの説明文と混じるのが嫌だったからです)
それでは、1.5話にご期待ください。
相変わらずここで発表しますが、『Mon étoile』のPixiv掲載用のまとめとか挟むので、少しお時間いただきます。
ここまでお付き合いいただき、本当にありがとうございました。
引き続きご愛顧いただけたなら、これに勝る喜びはございません。
遊んでいていいと言ったはずだが、セインが出てくるのを待っていたようだ。
「ずっといたのか?」
「んー、まーね」
そう言って、ルーシーはセインの横に並ぶ。つまらなそうな――というよりも、感情の希薄な顔だったルーシーが、いつもの悪戯っぽそうな笑顔に戻る。
「そんで? みそぎは済んだのかねセインくん」
「どこで覚えてくるんだ、そういうの。――人の心の問題だからな。単純に割り切れたりはしないさ。だが、許されたと信じたいな」
「ふーん」
自分から質問をしたくせに、もう興味が薄くなったというように、ルーシーが生返事をする。
声に出さず苦笑して、セインは話題を切り替えた。
「というわけで、仕事だ。詳細は移動しながら説明するが、狙われている物品の輸送任務。ベスパーベイ経由でフェリーを使用し、リムサの巴術士ギルドまで運ぶ。道中に襲撃の可能性がかなり高い」
「りょーかい」
にやりとルーシーが笑う。
騒動になることをむしろ期待している、そんな笑みだった。