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White Knight

Juliette Blancheneige

Alexander (Gaia)

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  • 2

『Light My Fire/ignited 1 (後)』

公開
1-5

 アーシュラ・ギブソンとシャルロット・ラトゥール、そしてリ・ジン・キナは、いずれもメイナードとリリの幼馴染だ。
 グレートローム農場の片隅やアプカル滝、どんぐり遊園。グリダニアのあちこちで悪戯と冒険を繰り返した問題児たち『ミュトラ冒険団』は、長じてからはそれぞれの才能を開花させ、短所はありつつも優秀な人材であると評価されている。
 アーシュラ・ギブソンは鬼哭隊に所属し、その身分のままリムサ・ロミンサの双剣士ギルドへ出向した異色の経歴の持ち主である。
 メイナードの知る限りでは、一年ほど前に帰国。戦術教導部隊である鬼哭隊一番槍に配属され、鬼哭隊各隊の斥候班に隠密行動・無音戦闘を教導していたはずだ。
 なお極度の酒乱で、酔うと暴れ・騒ぐため、過去何度も謹慎をくらっている。リムサ・ロミンサから戻って以降、酒乱っぷりにはさらに拍車がかかったと聞いている。
 シャルロット・ラトゥールは弓術士ギルドで“神童”と呼ばれ、彼ら『ミュトラ冒険団』の中では最も早く正規の部隊に合格した。これもメイナードの知っている限りでは、現在は神勇隊人馬師団の所属だったはずだ。
 ただし、優雅さと美しさに独特のこだわりがあり、独断専行や、命令が気に入らなければ無視する厄介な気質のため、問題児扱いされているとも聞いている。
 そして。
 今メイナードの目の前で腕を組んで仁王立ちしている、十三、四歳の少年に見える『角の生えたヒューラン』――リ・ジン・キナ。
 自らが名乗った通り、角尊である。
 角尊。それは、『人と精霊の間に立つ者』、精霊と言う不可視の存在の声を聴き、人が黒衣森で生存していくための仲立ちをする有角の者。黒衣森に住まうヒューランの元に生まれ、一定の時期から成長しない肉体と異常な長命を有する異能の者だ。
 この国において崇敬を集める存在である角尊のひとりが、なぜメイナードたちと幼馴染なのか。
 グリダニアにおいて、角尊として生まれたものは幼いうちに幻術士ギルドに引き取られ、元の名を捨て、精霊の呼ぶ名を人の音に転化した名前を付けられる。
 リ・ジンもまた、北部森林に生まれ、ごく幼い時に顕老樹瞑想窟に引き取られた。リ・ジン・キナはそれからの名だ。
 しかし彼は角尊としては非常に珍しい“落ち着きのない”子供であった。
 修行を抜け出し、頭にターバンを巻き、自身の以前の名――アレックス・カーペンターを名乗って、ちょうど同じ年くらいの子供たち、つまりは『ミュトラ冒険団』に参加していたのだ。
 もちろんバレて、彼は即日連れ戻された。しかし、以後もリ・ジンはあの手この手を使って瞑想窟を抜け出した。この時点ではもう彼が角尊であることは子供たちにもバレているのだが、彼があまりにも自分たちと同じ“悪戯好きの悪ガキ”であったため、子供たちもリ・ジンを角尊としてではなく友人としてみるようになっていった。
 紆余曲折の末、彼は角尊の師であるエ・スミ・ヤンから時限付きの外出許可を出され、かくして彼は角尊でありながら『ミュトラ冒険団』の一員として数々の悪戯や冒険に名を連ねることとなったのである。
「実はお主を呼びに来たのだ」
 リ・ジンは言って、中指でかけている眼鏡を押し上げた。この眼鏡はクリスタルを加工して作られている特注品で、リ・ジン自身の能力を制御するためのものだ。
「俺を?」
「うむ。すでにイウェイン殿の許可は取ってある」
 そう言って、リ・ジンは懐から羊皮紙を取り出し、示して見せた。
 双蛇党の作戦行動書形式で書かれたそれには、確かにイウェインの署名が記されている。日付は今日だ。槍術士ギルドで許可を取ってからここへ来たのだろう。
 だがメイナードは、むしろ示された行動書の部隊名が気にかかった。
「双蛇党――朱獺(しゅだつ)隊?」
 朱獺隊とは、槍術士・弓術士・幻術士の各ギルド出身者及び、鬼哭隊・神勇隊の転属希望者による特殊戦闘部隊の名だ。数は少ないが、特殊な任務に対応するために人格・性情を問わず能力のみで集められるのだと聞いたことがある。
「先月からアーシュとシャルはこちらに転属となってな。――ロジェ」
 名を呼ばれ、リ・ジンの後ろに控えていたフォレスターの士官が双蛇式の礼をした。
「は。双蛇党中牙士、ロジェ・セナンクールと申します。朱獺隊に新設された、第十四小隊の小隊長を拝命しました」
 真面目で実直そのものという印象を受ける。
「メイナード・クリーヴスだ。アンタが、あいつらの隊長ってことか」
 アーシュラとシャルロットを顎で示す。
「……はい」
「貧乏くじ引いたな」
「――ッ!」
 息を呑みすぎてむせる、という反応をしたロジェに、メイナードはうんうんと頷いてみせた。
「酒乱バカとわがままバカ。なんで揃えちまったかなあ」
「聴こえてるぞ槍バカ。あたし任務中は従順で職務熱心な模範兵だよ?」
「ちょっとしたこだわりを持っているだけよ? 結果は常に出しているもの。心外だわ」
「うるッせーよバカども。自覚しろよ自覚」
 いけしゃあしゃあと口答えする二人にメイナードが怒鳴り返す。息を整えたロジェが小声で、「わかってくれるか……」と呟いていたのをリ・ジンが聞き、手を叩いて笑った。
「で? オマエはなんでいるんだよ」
「ワシか? ワシはそもそも朱獺隊の戦術顧問をしておる。今回の任務も顧問として参加するぞ」
 リ・ジンはかねてから『エオルゼアの平和なくして黒衣森の平和なし』と主張しており、双蛇党とエオルゼア同盟軍に積極的に協力する旨を表明している。
 エオルゼアのみならず、ガレマール帝国のあるイルサバード大陸を含めた戦史を研究している彼は、いまや『戦う角尊』の意味を込めて“将聖”の二つ名で呼ばれているのだった。
「そういやそうだったな。俺を選んだのもオマエか?」
「うむ。だが幼馴染のよしみなどではないぞ。今回の任務は性質上、魔物と戦い慣れた冒険者の参加が理想だった。そこで、今現在森都に滞在する冒険者で、最も優秀なのがお主とリリだった、という話よ」
「リリも来るのか?」
 自分への評価はさておき、パートナーであるリリが参加するかは気になるところだ。
「いや。あちらはあちらでのっぴきならない事態に遭遇しているらしくてな。ラヤ・オに断られた」
「ラヤ・オ……ってオマエ、あいつ幻術皇と一緒にいるのかよ!?」
 ラヤ・オ・センナは“三重の幻術皇”と呼ばれる、グリダニアの国是を占う三人の大神官のひとりだ。とんでもない名前が出てきてメイナードはたまげたが、同時に心配にもなった。
「大丈夫なのか?」
「まあ、ラヤ・オがいるなら大丈夫じゃろ。幻術皇は伊達ではないぞ」
 実年齢が近いせいだろうか、リ・ジンは幻術皇を気軽に呼び捨てた。
「……そりゃあそうだが……」
「なんならこちらの仕事をさっさと終わらせて、あちらを手伝いにでもいけばよかろ」
「そもそもオマエ、俺は今回の仕事の内容をまだ聞いてねえんだが? 内容によっちゃ断るぞ」
 メイナードの指摘に、リ・ジンは頷いた。
「まあごもっともだな。ではロジェ、説明を頼む」

1-6

 北部森林、アルダースプリングス。
 かつては緑溢れる深い森だったこの場所は、霊災を経て激変した。ハンノキが生い茂っていた森は『ダラガブの爪』によって文字通り引き裂かれ、複雑な高低差を有する岩だらけの山地となった。
 ここで、ドラゴンらしきものが飛翔しているのが目撃されたのがそもそもの発端だった。
 アルダースプリングスはその北端でクルザスと接している。かの地に多く棲むというドラゴンが見られること自体はそう珍しいことではない。ただし、それが数日続いたうえ、北部森林には生息していない魔物――ドラゴンフライやビアスト、エイビスなどが出没したとなれば話は別だ。
 かくして、ドラゴン及び魔物の調査を行うため、朱獺隊第十四小隊が出動することになったのだった。

 フォールゴウドに着くなり、報告があった。フロランテル監視哨付近に、魔物の群れが押し寄せて来ているという。
 荷解きをする暇すらなく、第十四小隊は現場へと急行した。

 そこは、大混戦となっていた。
 鬼哭隊と神勇隊が入り乱れ、雷のブレスを吐くビアストや、翼竜に似た小型の甲鱗類ドラゴンフライと戦闘している。フォールゴウド及びフロランテル監視硝にはそれなりの数の隊士が配備されてはいたが、それでも魔物の群れに対抗するには数が足りない。それほどの大群が押し寄せてきたのだ。
 彼らが到着したとき、ちょうど新たな軍勢――竜の眷属として知られるエイビスの一団が出現し、戦いの天秤は魔物側に大きく傾こうとしていた。
「醜いわ」
「待て――待て待て!」
 吐き捨てて帰ろうとするシャルロットを、ロジェが慌てて引き留めた。
「ウチ押されてない?」
 どこか他人事のようにアーシュラが言った。リ・ジンが頷く。
「押されとるのう。さて、メイナード。あの中で一番厄介な魔物はどれだ?」
 リ・ジンの問いに、ほぼ即答でメイナードは答えた。
「エイビスだな。魔力を込めた叫びが範囲技になってやがる」
「そうか。――よかろう。シャルよ、今よりワシがこの醜い混戦を美しい殲滅戦へ変えてやろう。それにお主も協力せい」
「……そういうことなら、我慢しなくもないわ」
 リ・ジンはにやりと笑うと、ヤドリギの杖を高く掲げた。幻具の先端には大振りのクリスタルと、それに幾輪もの花が絡みついている。
 先端のクリスタルが輝いた。同時に、リ・ジンの声は戦場全体のグリダニア兵たちの耳にのみはっきりと届けられた。
「聞け! 角尊リ・ジン・キナである!」
 高らかな声が、戦場を駆けた。
「中央のエイビス群は我らが殲滅する!
 鬼哭隊はビアストどもへかかれ! 一体ずつ火力を集中させ確実に倒せ! 幻術士隊は鬼哭隊を全面支援!
 神勇隊はドラゴンフライ群を面制圧! 矢の雨で釘付けにせい! ――いくぞ!」
 反撃が始まった。
 剣術士であるロジェが敵視を奪う。そこにリ・ジンがホーリーを放つ。動きを縫われたエイビスたちを、更にシャルロットのクイックノックが削っていく。とどめはメイナードとアーシュラだ。メイナードの槍が穿ち、駆け抜けるアーシュラが断ち割る。エイビスの群れはあっという間に数を減らされていった。
 その間もリ・ジンは各部隊に指示を出し、戦場を掌握し続けた。
 メイナードが驚いたのは、リ・ジンは鬼哭隊・神勇隊の各隊士を個人名で呼ぶことだった。誰は誰をカヴァーしろ、誰は下がり敵を引きつけよ、誰は誰を回復しろ等、個別に指示を行った方がいい局面では全て個人名で指示を行うのだ。
 後で聞いたところでは、入って数週間ほどの新人でなければ、全ての隊士の名前と、顔では無くエーテルの色を把握しているのだという。“将聖”の名は伊達ではない、ということだ。
 やがて、徐々に魔物は数を減らしていった。グリダニア側の損害も小さいものではなかったが、幻術士による治癒と蘇生がある分、こちらに分はあった。魔物の中には、逃走する個体も現れ始めた。
 いける。
 この戦いは勝った。
 そういう空気になりかかったところで、
「気を抜くな!」
 リ・ジンは味方を叱咤した。
 彼が真意を語る前に――
「上だ!」
 炎のブレスが戦場に降り注いだ。
 黒い鱗を輝かせた翼竜、ワイバーン種のドラゴンが高空から急降下してきたのだ。かなり大きい。
 ブレスを吐いた後、ワイバーンは再び上昇に転じた。凄まじい速度で放たれた火線が地を焦がす。魔物たちもろとも焼き払うような攻撃に、幾人もの隊士が地に伏した。
「見境なしかよ……!」
 メイナードが舌打ちする。上昇後、反転したワイバーンは再び急降下した。今度は、シャルロットをはじめとする神勇隊の弓術士たちが迎撃を試みた。
 だが。
 ワイバーンが纏う風のエーテルが、矢の軌道を乱した。ワイバーンは無傷のまま、再び火線を放った。逃げ遅れた数名の隊士が灼かれ、数体のビアストも燃えた。
 そして、再び竜は上昇する。
「これでは一方的だ……!」
 ロジェが呻く。ワイバーンの攻撃手段はブレスであるため、地上まで降りてくるわけではない。もっとも近くても、高さは十ヤルムはある。意図的にそうしているのだろう。一方的にこちらを攻め続けるつもりだ。
「――そうでもない」
 ぽつりとそれだけ言って、アーシュラが走り出した。岩を蹴り、枯れたハンノキを猿のように登っていく。
「そうね。纏う風の量は視えた。あとはなんとかするわ」
 シャルロットが応え、矢をつがえた。
「頼むぜ。落としてくれれば、あとは俺がやる。空へは二度と戻さねえ」
 メイナードが槍を構え直す。
 やがて、旋回したワイバーンが再び急降下した、そのとき。
 タイミングを合わせ飛び移ろうとしたアーシュラよりも、すれ違いざまに矢を打ち込もうとしたシャルロットよりも迅く。
 駆け込んできた人影が、高く飛びあがり、空中で態勢を変え――降下中のワイバーンの頭へ、槍を撃ち込んだ。
「な……!」
「――――!」
 ワイバーンは絶叫し、地へと落とされる。撃ち込んだ人影は、落ち行く竜の頭部を蹴って再上昇。ワイバーンが墜落した瞬間に、その背へ落下し、槍を深々と突き込んだ。
「……!」
 声にならぬ叫びをあげ、竜はこと切れた。
「すげえ……」
 そう呟いたのは誰だったか。
 場に居る者全員が、竜の背から槍を引き抜くその人物を見つめた。
 黒に近い紺青の鎧。あちこちに刃状の突起が付いており、その兜は嘴のように湾曲している。黒い槍は一切の装飾の無いシンプルな一本槍だったが、その周囲を魔力の炎が赫く渦巻いていた。
「――竜騎士か」
 リ・ジンが言った。
 竜騎士。それは、山の都イシュガルドにおいて、竜を狩るために選ばれた者たちの名だ。
「邪魔だ。さがってろ」
 槍を片手に携えたまま、竜騎士が言った。吐き捨てるような口調だ。
「おい――」
 メイナードは問い詰めようとして、途中で言葉を失った。
 耳をつんざく轟音と共に、一匹のドラゴンが舞い降りてきたからだ。
 美しい黒紫の鱗に、同じ色の雷を纏っている。四対の翼は大きく、振られる度に黒紫の雷が空を裂いて走った。
「クルザスの外に出りゃあ、逃げられるとでも思ったか?」
 ドラゴンへ、竜騎士が言った。淡々とした声の中に、抑えきれない怒りと憎悪が滲み出ていた。
「逃がす訳ねえだろう……!」
 叫びと共に、竜騎士は槍を構えた。黒い槍が纏う炎が、一際大きく燃え上がった。
「いくぞスアーラ! テメエは俺が――エール・レッドグレイヴが殺す!!」
 
(Light My Fire/ignited 2へ続く)
コメント(2)

Kikik Iki

Alexander (Gaia)

トレーラーPVのような、劇場版を観ているような、そんな冒頭から始まる今作。
前作番外の黒と蒼から続けて読んでいると、何だかモンエト蒼天篇DLCやってる気分w
相変わらずアクの強いオリキャラ達のやり取りは、読んでてニヤニヤしちゃうねw
これからが楽しみ‼︎次のアプデ待ってます‼︎

Juliette Blancheneige

Alexander (Gaia)

Juliette ‘s note
グリダニアに悪名を轟かせた悪戯っ子集団、『ミュトラ冒険団』。
その名はリーダーの姓から取られています。
つまり、一番の悪ガキは……
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