20年前の帝国侵攻で行方不明となった捕虜たち。
その記録がカストルム・オリエンスから発見された。
名簿の中には「生死不明」と記された者たちがいた。
双蛇党戦史課のタラ・モルコー少牙士に頼まれた私は、その行方を探る調査に協力することになった。
調査の一環で訪れたのは、廃村となった「ビターミル」。
帝国が占拠していた頃の痕跡がわずかに残るその場所は、時間に飲み込まれた静寂の中にあった。
タラが廃屋で見つけた日記には、
「捕虜たちは歌を歌い、希望を与えてくれたが、ある夜突然消えた」と記されていた。
帝国兵の厳重な警備と謎の失踪。
ここで何が起きていたのか――。
「ここには、誰も知らない物語がまだ眠っている。」
タラの言葉に頷きながら、私はこの謎が単なる過去の出来事ではないと感じていた。
捕虜たちが遺した声、そして帝国の隠された意図。
それを知ることで、私たちは戦争の真実を解き明かせるのだろうか。
答えは、さらに先の調査が導いてくれるはずだ。
廃村を背にして歩き出した私は、戦争が残した深い傷跡を改めて実感するのだった。