町人地に戻ると、すでに多くの人々が広場に集まっていた。
戦いの報が広まり、町には熱気が満ちている。
傷つきながらも駆けつけた仲間たちと再会し、ほっと胸を撫で下ろした。
広場の中央に立つヒエンは、一息つき、皆を見渡して静かに口を開いた。
「25年の時を経て、この地に帝国の影はなくなった。これからは共に新しいドマを築こう!」
その言葉に応えるように、人々は顔を見合わせ、固く頷く。肩を叩き合い、涙を流しながら笑顔を交わす姿が広場を包み込む。
リセの拳が力強く握られるのが目に入った。
「私たちも……こういう光景を必ずアラミゴでも広げてみせる!」
その言葉にアリゼーが頷く。
「そうね。ここからが本当の始まりよ。ドマもアラミゴも、私たちで取り戻す!」
彼女たちの決意を聞きながら、私も静かに誓う。
この景色を、戦いの日々を無駄にはしない――すべてを未来へ繋げるのだと。
シリナが目を閉じ、そっと祈りを捧げる。
「彼らの天に、いつまでも陽と月が輝きますように……」
この町で多くのものを見て、感じてきた。不安と悲しみ、そして今ようやく取り戻した喜び。
私はその全てを胸に刻む。
未来を語るヒエンの背中を見つめながら、思わず目を細める――これが終わりではない。
新しい物語が、今ここから始まるのだ。