アラミゴに戻ると、サンクレッドが待っていた。
「無事でよかった」
安堵するアリゼーに、サンクレッドは水を一気に飲み干す。
「……ふう、生き返るぜ」
すぐに報告が始まる。
帝国支配下の属州では、ドマやアラミゴに続こうとする動きがあったが、ダルマスカの壊滅で恐怖が広がり、勢いは弱まっていた。一方、ドマの捕虜交換成功が希望となり、交渉の可能性を信じる者もいた。
エオルゼア同盟軍は、属州の反帝国組織に物資支援を開始。ナナモとカヌ・エの働きは特に大きく、彼女たちは「女神」と称えられていた。
「問題は、本国だ」
ドマの蛮神召喚が帝都で広まり、民衆派の声は弱まっていた。ゼノスの命を受けたアサヒの仕業にもかかわらず、すべてがドマの責任にされていた。
さらに、ゼノスは死んだことになっておらず、各地を巡りながら抵抗勢力を威圧しているという。
「……もし疑われていないなら、ゼノスはやっぱり……」
「俺のときと同じ……中身はアシエンだな」
話題は、アルフィノの行方へ。
帝都到着の報道はなく、消息は不明。
だが、サンクレッドは彼との通信で、かすかに拾えた単語があると言った。
──「ザ・バーン」
永久焦土帯の名だった。
「……もう待てない。『ザ・バーン』に向かいましょう!」
焦るアリゼーに、サンクレッドは問いかける。
「まだ、可能性の話だぜ。それでも行くのか?」
「もう限界よ。アルフィノったら、頭いいのに騙されやすいし、変なところで鈍感だし……こっちは気が気じゃないんだから!」
「それでこそ、アリゼーだ。それに……お前もな」
「ザ・バーン」へ向かうには、移動手段が必要だ。
ドマに寄り、ヒエンに相談することに決まる。
「俺は、属州の情報を同盟軍に報告しておく。アルフィノの件、頼んだぞ」
「助かるわ。それじゃ、ドマ町人地で『ヤ・シュトラ』と合流しましょう!」
アルフィノを追い、次なる目的地へ向かう。