ドマ連合の戦力強化のため、新たな協力者を求めることになった。
次の目的地はアジムステップ。ヒエンを中心に、ヤ・シュトラと共に向かうことが決まる。
一方、ユウギリとハクロウは別行動でほかの地域へ。
アリゼーは「ザ・バーン」の防御機構を活用するため、タタルと協力し、ガーロンド・アイアンワークスへ技術支援を要請することに。
それぞれの役割を確認し、私たちは草原の大地へと旅立った。
——果てしなく広がる大草原。
アジムステップの玄関口「再会の市」に到着すると、ヒエンが「ぜひ見せたい場所がある」と案内してくれた。彼が気に入っているという丘に登ると、目の前には雄大な草原が広がっていた。
「絶景かな、絶景かな!」
ヒエンはそう言って笑ったが、その表情にはどこか考え込むような影があった。
そこで彼は、モル族から聞いたという伝承を語り始めた。
『滅びの刻、稀人が訪れ、ナーマに乞い、北の山より月の欠片を賜り、魔の忌み地を放逐せん』
この「月の欠片」とは何なのか。ヤ・シュトラは、それがかつて魔大陸を浮上させるほどの力を持っていたのではないかと推測する。
もし、その力が今も残されているのなら——確かめる価値はある。
「……期待できそうね」
ヤ・シュトラの言葉に、次の目的地が決まった。
私たちは北の山へ向かうことにする。