『さて…どうしたものか』
「……」
「……」
混乱を鎮静化させる為とは言え、流石にいきなりの口付けは彼女達には刺激が強過ぎたらしく、二人は正座したまま、お互いをチラチラ見ながら顔を赤らめて黙りこくってしまった。
取り敢えず、彼女達は何者で、何故俺を見張っていたのかを聞かなければ話が進まない。
『さて…』
「は、はい!なんでしょう!?」
「わわわ私は親友のリーリエを助けようとしただけで!!」
『落ち着いてくれ、やった事は謝るし脅かした事もすまなかった。ただ、君達がいる所はどう言う組織で、何を為そうとしているのかを教えて欲しい』
お互いをチラチラ見ながら赤らめている二人は、その後落ち着いたのか、ゆっくりと教えてくれた。
まず、赤髪で、よく見ると額に特徴的な『第三の目』を宿した子はリーリエ。
黒髪に褐色肌の子はエリフ。
彼女達は『オブリビオン』と言うレジスタンス組織に所属しており、現在の今の国『ソリューション・ナイン』の歪な政治を正す為に暗躍しているそうだ。
主に偵察や情報収集で活動しており、他にも彼女達の様にペアで行動している事が多いとの事だ。
『何故ペアなんだ?ソロでも出来るだろうに』
「ペアだと様々な物事をカバー出来るんです」
「ソロで活動するには、ここ『ヘリテージファウンド』は危険過ぎるから、だから2人1組、4人1組で活動にあたってるんだ」
冒険者や傭兵でも、ペアを組んで活動しているやつは多い。
彼女達の場合は、組織のトップからの指示の元ペアを組んでいる様だ。
そうなると、何故俺を…いや、俺達外からの珍客を監視していたのだろうか。
単なる危険因子を監視…と言う感じではない。
『…まさかとは思うがウクラマト王一行同様、俺…いや、俺達にオブリビオンに招き入れ、この国の歪みにメスを入れようと考えているのか?』
「「…っ!?」」
正解か。
ウクラマト王一行の中には、『暁』の面々、そして『ひろし』の存在が在る。
彼等の歩みを歩んでいる俺(達)もまた、何かしらに巻き込まれる体質になっているのだろう。
『ふむ…』
また、もう一つ気になる事が有る。
『もう一つ教えて欲しい』
「は、はい、何でしょう?』
『この国の『歪み』についてだ。分かる範囲で教えてくれ』
俺が見て来た国々にも、多くの歪みが有った。
だが、この国の歪みは、あまりにも残酷で、あまりにも死者が恵まれない話だった。