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Pure White

Edda Pure-heart

Mandragora [Meteor]

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【第一話】杜都グリダニア

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プロローグ


 神々に愛されし地、エオルゼア――。

 母なるクリスタルの加護をうけ、人々は永遠にも思える繁栄を謳歌していた。だが、永久(とこしえ)に続くと思われた繁栄も、ついには終焉の時を迎える。

 第六星暦1572年、カルテノー平原おけるガレマール帝国軍とエオルゼア三都市同盟軍との大戦(おおいくさ)のさなか、小月ダラガブの内部に封印されていた古の蛮神バハムートが顕現し、世界を焼き尽くしてしまう。

 蛮神バハムートによって引き起こされた災厄こそ、のちに人々が「第七霊災」と呼んだ未曾有の大惨事だった。

 それから時はながれ――第七霊災から五年の歳月がたち、名峰連なるアバラシ山脈の麓の村で、霊災孤児となったひとりの少女が十五歳の誕生日を迎えた。
 それは同時に、彼女が成人したとみなされ、独り立ちすることを意味する。

 かつて霊災により両親を失った少女は生まれ故郷にほど近い修道院に預けられていた。
 少女は見習い修道女として暮らしていくなかで、修道院に助けを求める霊災難民の姿を目にするうちに、いつか自分も苦しむ人々を救済できる人間になりたいと思うようになっていく。

 そして、成人を迎えたこの日、少女はひとつの選択をすることになる。
 その選択とは、このまま修道院に残り十二神に仕えて暮らすか、それとも修道院の外に出て俗世のなかで生きていくか。
 少女が選んだのは後者の方であり、その為に彼女が選んだ手段は「幻術士」として身を立てていくために「冒険者」ギルドを訪れることだった。
 
 こうして冒険者の道に踏み出した少女は、治癒の法を修めるべく幻術の郷グリダニアを目指し故郷を旅立っていく。

 その少女の名はエッダ。
 のちに「純白のエッダ」の二つ名で呼ばれる冒険者の名である。

 この少女が織りなす数奇な「運命の輪」の物語は、ここ森の都グリダニアから始まろうとしていた。
   



【第一話】杜都グリダニア

 生まれ故郷を旅立って五日。
 ようやくグリダニアの街にたどり着いた。

 乗り合いのキャリッジが停留所に停まると乗客たちは次々と荷台から飛び降りていく。

 チョコボキャリッジは荷台を気球で浮かせ、一頭(一羽?)もしくは、二頭のチョコボで牽引するエオルゼアではごく一般的な乗り物だ。
 もちろん一人乗りの騎乗用チョコボで移動する人もいるけれど、給仕代やら装身具代などの費用が割りとかさむので、普通に生活をする上では、やはり乗り合いのキャリッジを利用するのが一般的だろうか。

 ふと気づけば、最後の乗客になっていたわたしのことを御者のおじさんが怪訝な顔つきで見ている。

 はい、わかっています。すぐに降ります。

 御者の視線から逃れるように、わたしは荷台から道端に向けて飛び降りた。すると着地した瞬間にドスッと鈍重な音があたりに響く。

 あの・・・いえ、違うんです。これは思ったより勢いがついたせいで、わたしのお尻が見た目より大きいからじゃないんです・・・。

 わたしは心の中で必死に言い訳しながら、こっそり視線を巡らせ周りの様子を窺う。

 最後に降りたことが幸いしてか、どうやら他の人に気づかれることはなかったみたい。
 よく人から「のろま」と言われるけれど、このときばかりは「のろま」で本当に良かったと思う。

 「んー・・・お尻が、ごわごわする・・・」

 わたしは何事もなかったかのように大きく伸びをした。木々のあいだから漏れる陽光が目に眩しい。
 見上げた太陽はすでに空高く昇っており、もうじき天頂に達するだろう。

 大きく深呼吸をして、わたしは木漏れ日の差す道をグリダニアの街に向かって進んでいった。

 「おい! そこの者ッ!」

 街の主門である青狢門(せいかくもん)を抜けたところで、突然あたりに大きな声が響きわたった。

 わたしは思わず身を固くして立ち止まると、声のした方に恐る恐る顔を向ける。するとそこには、こちらをじっと見据えるエレゼン族の男が立っていた。

 え? 何? ひょっとしてわたし!?

 「そう、お前だ。このあたりでは見かけない顔だな・・・。いったい何の用でこの都市へやって来たのか正直に言え!」

 いきなり大声で呼び止められ、わたしはすっかり萎縮してしまっていた。それでも男の問いに答えようと、なんとか喉の奥から言葉をひねり出そうとした。

 「べ、別に怪しい者じゃありません・・・。冒険者になりたくて、この街へやって来たんです」

 すると、男はわたしの頭の上から足の先まで、まるで品定めをするように視線を這わせてきた。その視線が顔から身体に向けられるのを感じて、わたしは気恥ずかしさから思わず俯いてしまう。

 「どうやら不審者ではないようだな・・・」

 わたしの答えを聞いたエレゼン族の男は、そう言って鼻をならした。

 「流れ着いたばかりのよそ者か。どうりで、わが都市のしきたりを知らぬわけか。ならばッ! グリダニアを守る鬼哭隊(きこくたい)の衛士、ベルテナンが教えてやる。さぁ、こっちへ来い!」

 ・・・
 ・・・・・・
 ・・・・・・・・・はい?

 良く手入れのされた革鎧と長柄の突槍を携えた男のいでたちを見る限り、グリダニアの衛士だというのはどうやら本当らしい。



 「素性の知れぬ者に街中をフラフラされてはかなわん。いいか、よく聞け。貴様のすべきことは、この先の『カーラインカフェ』に行き、グリダニアの冒険者としてギルドに名を記してくることだ。茶房の店主でミューヌという女がいる。その女に声をかければよい」

 ベルテナンは一方的にそう言い放つと、クルリと向きを変えて立ち去っていった。

 ふぅ・・・、一時はどうなることかと思ったけれど、なんとか無事に街の中へ入ることができました。

 とりあえず、あの衛士に言われたとおり、この先にあるというカーラインカフェに行って、冒険者の登録を済ませるのが良さそうね。

 道なりに進んでいくと大きな水車と共に一棟の建家が見えてくる。きっと、あれがカーラインカフェなのだろう。
 わたしは入り口から中の様子をそっと窺ってみた。油燈の灯りに照らされた店内は、まだ日も高いせいもあって客の入りは疎らだ。周囲の薄明に目が慣れてくると、店の奥まった先にエレゼン族の女が立っているが見える。
 その女が店主のミューヌだと直感したわたしは、意を決して店内に足を踏み入れた。
 何かの帳簿を確認していた彼女は、近づいてくるわたしの気配に気がつくと、穏やかに微笑んで話しかけてきた。



 「やぁ、いらっしゃい。今日はどうしたんだい?」

 「えっ、と。わたし、冒険者になりたい、んですけど・・・」

 「君は・・・冒険者として、登録に来たんだね?」

 わたしの返事を聞いたエレゼン族の女は、一瞬なんとも言えない様子で言い淀んだ。
 わたしはわずかに緊張覚えて、こくんと喉を鳴らす。そんな気持ちを察してくれたのか、すぐに彼女は和やかな笑顔を貼り付けてこう言った。

 「僕はミューヌ。茶房『カーラインカフェ』のマスターさ。ここには冒険者ギルドの窓口があってね。グリダニアを訪れる冒険者の面倒を見ることが多いんだ。僕のことは、ちょっとした顔役だと思っておくれよ。・・・さて、それじゃあ、冒険者の登録を始めようか」

 そう言うとミューヌは一冊の台帳を取り出してカウンターの上に広げた。

 「君は、文字はわかるかい?」

 「はい、修道院で習いましたから・・・ひととおりは」

 「じゃあ、ここに名前から書いていってもらえるかな。わからない箇所があったら、聞いてくれるかい」

 冒険者登録台帳(アドベチャラー・プレート)――。

 名前、性別、年齢、髪や目の色、体格、技能(スキル)・・・。記入する事項は実に簡素なものだった。本当にこれだけで良いのかと拍子抜けするくらいに。

 「あぁ、『称号』と『冒険履歴(アチーブメント)』のところは、そのまま空けておいてくれるかい。そこは冒険者ギルドで査定して記入するからね」

 「あ、はい。わかりました」

 緊張に震えながらペン先をインク壺に浸し、言われたとおりに台帳へ文字を綴っていった。書き終えた台帳を差し出すと、ミューヌはひとつひとつ頷きながら確認をする。

 「エッダ・・・。へぇ、素敵な名前だ」

 ひととおり台帳の確認を終えたミューヌは、最後に「冒険履歴(アチーブメント)」の欄に「駆け出し(ビギナー)」と書き込んだ。

 「よし、君は今から冒険者ギルドの一員だ。あらためて、よろしく頼むよ」


◇◇◇

 冒険者ギルドへの登録を済ませたわたしは、ミューヌから教わった道順を頼りに、幻術士ギルドのある「豊穣神祭壇(ほうじょうしんさいだん)」へと向かった。

 「豊穣神祭壇(ほうじょうしんさいだん)」とは、エオルゼア十二神の一柱であるノフィカを祀る祭壇であり、その祭壇の北側に幻術士ギルドへの入り口があるのだという。

 果たしてミューヌが言ったように、薄暗い入り口をくぐり抜けた先に幻術士ギルドの受付はあった。

 「幻術士ギルドにようこそお越しくださいました。我がギルドに何かご要望がおありでしょうか?」

 わたしが声をかけると受付の係は穏やかな物言いで応対してくれた。

 「あなたは、幻術を志す冒険者のようですね。それでは、しかるべき手続きをご紹介いたしましょう」

 係の人はそう言うと幻術士ギルドについて説明をはじめた。その説明のなかで幻術士ギルドのマスターはエ・スミ・ヤンという名の道士だとわかる。

 エ・スミ・ヤンは、この先にある「碩老樹名巣窟(せきろうじゅめいそうくつ)」という瞑想場にいるらしく、幻術士ギルドへ加入するには彼に入門の意思を示す必要があるとのことだった。

 わたしは瞑想場の扉をそっと開いて中に入っていった。
 石窟の中では文字通り瞑想に耽る道士たちがおり、奥の祭壇の前には二人の道士を従えた男が立っているのが見える。
 静寂に包まれた空気のなか、わたしは少し躊躇いながら男に囁くように話しかけてみた。

 「冒険者、よく来ました。幻術士ギルドへの入門を希望されるのですね」

 幻術士ギルドのギルドマスターであるエ・スミ・ヤンという道士は「マスター」と呼ばれているが、その外見だけを見れば、想像していたよりもずっと若く見える。
 その少年のような風貌もさることながら、さらに目をひくのが二本の頭角だった。

 ここグリダニアでは、生まれながらに頭角を生やした者は「角尊(つのみこと)」と呼ばれ、精霊と意思を交わすことができる特別な存在なのだという。



 わたしがエ・スミ・ヤンに幻術士ギルドへの入門の意思を告げると、彼は「幻術」という術について語りはじめた。

 「幻術」とは生命に働きかける魔法で、傷の治癒や肉体の守護、さらには自然の属性を知り破壊的な現象を起こして攻撃することができるのだそう。
 幻術士は単なる癒やし手でも破壊者でもない。魔法を駆使して友を助け、その力を最大限に引き出すことが幻術士の神髄なのだとか。

 「これまで森の一部であった魔物たちは、霊災の影響を受けたことで望まずして森を傷つけています。自然のために魔物を鎮めるのも幻術士の務めであり、実際に魔力を使うことで『幻術』の修行にもなります。さあ、お行きなさい。ギルドの一員として、あなたの役目を果たすのです」

 ・・・え? 低位とはいえ、いきなり魔物を討伐するの!?

 なんだか上手く言いくるめられている気がするけれど、魔物の討伐がギルド員の役目だと言われれば、それに従うほかないじゃない。ほんと物は言い様とは良く言ったものだわ。

 その後、道士から初歩的なの幻術魔法の手ほどきを受けたわたしは、ひとり森の中で覚束ない魔法を唱えながら魔物と取っ組み合う羽目になったことは言うまでもありません。


そのころ砂の都ウルダハでは・・・



【第二話】傭兵の身構え へ続く


【あとがき】
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妄想と拙い文章だけのプレイ小説でしたが、最後まで読んで頂きありがとうございました。

エッダちゃん好きが昂じて、思いつきと勢いだけで始めてしまったこの企画。なんとか第一話を書き終えることができましたが、作中に登場するキャラの育成や物語と整合性のあるSS撮影(※1)、それと公式の設定資料を読み込んだりと、一話分を書くだけでも思いのほか時間がかかってしまいました。

今回、第一話を書くにあたっていちばんアタマを悩ませ、時間がかかってしまったのが、エッダちゃんの出生と冒険者になるまでの設定でした。

公式設定をリスペクトしつつ、本作のストーリー展開に盛り込むために「霊災孤児」という公式にはない設定をつくりました。それによって、エッダちゃんが家庭的な幸福を望みつつも、冒険者を志す理由付けができたのではないかと思っています。

アヴィールとエッダちゃんの出生に関して、公式の設定資料によれば、ふたりはアルデナード大陸を東西にはしるアバラシア山脈のとある寒村の出身とされています。

<エオルゼア全図>



アバラシア山脈は「エオルゼアの背骨」と呼ばれ、地理的には東アバラシア山脈と西アバラシア山脈とに分かれており、東のゼルファトルからイシュガルドを抜け、西のドラヴァニアに続く大山脈となっています。

エッダちゃんが故郷の村からグリダニアにどのような経路で到達したかは設定資料に記載はありませんが、おそらくチョコボキャリッジなどの移動手段によって、中央アバラシア山脈周辺からクルザス地方を抜け、黒衣森の北側に到達したのではないかと推測しています。

ちなみに、このアバラシア山脈の北側には、ルガティン(ローエンガルデ族)の集落があり、戦士のジョブクエストで登場するキュリアス・ゴージはアバラシア山脈の北部辺境にある「戦士の里」で生まれ育っています。

※1:ゲーム開始時のオープニングシーンでは、キャラクターの服装は「種族装備」であり違和感のあるものでした。そこで、他のエオルゼアの住人たち(NPC)の衣装にあわせることで、より物語にリアルさをもたせています。


<Tips>
公式の設定資料によると惑星ハイデリンには最大の陸地面積を誇る「三大州」を含めて、大きく3つの大陸が存在しています。「三大州」とはすなわち、イルサバード大陸を中心として、オサード小大陸アルデナード小大陸が東西に連なる世界最大の陸塊のことを指します。


<三大州全図>



この物語の舞台となる「エオルゼア」とは「三大州」の西端に位置するアルデナード小大陸バイルブランド島および周辺の島嶼を合わせた地域の総称です。


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