キャラクター

キャラクター

Edda Pure-white

Titan (Mana)

このキャラクターとの関係はありません。

フォロー申請

このキャラクターをフォローするには本人の承認が必要です。
フォロー申請をしますか?

  • 0

【第六話】不穏な報せ

公開
「君はもしかして・・・いや、なんでもない。また会おう」

パパリモはそう言ってエッダに別れを告げると、相変わらずマイペースな調子のまま、スタスタと出口から出ていった。その先の通路には傷ついた道士を支えて歩くイダの姿が見える。

エッダはその場に佇んだまま、しばらくパパリモたちが通路を進む様子を眺めていたが、やがてその姿が暗がりに消えて見えなくなると、三人を追うように監房棟を後にしたのだった。

人気(ひとけ)のなくなった監房内には、石畳の上をコツコツと歩くエッダの靴音だけが響いていた。

「まさか石人形が倒されるとは・・・なんだヤツの力は・・・」

射抜くような眼(まなこ)でエッダの姿を追っていた漆黒の魔道士は、瓦礫と化して堆く積み上がった石人形(クレイゴーレム)を一瞥すると忌々しくそう呟いた。

「あの幻術士、ただの冒険者ではないようだ。もしや・・・」

その魔道士はエッダについて考えを巡らせていたが、何か思い至ったように面をあげると、纏った法衣を翻して闇の中へ姿を消していった。



一方、当のエッダはというと、自身が邪なる意思の標的となっていることなど夢にも思わず、出口に通じる石段をのんびりと昇っていた。しかし、途中でパパリモからエールスタンへの報告を頼まれていたことを忽然と思い出すと、顔色を一転させて弾かれたように石段を駆け上がっていったのだった。←ボーっとして生きてんじゃねーよなのである(^ω^)

エッダは生来より楽天的な気質の持ち主で、その動作は端から見る者に間延びした印象を与えるものだった。後に冒険者仲間となるリアヴィヌが、エッダを指して「ノロマ」と形容するように、何事においても他者より遅れて行動するのが常だった。

もっとも、このようなエッダの気質が、常に悪い結果に結びついていた訳ではなく、希に良い方向に働くこともあった。それは、エッダが慌てて駆けだした拍子に石段を踏み外し、危うく転びそうになった醜態を人目に晒さずに済んだのは、ひとえに彼女が最後尾を進んでいたからである。

そして、このような例は、エッダの気質がもたらした数少ない天恵と呼べる類いのものだった。



「なんと、そのようなことが!」

エッダから監獄内での出来事について報告を受けたエールスタンは驚きの声をあげた。

「魂還の儀式」の最中に正体不明の影から襲撃を受けたばかりか、こんどは道士の捜索中に巨岩の魔物と激しい戦闘になったという。

常日頃より警戒警備を怠らなかったウォーレン牢獄で、このような大きな事件が立て続けに発生したことは、エールスタンをはじめとする鬼哭隊に大きな衝撃を与えた。もたらされた報告にある強大な魔物の存在はもとより、その気配すらこれまで誰一人として感知したことがなかったからである。

このことからも、鬼哭隊にとってこのウォーレン牢獄を舞台とした一連の騒動は、まさに青天の霹靂であり、まったく想定外の出来事だったことが窺い知れた。←想定外などという言葉を簡単に使って欲しくはないものである(^ω^)

さらに、エッダの口から漆黒の魔道士の存在が語られると、このさき大きな災厄がグリダニアに降りかかろうとしているのではないかという不穏な予兆をエールスタンは感じていた。パパリモたち賢者は、いまグリダニアで起こっている一連の事件は、何者かによる陰謀によるものだと主張していたが、真相はいまだ闇のなかにあると言わざるを得なかった。

「・・・いたづらに考えても仕様がない。仮面の魔道士については、ガルフリッド様と協議の上、鬼哭隊で調査を進めよう。君はグリダニアに戻ってミューヌに会うといい」

エールスタンはそう言って、エッダにグリダニアへの帰還を促したのだった。

お辞儀をして別れの挨拶を済ませたエッダが、グリダニアに向けて出立しようとしたところ、エールスタンから不意に呼び止められた。

「多くの命を助けることができたのは、ひとえに君のおかげだ。感謝している」

何事かと振り返ったエッダに、エールスタンはそう言って謝辞を投げかけると、思わぬ褒め言葉を受けて照れ笑うエッダに向けて大きく頷いてみせたのだった。



エッダがグリダニアに通じる街道に戻ってきた頃には、すでに陽の光は天頂高く昇っていた。見慣れた景観の中に戻ってくると、今朝からずっと張り詰めていた緊張の糸もほぐれて、エッダはようやく人心地ついた気がしたのだった。

グリダニアに戻ってミューヌへの報告を済ませたら、そのままカーラインカフェで食事をして、食後にはカモミールティーにロランベリーのケーキを食べて・・・そして、その後は宿屋に寄って全身の砂埃を洗い流して、それから・・・。

そんなことを、つらつらと思いながら街道を歩いていると、突然チョコボの甲高いいななきと共に誰かの悲鳴が聞えてきた。悲鳴のした方向へエッダが急いで駆けていくと、ヒューラン族の女性が今まさに魔物に襲われようとしている光景がエッダの視界に飛び込んできたのである。

この一帯はグリダニアの街に通じる街道があることから、常に鬼哭隊が警備をおこなっていた場所だった。それゆえ魔物が付近を徘徊するようなこともなく、街の住人やグリダニアを訪れる商人たちは昼夜の別なく往来することができていたのである。

だが、不運にも有翼の小鬼(インプ)と遭遇したそのヒューラン族の女性は、驚きのあまり道端に尻餅を突くかたちで倒れ込むと、まるで白昼夢でも見ているかのように、目の前に迫るり来る魔物を見上げていたのだった。



エッダがヒューラン族の女性のもとへ駆けつけ、素早く幻具を構えて魔物と対峙すると、その魔物は唸り声をあげてエッダを威嚇してきた。互いに仕掛ける間合いを探りながら、相手の挙動に鋭く反応し合う状況が続く。

緊迫した空気のなか、先手をとったのは意外にもエッダであった。

先のウォーレン牢獄における一戦の経験によるものか、迷うことなく魔物に向けて攻撃を仕掛けていったのだった。相手の虚を突いたエッダの攻撃は、見事に魔物に命中したものの、その一撃は致命的なもの(クリティカル)とはならず、詠唱後の隙を突かれるかたちで魔物から逆撃を受けることになってしまう。

エッダは魔物が放った氷結魔法を咄嗟に構えていた幻具で防ぐと、すかさず攻撃魔法を撃ち込んで魔物から攻撃の機会を奪ったのだった。再びエッダの攻撃が命中すると、その一撃が致命傷となった魔物は、短いくぐもった声をあげながら地面に墜ちていった。



「あの・・・大丈夫ですか!?」

魔物を撃退したエッダが、ヒューラン族の女性に声をかけると、まだ気が動転している様子の女性は頷いてエッダの問いかけに返してきた。幸いにも怪我を負った様子もなく大事はなさそうだ。

「・・・ほんと、とんだ災難ね。でも、あなたのおかげで助かったわ」

そのヒューラン族の女性は、気持ちが落ち着いてくるとエッダに謝意を伝えた。そして、自嘲めいて笑ってみせると、エッダに自身の身の上を話しはじめてきたのだった。

そのヒューラン族の女性は、ウルダハで商会を営む商人であり、名はロウェナということがわかった。ここより北に位置するモードゥナへ商談に向かっている途中で魔物に遭遇し、乗っていたレンタルチョコボは彼女を振り落としてどこかへ逃げて行ってしまったようだ。

ロウェナはチョコボを乗り継ぐため、このままグリダニアに向かうという。同じくグリダニアへ向かっていたエッダは、安全のため道中一緒に行くことをロウェナに勧めたが、先を急ぐロウェナはエーテライトを介した転送網を利用することを主張してエッダの申し出を断ったのだった。←商人がいとも簡単に瞬間移動できる世界はまさしくファンタジーなのである(^ω^)

「あ、いえ、お構いなく。あたしは、歩いて街に戻ります。ロウェナさんはお先にどうぞ」

エッダはロウェナにそう言うと転送網の利用をやんわりと断った。転送網を利用した転移魔法は、エッダも使用することができるのだが、如何せんその利用料が高額なため、一介の駆け出し冒険者には気安く使える移動手段ではなかったのである。

「そう、それなら先に行くわね。でも、ちゃんと転送網の利用料を支払っておいて正解ね。なんでもお金で解決できるって最高じゃない?」

他人を前にして金銭の話題を臆することなく言い放つロウェナに、はじめは面喰らっていたエッダだったが、ロウェナの話を聞くうち、やはり商人は利にかなった話をするものだと感心したのだった。そんなエッダがグリダニアの冒険者ギルドに所属する冒険者だと知ると、ロウエナはウルダハに立ち寄った際には自身の商会を訪ねるようエッダに伝えてきた。

そして、ロウェナはエッダの装備がひどく汚れており、ところどころ痛んでいる箇所があることに気づくと、新しい上位の装備への買い換えを勧めた。このあたりの目利きは商人としてのロウェナの面目躍如たるものだったが、それにも増して、エッダの冒険者生活が過酷なものであったことは、装備に染みついた血と汗の痕跡が雄弁に物語っていた。

エッダに別れを告げたロウェナは、短い詠唱の後にエーテライトの転送網にのると、グリダニアに向けて文字通り飛んでいったのだった。←テレポなどという超絶チート能力をどうやって描写しようかと三日も頭をかかえていた作者なのであった(^ω^)

その光景を見送ったエッダは、陽の傾き始めた黒衣の街道を疲れた身体を引き摺るように歩いていった。


そのころ砂の都ウルダハでは・・・



【外伝(杜都編):第一話】武具職人の弟子 に寄り道する
【第七話】大樹で蠢く闇の鼓動(前編) へ続く

【あとがき】
クリックして表示クリックして隠す
拙い文章で書き上げました「もうひとつのエッダの物語」第六話でしたが、最後までお読み頂きましてありがとうございました。

グリダニアを舞台とした序盤の物語も、いよいよそのクライマックスに近づいてきました。新米冒険者のエッダが、いくつもの出会いと冒険を経て、ついに世界に向けて旅立っていきます。

そして、新たな地において冒険者としての新たな足跡を記していくことになるのです。

続編の執筆に励んでいきたいと思いますので、これからもどうぞよろしくお願いいたします。

さて、話は変わりますが、いま世界はコロナウィルスの話題でもちきりですね。連日のように不穏なニュースが伝わってきていますが、次第に感染者数も減少し始め、発令されてきた非常事態宣言も一部地域では解除されました。このまま何事もなく沈静化の方向に向かっていくと良いですね。

それでも、まだ予断を許さない状態が続きますので、みなさま、どうぞお大事になさってください。
コメント(0)
コメント投稿
フォーラムモグステーション公式ブログ

コミュニティウォール

最新アクティビティ

表示する内容を絞り込むことができます。
※ランキング更新通知は全ワールド共通です。
※PvPチーム結成通知は全言語共通です。
※フリーカンパニー結成通知は全言語共通です。

表示種別
データセンター / ホームワールド
使用言語
表示件数