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Edda Pure-white

Titan (Mana)

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【第七話】大樹で蠢く闇の鼓動(前編)

公開
黒衣森の木々に斜陽の光がさしはじめた傾、エッダはグリダニアの主門にたどりついた。青狢門(せいかくもん)を抜けたエッダは、ウォーレン牢獄での事件をミューヌに伝えるため、まっすぐカーラインカフェに向かっていった。

カーラインカフェの入り口から店の中を窺うと、夕暮れどきに近いこともあり、店内はすでに多くの客足で賑わっていた。←どこの世界にも昼間から酒を飲んでいる輩はいるものである(^ω^)

エッダが人混みのあいだを縫うようにして冒険者ギルドのカウンターへ近づいていくと、そのときミューヌはエレゼン族の女性冒険者とちょうど会話をしている最中だった。エッダに気づいたミューヌが、その場でしばらく待つよう手の平を挙げてみせると、その仕草につられたエレゼン族の女性冒険者も、エッダのことを振り返って見てきたのだった。

その女性冒険者はエレゼン族特有の整った目鼻立ちをしており、白磁のように透き通った白い肌とは対照的に、彼女の唇には深紅のルージュがひかれていた。やや短く整えられた艶やかな黒髪は、その前髪を髪留めで頭頂部にまとめている。背丈はエレゼン族としてはやや低い方に思えたが、それでもエッダが背伸びをして見上げなければ、彼女の表情を確かめることはできなかった。



そのエレゼン族の女性冒険者は、ミューヌとの会話に戻って二つ三つ言葉を交わすと、肩に架けていた革袋の中から一通の書簡を取り出し、ミューヌに手渡した。そして、ミューヌに小さくお辞儀をすると、そのまま冒険者ギルドのカウンターを立ち去っていった。

「やぁ、おかえり。ウォ-レン牢獄の件は聞いたよ。ずいぶん活躍したみたいだね」

ミューヌはエッダに向き直ると労いの言葉をかけてきた。ウォ-レン牢獄における事件の一部始終は、グリダニアの鬼哭隊本部から冒険者ギルドに伝わっており、エッダが事件の顛末をミューヌに伝えるよりも先に彼女の知るところとなっていた。

結果として、エッダがグリダニアに帰還した本来の目的は果たせず終いになったのだが、このことはエッダをとりまく「運命の輪」が、これまでと異なる新たな未来を指し示したことの現れといえる。

これまで宿命づけられてきたエッダの未来は、いくつもの運命と交わりながら、徐々に、そのかたちを変え始めていたのである。←「対オリジナル設定キラー」とか厨二っぽいネーミングを付けて喜んでいる作者なのであった(^ω^)

「鬼哭隊からたいそうな感謝状を受け取ったよ。君のおかげで随分と鬼哭隊は助けられたってね。君を紹介した僕も鼻が高いというものさ」

それまで喜色満面で話していたミューヌだったが、その後一転して神妙な面持ちになると、ウォーレン牢獄における一連の事件に関してエッダにこう告げてきた。

「できることなら、君の活躍をグリダニアの皆にも伝えたいところだけど・・・すまないが、この件については他言無用にしてほしい。クレイゴーレムの出現は良い兆しとは言い難い。道士たちが結論を出すまで、いたづらに皆の不安を煽らないようにしたいんだ」

目の前で申し訳なさそうに自嘲してくるミューヌに、エッダは気にしていないと首を振ってみせた。

「それから、あるひとから、君にぜひ伝えて欲しいと伝言を預かっていてね」

ミューヌはそう言うと小さく微笑みながら、ロウェナという名の商人からエッダへの謝礼があったこと、彼女の運営する「ロウェナ商会」にぜひエッダを紹介して欲しいとの申し出があったことを伝えたのだった。



「それにしても・・・もうすぐ祭りだっていうのに物騒な話ばかりが聞こえてくるのは、どうしたことだろう。せめて不審者だけでも捕まってくれれば、少しは安心できるんだがね・・・」

ミューヌは半ば溜息交じりにぼやいてみせたが、エッダが疲れきった様子でいるのに気づくと、今日はもうゆっくり休むようエッダに促した。エッダが部屋に向かったのを見届けたミューヌは、さきほどエレゼン族の女性冒険者から受け取った書簡に目を通し始めた。

その書簡はベントブランチ牧場のルクロからのものだった。ルクロはこれまでも黒衣森で見聞きした情報を冒険者ギルドに寄せてくれていた。今回の書簡にも、ベントブランチ牧場の北に位置するエバーシェイド上空に、イクサル族の気球部隊が飛来しているのを彼が何度か目撃したことが書かれていた。

黒衣森に回帰する機会を窺うイクサル族が、黒衣森に侵入してくることは、これまでもたびたび起きていたことだった。もっとも、そのたびに森の精霊たちにより撃退されてきたことから、イクサル族の気球部隊がエバーシェイド上空に飛来したこと自体は、それほど大きな問題ではないといえる。

つづきを読み進めていたミューヌは、精霊の異変を指摘するルクロの指摘に触れたところで、彼女の目は釘付けとなる。不審者の騒動による影響のためか、精霊たちの力が不安定になっており、ここ最近の精霊たちからは、これまでのような侵入者を撃退しようとする気配が感じられなくなったという。

ルクロが報せてきた精霊の異変と、度重なるイクサル族の侵入は、一見すると何の関連もない別の出来事に思えたが、ミューヌはどうしても拭い去ることのできない不吉な予兆を感じていた。

しばらくのあいだ、ミューヌはひとり思案していたが、卓上のペンを手にとると、思い立ったように書面をしたため始めたのだった。


翌朝、エッダは宿屋のベッドの上で目を覚ました。部屋に備え付けられていたベッドは、決して上等な寝台ではなかったが、野宿で過ごしてきたこれまでに比べれば十分快適な寝床だった。横たわったまま大きく伸びをしたエッダは、再び毛織りの上掛けに潜り込むと、そのまま朝の惰眠を貪りはじめたのだった。

しかし、そのささやかな幸せは、そう長くは続かなかった。

エッダがウトウトと浅い眠りに落ちていると、厨房でパンを焼く香りが部屋の中に漂ってきた。目覚めたときより空腹を感じていたエッダは、微睡(まどろみ)の底に沈んでいた意識をようやく引き上げると、このままベッドの上でうたた寝に興じるか、それとも朝食にありついて空腹を満たすか、相反する選択に悩み始めたのだった。←もう少しまともなことで悩んで欲しいものである(^ω^)

エッダはしばらくベッドの上でもぞもぞとしていたが、結局は厨房から漂う芳香に堪らず上掛けから抜け出ると、身支度もそこそこにカーラインカフェへと足早に向かっていったのだった。



簡素な朝食を終えてマルドティーを飲んでいると、エッダのもとに冒険者ギルドからの使いと名乗る者が現れ、ミューヌからの急ぎの用件があるとのことで、急ぎ冒険者ギルドまで来てもらいたいとエッダに伝えてきた。エッダは請われるままに、すぐさまミューヌのいるカウンターに向っていくと、ミューヌはいつになく神妙な面持ちでエッダに話しかけてきた。

「エッダ、君の腕を見込んで頼みたいことがある・・・。いや、もう余所余所しいのは止めよう。君はもう僕らの仲間だ。少し厄介な話になるかもしれないから、心して聞いて欲しい」

ミューヌがエッダに打ち明けた話の内容はこうだった。昨日エッダも会ったであろうエレゼン族の女性冒険者はリアヴィヌという名であり、エッダがバノック練兵所の任務に就いていたあいだ、彼女にはベントブランチ牧場からの依頼を任せていたという。昨日、彼女が届けてくれたベントブランチ牧場からの書簡によって、イクサル族が「長老の木」を襲う可能性があることがわかったという。

そこでひと呼吸おいたミューヌは、引き続きエッダに話しはじめた。ベントブランチ牧場の北方にエバーシェイドという湧水池があり、そこに「長老の木」と呼ばれる黒衣森で最長寿の古木がある。その場所はグリダニアにおける聖地のひとつであり、仮に「長老の木」がイクサル族に襲われようものなら、黒衣森の精霊たちは激しく怒り、それを宥(なだ)めることはもはや不可能になるだろうと。

「そうなったら、一体どれほどの犠牲が・・・」

ミューヌはそう言うと表情を暗くしたが、カウンターの引き出しから一通の書簡を取り出すと、それをエッダに手渡してこう依頼した。

「この手紙を神勇隊司令室のリユウィン隊長に渡して、ルクロからの情報を伝えてくれないか。そして、ぜひとも君の力を貸して欲しい。グリダニアの未来にかかわることなんだ。・・・よろしく頼んだよ」

その日、神勇隊司令室に冒険者ギルドからの急報がもたらされたのは、それから間もなくのことだった。


そのころ砂の都ウルダハでは・・・



【外伝(杜都編):第一話】武具職人の弟子 に寄り道する
【第八話】大樹で蠢く闇の鼓動(後編) へ続く

【あとがき】
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拙い文章で書き上げました「もうひとつのエッダの物語」第七話でしたが、最後までお読み頂きましてありがとうございました。

今回のお話の中でエッダは、後にパーティーを組むことになる弓術士リアヴィヌと出会いましたが、ストーリーの上では、ふたりはまだお互いの存在を明確には知りません。

オリジナルの公式ストーリーでは、二人がどこで、どのような経緯で仲間となったのかは語られていませんでしたので、外伝において二人の出会いと仲間になる経緯を語っていきたいと考えています。当初、外伝は各都市それぞれ二話くらいのボリュームで収まるかな、と思っていたのですが、実際に書き始めていくと、いろいろと書いておきたい物語が増えてしまい、現状では想定の倍の四話構成となりそうな勢いですw

それはさておき、本伝ではイクサル族による「長老の木」への襲撃計画を事前に察知したエッダたちが、神勇隊と協力してこれを迎え撃とうと動きはじめました。ネタバレになりますが、これまでグリダニアに不安と脅威を与えてきた不審者とも、次回いよいよ対決の時を迎えることになります。

そして、その結末やいかに? というテンプレな流れになるのですが、さてさてどのようなドラマとなりますでしょうか? 次話以降のストーリー展開にご期待ください。

ところで、これまでも作中にで触れてきた「運命の輪」についてですが、元ネタはスクェア・エニクスから発売されているゲームタイトル『タクティクスオウガ 運命の輪』から拝借しています。

これまで「本伝」では、どうしてもオリジナル設定に制限を受けてしまい、なかなか「もうひとつの物語」としてのストーリーを描く余地がありませんでしたが、この「運命の輪」という概念を作中に導入したことで、オリジナルのストーリー設定の呪縛から逃れることができストーリーの自由度が増しました。

そして、エッダを取り巻く「運命の輪」が、その大きなうねりの中でエッダに指し示す新たな未来は、果たしてどのような展開となるかは、次話以降の本伝・外伝にて直接お確かめくださいw


<Tips>
長老の木
黒衣森で最も齢を重ねているという大樹で、グリダニアの道士たちが語るところによれば「森の大精霊」が棲まうという。樹齢は千年を超えているとも言われており、その果実は「千年果実」と呼ばれ珍重されている。

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