四季 ~流れるときの中で~
スカサハ・ランサー
序
僕は暴力的に吹雪く外に駆け出し、膝をついて声にもならない嗚咽を漏らし、取り返しのつかない現実に完全に屈した。頬には、まるで自分に対する罰のように凍てつく風が容赦なく叩きつけてくる。
「私のことを忘れないで」
聞こえるはずのない声、これからも聴き続けたいあの声と笑顔、涙なのか、雪なのか、僕の頬は汚れ、救いを求めるように手を伸ばす。その指先に、彼女の面影を求めたけど、僕は何もつかむことができなかった。僕はこの激しい風の中に身も心も一緒に埋もれてしまっていた。僕は声にもならない声で
「神様、お願いです・・・もう一度・・・」
僕の体は風となり荒れ狂う吹雪とともに大地を駆けていた。
春 1章~門出~
長い冬が終わり、徐々に大地は名残雪の合間から新たな命を芽吹いていた。空気はどことなく穏やかで優しく部屋に射す陽光は新たな門出を祝福しているようだった。
僕は新しい制服に袖を通すと新たな学生生活に夢が膨らむ思いだった。新しい制服に靴、鞄、自転車全てがキラキラと輝いていつもと何か違うような気になった。今まで、やりたくもない高校受験の辛苦を乗り越え、地元でそれなりの進学校に合格して、その登校初日が今なのだ。身支度を整え行ってきますと威勢よく自転車にまたがって家を出た。外の世界は、どことなく澄んでいて、所々に大地のにおいがする。僕の住んでいるところは東北の片田舎でマックやスターバックスなんてないけど最低限のスーパーとコンビニがある田舎としては平均的な街ではないかと思う。自転車をこいでいると、時々農機具を乗せた軽トラと行違った。今まで雪で全てが閉ざされた世界がまた動き始めるのを感じる。
そうー 始まるのだ ー
僕は新たに入る学校は、昔の戦国時代にちょっとした砦の跡地に立った立地らしく、昔の攻めてくる侍を撃退しやすいように急な坂がある。昔は侍、今では僕みたいな高校生を苦してめている。自転車を立ちながらこいで、ひぃひぃ言いながら登りながら、あとこれを三年も繰り返すのかと思うと最初からちょっと絶望的な気持ちになる。僕はえいやぁと登り終えて、駐輪場自転車を停めると、自分の教室へと向かった。廊下を歩いていると、聞きなれた声が背中から聞こえてきた。
「おう、サカモト、おはよう。」
と、同時に背中をバンバン叩かれた。このタイタンのような、屈強な体躯をした、筋肉漢ことタカハシは中学からなぜかクラス替えもあるはずなのに毎年同じクラスで、脳筋なのに、どうやってか、同じ高校となったのだ。
「タカハシ、おはよう。あとちょっと叩いていいけどちょっと加減してくれないか、痛いから。」
タカハシは悪びれた様子もなく
「何を言ってる俺たちズッ友だろ。」
と、ガハハハッと笑いだした。僕は呆れて何も言えない。そんな僕に気にも留めずタカハシは、急に真剣な表情になって、
「サカモト、一つ大きな忠告をズッ友として与える。聞く心の準備はいいか?」
僕は、今まで見たこともない、タカハシの真剣な表情に、気を引き締めて
「お、おう、どうした。」
タカハシは、廊下を歩く女生徒を指して
「あそこに歩くのはなんだ?」
僕は鳩が豆鉄砲を食ったように訳が分からず
「新しい同級生だが?」
と言ったら、タカハシは、頭を抱えて
「Nooooo!!!」
と叫んだ。タカハシは、グイグイと廊下の隅に僕を引きづって小声で
「何を言ってるんだ、サカモト、あれはJKだ。JK。大人がJKに手を出すと青少年なんたら法に触れて犯罪者になるが、俺たちは高校生だ大人ではない。これが何か分かるか?」
と頭の悪い生徒を教えるように、噛んで含める様に語りだした。
「俺たちが手を出してもセーフなんだ。待ってろ。俺のハーレム!」
ああ、こいつは危ないこんな奴が社会に出たら、性犯罪者として逮捕されるのではないだろうか?友達としてタカハシの未来が危ぶまれるのは考えすぎではないだろう。それを知ってか知らずかタカハシは
「そいえば、俺たち同じクラスだったな、とりあず一年よろしくな、まぁ、この腐れ縁だと三年同じだろがな。」
とがっはははと笑いながらグイグイ僕を引きづりながら、教室に入った。
僕は思わずにはいられなかった・・・そう嵐の予感を
この作品は僕のオリジナルで、意見などをいただけると嬉しいですw執筆掲載は不定期で時間があったら書きます。僕のサブ垢諸葛玄のFS読書クラブ in Gaiaも活動してますのでご興味ありましたら、ロドストの日記にレポートありますので、ぜひ入会ご覧ください。ありがとうございましたw
ちはやさんコメントありがとうございます♫これからの展望は、まだフワッとして描いてませんが、コメントを糧にして時間が許せる時コツコツ書かせて頂きます、本当にありがとうございます♪