一人、また一人と消えていく…
視界からその姿が消える者
パーティーリストのゲージが黒く消える者
そこは人体消失事件が多発していた。
(ぬぬぬ…ヒラで来れば良かったか…)
赤っぴの背中には
アラレイドパーティーメンからの
陰口を織り混ぜた冷たい視線が
細剣でつつくようにチクチクと
注がれていた。
(ここではレベル的にヴァルレイズは
使えないんだよ…)
1ボスからのカオスな状況に
少しの後悔と
少しの楽しさを感じるなか、
ぐだぐたアライアンスパーティーは
何とかラスボスの間へとたどり着いていた。
ディアボロスの範囲受けを
その足元に誘導した者を追いかけて
大玉の対象マーカーを頭上に付けた者が
その範囲受けに飛び込んでいく!
そしてそれを追従する大玉が
範囲受けの場所に吸い込まれるように
転がっていった…
【ダイナミックボーリング!!】
ストライクとまではいかないが
多くの者が転がっていた!!
その一部始終を少し離れた場所から
眺めていた赤っぴには
半壊したアラレイドを立て直す術は無かった。
気休めのケアルを
ヒーラーが立ち上がるまでの間
パーティーメンに飛ばしながら
ひとりごちるのであった。
あー…やっぱりヒラで来れば良かった…
ここは「ハゲの国 ダンスカー」。
モグモグコレクションで一番多くの
トークンが貰える場所。
そして、ヒーラーが禿げる場所。
私の髪の在庫はまだありまぁ~す。
(ケアル)