リセは、メッフリッドの死を胸に深い痛みを抱えていた。
彼の命を奪ったのは、同じアラミゴ人の手だった。
そんな現実に対し、無力さと悔しさが心を締めつける。
しかし、彼女はその感情に流されることなく、静かに決意を新たにしていた。
「泣いてばかりじゃ、いけないよね。」
その言葉は、リセ自身への厳しい戒めだった。仲間を失い、戦いの中で感じた無力感に苛まれながらも、彼女は何とか前に進もうとしていた。
メッフリッドが望んだアラミゴの解放、そして彼を失った仲間たちのために、彼女ができることはただ一つ。
それは、悲しみに溺れることなく、戦い続けることだった。
「もう二度と、仲間をこんな目にあわせないために……。」
リセの瞳に宿ったのは、もはや涙ではなく、冷徹な覚悟だった。
自分が力不足であることを痛感しながらも、今はその痛みを力に変えていく時だと、心の中で誓っていた。
前を向き、歩み続けることで、仲間たちの犠牲が無駄にならないようにする。
それがリセの使命であり、成長の証だった。
「行こう。ラウバーン局長たちが待っている。」
その一言に込められた決意は、悲しみを乗り越えた先にある希望を示していた。
リセはもう、ただの戦士ではなかった。
仲間を守るために、これからも何度でも立ち上がる覚悟を決めた、真の戦士へと成長しつつあった。