セヴェリアン大先生ってば、いったい何がどうあってこんな難儀な接着剤を開発してしまったのでしょうか。高品質な素材も入手できず、高精度な道具を使ってもなかなか満足のいく品質で仕上がりません。その割には甲冑でも裁縫でも革細工でもみんなこぞってこの接着剤を新製品に導入してくれるもんだから大変です。仕方のないひとですね。
いやゲームとしては面白いので良いと思いますが。
で、表題の件ですが。本ゲームの製作には「状態」が存在し、「通常」「高品質」「最高品質」「低品質」の 4 通りがターン毎に変化します。この変化には一定のルールがあり、「高品質」の次のターンは必ず「通常」というように、下記の通り決まった状態遷移を行います。
・高品質 → 通常
・最高品質 → 低品質
・低品質 → 通常
唯一、現在の状態が「通常」のときのみ次の状態はランダムに決定され、「通常」「高品質」「最高品質」のいずれかとなります。果て、ではそれぞれどの程度の確率で出現するのでしょうか。私の知る限り、この確率は公式には明記されていません。もっとも、状態にかかわらず高品質品が確定で制作可能だった★★レシピまでは、この確率がどうあったところで関係なかったわけですから、気にする必要も薄かったのは確かです。しかし高難易度★★★レシピが登場した今、この確率を知ることにはそれなりの意義があります。
だったら自分で調べてみるしかないじゃないですか。確率が知りたい? じゃあ 1000 本ノックから!
■先に結論
調査の結果、おおむね下記の通りとなりました。
・通常 → 通常 :約 73%
・通常 → 高品質 :約 25%
・通常 → 最高品質:約 2%
ただし、下記の点に注意してください。
・当然ですが、ただの計測結果です。正確な値ではありません。
・状態遷移の確率です。全体のうち各状態が占める割合ではありません。
■調査方法
調査の方法は簡単です。制作をはじめ、現在の状態が「通常」のとき、ターンを進めて次の状態が何になったかを記録していくだけです。特記すべき事項は下記のようなものでしょうか。
・制作クラスについては考慮していません。クラスによってこの確率は変化しないものと仮定しています。
・製作レシピについても考慮していません。レシピによってこの確率は変化しないものと仮定しています。
・ターンを進めるにあたって利用したスキルについては考慮していません。スキルによってこの確率は変化しないものと仮定しています。
・計測した製作クラスのレベルは全て 50 です。
・「通常」以外の状態からの遷移については明らかであるため、カウントしていません。
・制作完了直前の作業についてはカウントしていません。
※「高品質」の状態で作業を行って完成した場合、制作ウィンドウの状態は「高品質」のまま閉じるため、次のターンの状態は確認できていないと考えられるためです。
■結果
下記の通りとなりました。
・通常 → 通常 :1471 (72.8%) [70.1% ~ 75.4%]
・通常 → 高品質 : 512 (25.3%) [22.8% ~ 28.0%]
・通常 → 最高品質: 37 ( 1.8%) [ 1.1% ~ 2.8%]
・合計回数 :2020
後ろに併記した範囲は 99% 信頼区間です。1000 本ノックどころか 2000 本を超えるところまで頑張ったのですが、さすがに 1% 単位で結論を出そうとすると全然試行回数が足りていないようです。99% 信頼区間で上下 1% に収めようとすると 10 万回とかの試行が必要っぽいので、ちょっとひとりでデータ取りするのは難しそうですね…。100 人集めて 1000 回ずつ計測、とかが現実的でしょうか。
精度についてはともあれ、ひとまずはここまで。精度向上のためデータの提供は歓迎します。
■参考文献
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http://ynomura.dip.jp/archives/2010/01/18.html信頼区間の算出はこのサイトで紹介されている Exact CI を利用しました。よくある信頼区間の表記は ±a% となっているのですが、生真面目に計算すると左右対称ではないはずなのになんでだろう? とずっと思っていたのですが、このサイトで謎が解けました。もっとも、2% の事象でも 2000 回も試行すれば正規分布近似しても悪くない精度の結果が出るようなので、あまり気にしても仕方ないのかもしれません。が、まあ、せっかくなので。