トピックス

PvPコンテンツのバランス調整について

ファイナルファンタジーXIVプロデューサー兼ディレクターの吉田です。

パッチ6.11aにて行われたPvPコンテンツにおけるジョブバランスの調整について、特に黒魔道士の調整が大幅であることから、再調整を望まれる声を多数いただいております。まずは行き過ぎた強化となり、誠に申し訳ございません。こちらは6月7日(火)に予定しているパッチ6.15にて再調整させていただきます。

また、同時に「どのような方針でバランスを調整しているのか」、「どのような周期で調整が行われているのか」「フロントラインの調整はいつ行われるか」などのお声も頂戴しているため、こちらについても下記に記載させていただきます。

クリスタルコンフリクトにおけるジョブバランスの調整方針と周期

パッチ6.1で実装となった少人数新PvPであるクリスタルコンフリクトは、これまでPvPコンテンツから距離を取っていたプレイヤーの方にも非常に多く参加していただいております。これを機にPvPコンテンツをより強く定着させるため、バランスの調整はクリスタルコンフリクトに寄せておこなっております(フロントラインについては後述します)。

① 各ジョブの勝率(同ジョブ対戦の結果を含まない)

バランス調整の指標として、すべてのジョブの勝率を常に計測しています。この勝率は対戦時に相手チームに同ジョブがマッチングした際の勝敗を含みません。「相手チームに同じジョブが存在しなかった場合の勝率が50%になるよう」に、というのがジョブ調整を行うかどうかの基本指標になっています。

またこれは、「カジュアルマッチ」「アンランク~ダイヤモンド」「クリスタル以上」など、ある程度プレイヤーの皆さんのプレイ傾向を分けて確認をしております。

この指標を元に、勝率50%を大きく上回るジョブについては、プレイヤーの皆さんからのフィードバックを拝見しつつ、何がその勝率の要因になっているのかを議論し、強すぎるアクションや複合要因があれば、「各ジョブの持ち味を消さないよう」にそれらを調整させていただきます。

また逆に勝率50%を大きく下回っている場合も同様に、弱点と思われる部分を単純強化するよりも、より特徴を伸ばすことで勝率が改善されるように調整を行おうと考えて実行しています。

PvPコンテンツでは、最終的にプレイヤー自身が使用しているジョブの理解度だけでなく、他のジョブのアクション理解や対戦中の立ち回り、自衛手段の活用などの、プレイヤースキルに依存する要素と、相手チームとの構成相性というマッチングに依存する要素が絡み合い 、勝敗が決していくのが理想と考えています。そのため、勝率50%をバランスの着地先として目安とし、毎回ギリギリの勝負になっていくように、今後も調整していきたいと思います。

② 各ジョブの使用率

もうひとつジョブ調整を行う際の指標として、各ジョブの使用率を計測しています。こちらも同ジョブ対戦を含まない勝率と同じように、カジュアルマッチやランク帯に分けて調査を行います。こちらは勝率とは異なり、全ジョブの使用率を均等にしたい、という意図はありません。各ジョブの特徴により「好まれやすい」「好まれにくい」がある程度波があっても良いと考えているためです。ただし、数値計測の結果、極端な人気の偏りがある場合には、「扱いづらい」 「強すぎる」などの要因が存在している可能性が高く、それらの要因を探るためにも確認を行っています。

人気の偏りが極端なジョブは、皆さんからのフィードバックを拝見しつつ、自分たちでも対戦を繰り返し行い、それがジョブメカニクスそのものにあるのか、特定アクションが強く容易すぎるのかなど要因を検討します。こちらも上記と同じで、そのジョブの長所や特性を消すのではなく、弱点となるようなカウンター要素を作る、大きな弱点があるのであればその点を補強するなどを念頭に置いて調整内容を検討します。

③ バランス調整のサイクル

パッチ6.1で公開となったクリスタルコンフリクトは、幸いにも非常に多くの方にプレイしていただいており、その分だけバランス調整のサイクルをできるだけ早くできるように、と考えていました。

一方、FFXIVは多数のコンテンツを並行開発しており、パッチのスケジュールについても、非常に厳密で細かく事前に決められています。今回パッチ6.11aのリリースは5月24日(火)となりましたが、実装/調整の締め切りは5月7日(土)に行われています。実際には前日の5月6日(金)が締め切りだったものの「ギリギリまで粘りたい」という開発リクエストがあり、翌5月7日(土)に最終締め切りとなっています。

そのため、今回のPvPジョブ調整の内容は、5月6日(金)までの皆さんからのフィードバック、各種データを元に行われており、その後に顕在化した必要と思われる調整は、次のパッチに回されることになります。

「できるだけ細かく、最新のフィードバックをパッチに反映したい」という想いは強いのですが、開発の実装/調整締めを行ってからリリースまでは、2週間ほどのお時間をいただくことになります(最終デバッグを開始し、翻訳チェック、パッチ配信事前チェック、パッチノート作成、ジョブガイド更新などを行うためです)。

今回多くの調整が入ったこと、また、調整のサイクルが短かったことから、「もう少し現実装の状態でのバランスをじっくり試したい」というプレイヤーフィードバックもいただいております。無理にパッチ6.11aを実施するのではなく、実装が間に合わず先送りとなった、プログラム修正が必要な調整項目と合わせ、パッチ6.15での調整にまとめるべきだったと反省しております。そうなれば強すぎる調整になっていなかったかどうか、検証やテスト期間をより長く取れたと思います。(パッチ6.15ではパッチ6.11aに間に合わなかったプログラム修正が必要な一部の調整と、後述する黒魔道士の下方修正調整のみを予定しています)この点は、次の調整サイクルに生かし、できる限り安定性の高い調整を心掛けていこうと思います。

④ 黒魔道士の調整ミスについて

各ジョブの調整は①②でお伝えした観点で行っていますが、今回多くのお声を頂戴している黒魔道士は、5月6日(金)時点において全ランク帯で最低勝率、低使用率を記録しており(最高勝率ジョブよりも勝率-14%)、強化が必要だと判断されました。前述の③でお知らせしましたとおり、今回のパッチ6.11aの調整は締め切られていたものの、黒魔道士は非常に扱いが難しいジョブに仕上がっているため、5月7日(土)以降、吉田自身でかなりの回数皆さんとの対戦を行わせていただきました。

黒魔道士は詠唱が必要なアクションが主であり、範囲攻撃や相手への足止めや継続ダメージ などが特徴となっています。一方で強化前の黒魔道士は自衛手段が少なく、リミットブレイクを継続できれば総合火力は高いものの、ダメージに瞬発力がなく、かといって近接ジョブなどに張り付かれると最大HPが低いこともあって、リミットブレイクを完遂する前に倒されるケースが多い状況でした。とはいえ、吉田が使い込んでみた感想としては、PvPに長けたプレイヤーであれば、十分に活躍できるポテンシャルはあると感じたのも事実です。

黒魔道士に多少の強化は必要と感じたものの、5月7日(土)ですでに実装してしまった多数の強化項目は行き過ぎたものでした。特にヘヴィ効果の追加や、パラドックスのチャージアクション化による足止めの高回転さは、詠唱時間を短縮したこともあり、相乗効果で近接ジョブにストレスが強すぎる状況となり、この点は元の状態に戻すつもりです。また、リミットブレイクであるソウルレゾナンス 中の防御面の値も大きすぎたため、数値を下げるつもりです。

上記は黒魔道士の調整例であり、黒魔道士だけが特別、というわけではありません。他のジョブも同様に調整検討を行っていますが、今回は特筆して黒魔道士の数値が悪かったため、大きなご迷惑をおかけしてしまうこととなりました。本当に申し訳ございません。

フロントラインにおけるジョブバランスの調整方針

前述させていただいた通り、現在は新PvPコンテンツであるクリスタルコンフリクトでのジョブバランス調整にコストを優先してしまっている影響で、フロントラインでのジョブ使用率が特定のジョブに大きく偏ってしまっており、大きな問題となっており、ご迷惑をおかけしております。

この状況は認識しており、少々お時間をいただく結果となってしまいましたが、パッチ6.18から継続して調整を行ってまいります。主な調整方針としては以下を想定しています。

① フロントラインでの各ジョブの与ダメージ補正/被ダメージ補正を再調整

クリスタルコンフリクトとフロントラインでは、参加人数と対戦時間が大きく異なるため、あらためてフロントラインに合わせた数値になるよう、各ジョブのフロントライン用係数を再設定することで、与ダメージ/被ダメージの数値を抑え、戦況が安定するように全体調整を行わせていただきます。

② リミットブレイク使用可能頻度を調整

参加人数と対戦人数に合わせ、リミットブレイクの使用サイクルをフロントライン用の係数を設定し、頻度を抑えて安定化を図ります。

上記の調整はパッチ6.18に間に合うよう、現在も作業中となりますが、フロントライン専用のバランス調整用機能の実装等、さらに細かい調整は、パッチ6.2とそれ以降のパッチでも継続して行っていく予定です。

フロントラインの特徴は大人数参加、コンテンツ内でのジョブ変更可、パーティ内のジョブ被り可という気楽さ/カジュアルさにもあると考えており、これらを制限することは極力避けた調整を行っていくつもりです。クリスタルコンフリクトに合わせたジョブ調整となり、フロントライン側への調整に手が回っておらず、ご迷惑をおかけしており申し訳ございません。お時間をいただいている状況ではありますが、フロントラインでのプレイによるチェック、調整内容検討、そして調整の実装と進めて参ります。今しばらくお時間をいただけますと幸いです。


PvPにおけるジョブ調整にて、大きな調整ミスがあり、ご迷惑をおかけしております。一方でこれまで以上にPvPコンテンツが注目されている証でもあり、他のストーリーやPvEコンテンツ同様に、引き続き皆さんに楽しんでいただけるPvPコンテンツとなるよう、努力を続けてまいります。


ファイナルファンタジーXIV プロデューサー兼ディレクター

吉田 直樹

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