モーグリ族に伝わる神話によれば、神々の時代、彼らは天界に住んでいたという。
しかし、一杯のブドウ酒に端を発した「神さまの乱痴気騒ぎ」と呼ばれる天界を揺るがす大戦争が勃発。神々の争いで被害を受けたモーグリ族の王、モグル・モグXII世は「つきあってられないクポ」と語り、一族を率いて下界へ移住することを決意した。
だが、天界は空高くにあったため、モーグリ族の翼だけでは安全に降りることはできない。そこでモグル・モグXII世は長い糸を垂らし、その端を掴んで支えると、一族の者を順番に下界へと降ろしていった。かくしてモーグリ族は安全な地上に逃れることができた。ただ、王自身を除いて……。
以来、モーグリ族は王を戴くことはなかった。そして彼らは信じている、モーグリ族がピンチに陥った時、必ずや善王が一族を救うために降臨すると!