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妖精さんのお話「コティングリー妖精事件」

公開


エオルゼアではない近くて遠い世界。

リアルとも呼ばれるところ。

そこには人の世界があります。

人の内である人間と、人の外にある人外と。

注)人外=人ではないもの=ヒトデナシ

時に、もののけ、妖、霊、妖精、神などと呼ばれることもあります。


その人外の中で伝わってきた事件のお話をひとつ。





「コティングリー妖精事件」


1917年。


イギリスで撮られた数枚の写真が世間を騒がせました。

イギリス・コティングリー村に住む、フランシス(11)とエルシー(16)の従姉妹。

二人は森や川で遊ぶのが大好きな少女だったそうです。

親は森に入って遊ぶことをあまり快くは思っていなかったらしく、森には入らないように注意をしました。

森の危険を思ってのことであったのだとは思いますが、そんな親に二人は言います。

「大丈夫、私たちは森の中で妖精さんと遊んでいるのよ」

そんな言い訳をする彼女らを当然、まわりの大人は信じるはずもなく。


少女たちは証拠として妖精の写真を撮ろうとします。

ただ、悲しきかな。

妖精さんというのはそういったモノには写りづらく。

何度試しても妖精さんは写真に撮れなかったそうです。


そこで少女たちは、悪戯としては後にあまりにも大騒動となってしまう行為を行います。

絵本「プリンセス・メアリーのギフトブック」に載っていた絵を模写し、妖精にみえるように枝や葉などに固定して、写真を撮ったのだそうです。


こちらがその写真です。




妖精にしてはずいぶんとつくりもの感があります。

ただ、当時は本物か偽物か、まわりの大人は判断できなかったようです。

少女が作ったにしては出来が良いことも理由に在るとは思いますが、この騒動のもう一つの原因である有名人の影響があったのやもしれません。


その有名人とは小説家「コナン・ドイル」

推理小説「シャーロック・ホームズ」の作者です。

小説家としても有名な彼ですが、心霊学研究家でもあった彼の元に、その写真が持ち込まれました。

当時、"そういったもの"に深い関心を持っていた彼は、それを本物と断定し、雑誌に掲載してしまいます。

(彼が関わるとあれやこれや騒動になってしまったようです(- -))

写真は有名な小説家のお墨付きとともに、世間に公表されました。

結果、コティングリーには記者やら野次馬やらが押し掛けたのだそうです。


本物か?嘘か?の大論争と共に騒ぎが続いていく中、コナン・ドイルの死去と共に騒動もおさまっていきました。


1965年。最初の写真から50年近くたったあと。

雑誌の取材に応じた少女の一人であったエルシーは、あの写真が偽造であったことを告白しました。

告白が今になったのは、自分たちのした悪戯が大騒動になり、真実を告白できなくなってしまったとのことでした。

ただし。

・妖精がいたことは事実。

・5枚ある妖精写真のうち「日光浴する繭」と呼ばれる1枚だけは本物である。

そう証言したそうです。


本物だと言われる「日光浴する繭」の写真。



こちらは今でも本物か偽物か判断つかぬ未解決なままなのだそうです。


1917年。

最初に写された写真から。

1965年。

取材記者に告白するまで。


50年近くも、二人の心から出すことが叶わなかった事実。

写真が嘘とわかることで、責められることより。

写真を本物と信じて、目を輝かせる人々を悲しませたくなかった。

そんなことも話したそうです。




さて。

少女たちの前に姿を現した妖精さんら。

人の内外にある同士のほんの交流のつもりだったのやもしれません。


妖精さんを証明したいと偽造した少女。

自分たちの主張とほんの悪戯心ゆえのことだったのやもしれません。


少女の写真に振り回された多くの人々。

一方は写真に自らの夢をのせ、一方は写真を疑い理を守ろうとした。


少女たちのささやかな悪戯は。

まわりの人々の思惑を抱込み。

大きな騒動へと発展しました。



はじまりは小さなことであれ。

そこに集い関わる人々により。

時に大きな騒動となっていく。

そこに集い関わる人々の想い。

それぞれは真摯であればこそ。


誰の誤りでもなく。

誰の傲慢でもなく。

誰の意図でもなく。


騒動は大きな魔物となって、個々の人々の本来の意思を飲み込んでしまう。

そんなこと、あるのやもしれません。



コティングリーの事件は世界的な騒動になりました。

事の大小はあれ。

似たような話、沢山あるのやもしれません。





お子様の小さな悪戯。

それがなぜ行われたのか。


恋人のささいな行動。

それがなぜ行われたのか。


親の受入れ難き説教。

それがなぜ行われるのか。


友人のおかしな言動。

それがなぜ行われるのか。


自らの言動ですらも。

それが何を初心としたのか。



本来の意思に目を向けること。

必要やもしれません。

それが小さな悪戯を大きな魔物へとさせぬ、知恵やもしれません。





コティングリーの妖精事件。

妖精がいるかいないかではなく。

写真の中に写る少女たちの心を見いだせなかったこと。

それが事件の本筋であったのやもしれません。








余談です。

コティングリー事件は、当時、人外でも話題になったそうです。

これ以後、かの地の妖精さんたちは、よほどのコトがない限り、人前にはっきりとした姿を見せることは禁じられたのだとか。

姿を見せた妖精さんに、少女たちへの好意はあり、他意はなくとも。

二人の少女が老女となるまで秘密を持ち続けなければならなかった悲劇が二度と起こらないように。

寂しき思いはあれど、守らなければならぬのやもしれません。



<他の日記はこちらから>
日記目次①
日記目次②

コメント(2)

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対象のキャラクターは削除されました。

コティングリー妖精事件
そんな事件があったなんて...

初めて知りました(*´ω`)

人間の本質は100年経っても
変わっていない事が面白いや( ˘ω˘ )

物事の本質を見ようとしている人間は
多角的に考えようとしている人間は、案外少ないのかも

Bb Gama

Ramuh [Meteor]

ハリソンさん

仰れるとおりかと。

人間は立場を持つ生き物。

その立場は時として、人から多角的であることを奪ってしまう。

その立場に視点を留めなくてもよいこと、忘れさせてしまうのやもしれません。

ただ。

ほんの少しであっても、改善されていること、あるかもしれません。

その小さな成長と改善を続けていくしかないのかもしれません。
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