前作「Color」の続編となります。
まだ、読まれてない方はこちらを先にご覧ください。
創作物語「Color」
https://jp.finalfantasyxiv.com/lodestone/character/8446727/blog/4010854/~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
「ねぇ、クロちゃん!!!!ここ、すっごい高いね・・!!!」
そう、海を目指して「空飛ぶ船」の荷台にこっそり忍び込んだ私たちは、なぜか、空に浮かぶ島へとたどり着いていた。
次は海の見えるところに来ると思っていたからがっかりしたけど、今まで旅したどの国よりも珍しい風景が沢山あって、シロちゃんと島を駆け回った。
あっという間に日が暮れて、2匹で身を寄せ合って眠りにつく。
明日は、もう1度空飛ぶ船に乗らなくちゃ・・・。
今度は行き先もこっそり聞き耳をたてるんだ。
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朝方の空気が冷たくて、ふっと目を覚ますと。
「クロちゃん、見てっ!!太陽がのぼるよ!!」
先に目を覚ましていたらしいシロちゃんが、嬉しそうに声を上げた。
寝ぼけた目をシパシパさせながら、シロちゃんが指さした空を見ると。
雲と空の端がゆっくりとその色を変えていく。
星を散りばめた紺色から紫、鮮やかなオレンジへ・・・。
そして一瞬、まぶしくて目を閉じた後に見えたのは、目がくらむほどの金色の光。
思わず目を見張ると、顔を出したばかりの太陽が、薄青・オレンジ・紺色のグラデーションに空を照らしていた。
「シロちゃん、・・・世界には、こんなにキレイな色があるんだね・・・。」
隣で嬉しそうに笑うシロちゃん。
「クロちゃんの色も、本のインクも、空に浮かぶ雲が作る影もとってもキレイ。
全部私が大好きな黒色!!
それに、気づいてない?クロちゃんの目、夏の晴れた日の夕暮れの色だよ。」
短いイシュガルドの夏。
その季節でもめったに目にする事はないけれど、美しく染まる奇跡みたいな夕暮れの空の色。
そう言ってくれたシロちゃんの目は、晴れた日の、雲一つない高い空みたいにキラキラした青色だった。
シロちゃんが好きだと言ってくれる、この色はきっと汚くない。
そう思ったら涙が頬を伝ったけれど、2匹で座ってずっと空を見ていた。
もうきっと、心を黒くする言葉は聞こえない。
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しばらくすると、空に黒い影が見えた。
大きい鳥だと思って見ていたら、近づいてきたその影は・・・、箒に乗って飛んでいる、黒い服に赤いリボンの・・。
「「魔女・・・・・・!!!!」」
今まで出したことがない位の大声で必死に呼びかけていると、私たちに気づいたらしい魔女が近くに来てくれた。
「あら、かわいい黒猫さんと白猫さんねぇ。私に何か用事かしら?」
慌てすぎて会話にならない私の代わりに、
「魔女さん、このクロちゃんを魔女さんの猫にしてくれませんか・・!?」
シロちゃんが伝えてくれた。
目を丸くした魔女さんは、
「あらあら・・、とてもキレイな黒猫さんだけど、ごめんなさいねぇ。
私の黒猫はもういるのよ。」
なんだ・・、そっか・・・。
がっかりしていると魔女が教えてくれた。
「でも、この先の海の街には魔女が沢山住んでいるの。黒猫は珍しいし、探している魔女も多いんじゃないかしら。」
やっぱり魔女の街はあるんだ!
ここから出ている空飛ぶ船でいけるわよ、と教えてくれた魔女に喜んでお礼を言った。
「良いご主人が見つかるといいわねぇ。」
微笑んだ魔女が、ふっとシロちゃんを見た。
「・・・・・でも、あなたは本当にそれで良いのかしら。」
何のことだろう・・・?
シロちゃんの顔が、一瞬下を向いたように見えた。
けど、すぐにいつもと変わらない笑顔で、
「もちろん」
と、そう魔女に笑いかけていた。
「そう。では2匹にこれから沢山の幸福が訪れますよう・・・。
魔女からのおまじないよ。」
そういって2匹の頭を優しく撫でてくれた魔女は、さっそうと空高く飛んで行った。
「さー、クロちゃん!海の街はもうすぐだよ!早く行こうっ!!」
ニコニコ、いつも通りのシロちゃんと空飛ぶ船に乗って、目的の街を目指す。
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間違えないよう、行き先をこっそり確認し、空飛ぶ船に潜り込んで向かった先は、
カラフルな色と溢れる喧噪が日常に活気を与える、船乗りと魔女の街。
広大な海を擁するリムサ・ロミンサにある、ミスト・ヴィレッジ。