アイテムレベル100のウェザードノクト装備が揃い
次第に、熟練者へと近づいている私
今日こそは、と、覚悟を決め、シルクスの塔に挑む
古代の民の迷宮では、ほとんど役に立たなかった
でも、装備が整ってきた、今なら
……と思ったのも束の間
アライアンスで、私は、真ん中に立っていた
そう、つまり、ボスをメインで正面から受け止める役回り
しかも、古代の民の迷宮とは異なり、パーティの中で、タンクは、私一人
これはまずい
と、そう思ったが、熟練冒険者たちは容赦がなかった
軽く挨拶を済ませると、一斉に等を駆け上ってゆく熟練者たち
また、あの時の二の舞いになるのだろうか
あの時のように、ほとんど役立たずで終わるのだろうか
そんな不安が、心を飲み込もうとしていた
そして、到達する、最初の部屋
真ん中に、ボスらしきドラゴンがいる
嫌な予感を覚えつつ、点呼を終えて、私は、敵に向かっていった
いつものように、トマホーク、オーバーパワー
セオリー通りに敵視をとってゆく
しかし、PTメンバーの火力は、尋常ではなかった
私が敵視を固めて、安定させようと足掻くこと十数秒
気づいたら、ボスの体力は、もう、3割も残っていなかった
周囲の雑魚は、ほぼ全滅
圧倒的な火力
圧倒的な殲滅力
予想していた以上の、熟練冒険者たちの力
これなら、私が敵視を取らなくても、他のアライアンスに任せていいのでは?
などと、邪な考えが頭をよぎった
でも、私は、せっかく、タンクとして、この場にいる
熟練冒険者達囲まれる形とはいえ、その中心で、私は、戦っている
だから、手を抜かない
いや、手を抜いている余裕なんてない
むしろ、今の私に、どれぐらいの実力がるのかを知るチャンスだ
全力を出してみよう
そう、思い直し……ている間に、皆に置いて行かれそうになったので、ダッシュで次の部屋へと向かった
そして、全力を出した結果は、予想していたとおり
ボスのターゲットは、ことごとく不安定
特に、戦いが始まった直後は、ボスがあちらへ、こちらへと、動きまわる
私の斧よりも、周囲の冒険者のほうが危険とみなされ、敵視されやすいのは、当然のことだった
私の武器は、ブラビューラ・ゼニス
その時、私が持っている中では最高の武器
でも、熟練冒険者には、その程度の武器など、見向きする価値すらないだろう
ヘタをしたら鼻で笑われかねないような貧弱な武器で、私は、熟練冒険者の中心に立ってしまっていたのだ
結局、シルクスの塔で、始皇帝を倒すことには成功した
ただ、始終、私は、タンクとしての実力不足、装備不足を思い知らされることになった
でも、だけど
古代の民の迷宮の時のように、全くの無力ではなかった
ボスの敵視が不安定だったのは、ほとんど、戦いの序盤
戦いが終わりに近づくに連れて、少しずつ、少しずつだが、敵視は安定していった
本当に、ささやかな変化
でも、確実な、成長が、そこにはあった