「サンダーッ」
攻撃魔法、破壊神ラールガーの恵み、呪言、呪印を唱える事により神の御技“雷”で敵を討ち滅ぼす。
ばりりりっ
紫色の無軌道な光の筋が音を立て、電流の震動と共にバスクに絡みつく。
反射的に目を閉じた、生き死にの場でその隙を逃す者は居ない。
槍術士の一人が魔術士の前に滑り込んだ、挟み撃ちならやれる、両面から迷いの無い渾身の突き。
「であぁぁっ」
ここんっこんっ
矛先を逸らされた感触、迷わず引き又突く、二激三激、両面からの執拗な突きを演舞でも舞っているかのように身を翻しことごとく避ける。
がらっ
バスクの前に立つ男のかかとが石塚を崩した瞬間、詰められた。
ぎりんっ
分厚い刃が地面の小石を切り跳ねる音と同時に受身に構えた槍持ちの手首を跳ねた。
「どあっっ」
手を跳ねられたことにのたうつ暇もなく次は首に来るっ、・・・来ない?
どんっ
音のする方を向くと呪術士が跳び上がっていた、バスクの斧はそこから三歩ほどにいた呪術士の脇腹を打ち上げそのまま走り去った。
正面を向くと仲間の槍持ちが唖然とした顔で自分の後ろを見て立ち尽くしていた。
!!!
幻術士の首にラプトルが後ろから噛み付いていた。
「う、た、たす」
肩に爪が掛かり踏み倒されると同時に首の肉を引き千切った。
為す術も無かった、目の前にもう1頭が立ちはだかり威嚇している間に藪から現れた二頭、三頭に幻術士だったそれは見せ付けられるように解体された。
ラプトル、衆生門甲鱗網に属する二本足の肉食トカゲ。
集団行動で狡猾な狩りを行うがドレイクの食べ残しを宛てに生息圏を合わせている種もある。
囲まれた、たかが小銭になんて馬鹿なんだ。