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【小説】素人が書いてみる【その4-1】

公開
前回3-2の続きですよ↓
http://jp.finalfantasyxiv.com/lodestone/character/1337941/blog/310350/


 ごう、という音と共に目の前が激しく燃え上がり、ルイスは思わず後ずさった。
 ネネモが止めと言わんばかりに叩き込んだファイガだ。激しい炎に包まれ、聞く事ができない断末魔を上げて風船の様な魔物が地面に落ちた。辺りには他に数匹の魔物の骸がある。
 周りを見渡し、やっと片付いたか、と一息つく。

「はーっ。やっと片付いたわねぇ……疲れちゃった」

 ネネモがそう言いながら呪具でぽんぽんと肩を叩いている。

「なんかそうやってると年寄り臭いっていうか――あっつぅ!?」
「ルイス。それ以上言うと……燃やすわよ」
「もう燃やしてるっすよ!」

 前髪が少し焦げてしまって不恰好になってしまったが、どうすることもできない。街に戻ったら切っておくか。

「それにしても、今のは結構やばかったな。まさか広場にいたやつらが全部襲いかかって来るとは思わなかったぞ」

 やれやれ、といった感じでウィリアムが前髪を掻きあげる。そのうち禿げてしまわないか心配だとか独り言を言っている。

「一匹ずつ片付けようとしたんすけど、気付かれちゃったっすね……」

 戦闘というものは基本的に多数の人数で少数の敵と戦うべきである。いわゆる各個撃破というやつだ。もちろん例外もあるが、大抵の場合は何匹かを敵の集団から離れたところまで誘き寄せ、それを叩く、ということを繰り返すこととなる。

「あ!ねえねえ、ほら、これ見て!」

 ニケの声に顔を向けると、壁の辺りで何かを探っているようだった。

「どうしたっす?」

 近づいてみると壁に何かをはめれそうな窪みがある。この形はどこかで見たような気がする。

「これって、石板をはめるんだよね?ね?」

 ニケが手に持っている石板。ゴーレムを倒した後の道中でさらに二つ手にいれて今、手元には四つある。石板が四つあるというのだから、それをはめる場所も四つあるのだろう。

「じゃあ、適当にこれ!」
「あ、ニケちゃんちょっとま――」

 ルイスが最後まで言い終わる前に、ニケは石板を窪みにはめていた。しかし……。

 ――何も起きない?

 と、いきなり頭上から何かが降ってきた。

「うわっ!」
「きゃぁ!?」

 さっき戦っていたのと同じ、風船のような魔物が三体、突如頭上から現れ、四人を取り囲んだ。

「またこいつらっすか」

 そこまで強くはないが、魔法を使ってくる面倒な相手だ。
 ふわふわと宙を漂う光る風船のような見かけで、俗に言う幽霊というやつだ。あちこちを探索する冒険者にとって幽霊も魔物も似たようなものだ。スケルトンやゾンビーだと、まれに喋るやつがいるのが恐ろしい。死ニタクナイィィィ、とか叫んだりする。すでに死んでいるというのにだ。正直、あんな風にはなりたくないと思う。

 ――あれらのお仲間になるのはお断りっすね……さて、やりますか。



「ふぅ。ニケちゃん、勝手に突っ走っちゃ駄目っすよ?」

 さほどの苦労も無く、幽霊を全て倒し終え、ルイスはニケに言う。

「今みたいに罠だってあるっすからね」
「う……その、皆、ごめん……」

 本人も皆に迷惑を掛けたと自覚しているようで、そう言うとがっくりとうなだれた。耳も力なく伏せられている。

「まぁまぁ、今度から気を付ければいいんだよぉ。それより、他の石板も見せて。……ん、ありがと」

 うなだれたままのニケから石板を受け取ったネネモは、そのうちの一つを選んで壁の窪みにはめようとしている。
 んー、と爪先立ちになって石板をはめ込もうとしている姿はなんとも可愛らしい。

 ――ま、ララフェルは僕の守備範囲外っすけどね。

 様子に気が付いたウィリアムがネネモの手から石板を取って、窪みにはめた。
 と、横にあった壁、いや壁だと思っていたが扉だったようだ。今度は罠が発動することも無く、扉は開いた。

「よく見たら、窪みのところにある模様と、石板に描かれている模様。両方が同じだったから、たぶんそうなんじゃないかと思ってたんだけど、どうやら当たってたみたいねぇ」
「なんだ、そんなに簡単だったんだー。何で気付かなかったんだろ」

 相変わらずニケちゃんの立ち直りは早すぎると思うんですよねぇ……。

「あ、ほら、宝箱がある!」

 さっきの言葉を聞いていなかったかのように、だーっと走っていってしまうニケを見て三人はため息を付く。幸い、罠の類も無く宝箱は簡単に開いた。

「ん~、呪術士向けの武器なんだろうけど、ちょっと脆くなっちゃってるわね、これ」

 ニケがそう言って宝箱から取り出して見せたのはカジェルという呪具の一種だった。ニケの言う通り、長い歳月で、脆くなっているようだ。これでは本来の性能を発揮できないだろう。
 呪具をためつすがめつ眺めながらウィリアムが口を開く。

「街に戻ったら打ち直せるか試してみるか。修復できるなら儲け物だ」
「こういう時に身内に職人がいるとほんと便利っすよねー。僕も何か始めてみようかとは思ってるんすけど」

 冒険者と言っても一概に言い表すことはできない。冒険だけでなく、職人と同じく武器や防具を作り出したり、鉱石を掘ってきたりと、なんでもする人々の総称だ。ウィリアムも冒険の傍ら、彫金に手を出し、それなりの腕前になっている。この前、知り合いに依頼されて指輪を作っているところに出くわした事があった。
 ふむ。ネックレスでも作って女性にプレゼントするのもいいかもしれない。それにしても、銘入りの装身具か…。ウィリアムもなかなかやりますね。

「こっちにも同じ窪みがあるわよー!ほらー!はやく石板持ってきてー!」

 広場の反対側からニケの声がする。
まったく調子のいい娘だ、とルイスは肩をすくめた。



その4-2に続きます↓
http://jp.finalfantasyxiv.com/lodestone/character/1337941/blog/393694/
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