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仮想世界の個人なお話

公開
仮想世界の個人なお話といえば、小野不由美さんが有名ですね。
その先生の文体を真似るなど100万年早い所業なので、早晩破綻すると思います・・・。
とりあえずお暇な方、お読みくださいましー。

オランプのおはなし

1沈黙の音

高地ラノシア、ブロンズレイク。

第七霊災の瓦礫が散乱し、ゆっくりと自然に飲み込まれつつある中で、ただエーテライト周りと、
温泉施設の整備だけが進められていた。
夏の終わりも近く人影もまばらなこの地を、5年ぶりに訪れる一人のミコッテがあった。
名前はオランプ。

オランプは高地ラノシアの辺境にある温泉宿の娘として生まれた。三つ上には兄がいた。
もともとムーンキーパー族はグリダニア周辺に住んでいたが、第五霊災の際に命を助けたエレゼ
ンの族長から今の姓を賜り、以来この姓を名乗ってきた。

後に、その名ゆえに同属から村八分にされた先祖が流浪の末に高地ラノシアまで流れてきて、石
緑湖の外れに小さな温泉宿を開業して今年で94年経った。


今こうして満天の星空の下、故郷にほど近い野天風呂に身を休めて、肌にやさしい湯触りを確か
めながら微かな硫黄臭を含んだ高原の大気を吸い込むと、オランプの心は一瞬で時間を越えた。

ゆっくりと目を閉じ深く静かに呼吸して、そっと目を開けてみると、白い湯気の中に淡く浮かん
でくるのは、亡くなった祖父母の姿やたくさんのお客様との楽しい思い出。
オランプは、この湯の香りを触媒にして場所を問わず転移することができたので、失われた第六
星暦の記憶を取り戻すことができた。

この映像が浮かぶ時は決まって音が消える。背景音が一切耳に入らなくなる。そして現在の時間
も止まり、目は開いているのに視野は白い光に満たされる。
「時を越えているのだからそれも当然よ。」深く考えもせず思う。

この静寂は過去にも及ぶ。静寂は過去の情景や人との交感を纏った断片となって、まるでその瞬
間の自分自身に乗り移ったかのように豊かに再生された。

再生された断片に「どうして?」と言葉未満の疑問を投げると、それを契機に新たな断片が蘇っ
てくる。前の断片に連続した思念の場合もあれば、何年か前後に飛躍することもあった。

この断片のなかには霊災以前でさえ完全に忘れていた過去の思念が突然蘇ることもあって、嬉し
い驚きを味わうことができた。
オランプは密かにそれを幸せのフラッシュバックと呼んだ。
それは単なる映像の再生ではなく自分自身の心象だった。


この巻き戻しには限界があったから、決して時間を跳躍しているわけでも時間を勝手に止めてい
るわけでもなかった。
行き止まり。それは嘘を知らず数も知らない1歳4ヶ月のあの日。

あの頃はまだ1ヶ月とか1年とかいう概念さえ無く、なんとなく次が2歳でその次が3歳と言わ
れたものの、3歳なんてそんな先のことなど遥か未来過ぎて想像もできなかった。
「昨日と同じように今日が来て明日もまた今日と変わらない。」
「こんな日はいつまでどこまで続くのか。そして自分は何をしたいと思うのか。」
と遠い未来に思いを馳せた、あの日あの時の自分自身にたどり着き、それ以上の過去へは決して
戻れなかった。

--- あの時の想定を遥かに超えた未来にいる自分。
今に至るまでの時間の断片を繋ぎ合わせようとする自分。
それは、あの日の自問に対する、想像も付かなかった遥かな未来からの自答であった。


人はいつも思い出より輝く未来を信じようと説く。確かに辛い時悲しい時オランプを救ってくれ
たのは思い出ではなく常に希望だった。お迎えが来るその日まで希望を失わずに生きていたいと
願ってもいた。

でもそれは第七霊災を通して記憶を失ったエオルゼアの人たちには酷な話といえる。

思い出に囚われていて未来を見失うとは、思い出を持つ者だけが言える事であって、大切な思い
出さえ失ったエオルゼアの民にとって、未来に希望を見出すこともまたできないのだった。
だからオランプにとっては、思い出か希望かという二者択一ではなく、双方が両輪となって初め
て人生を楽しめるような気がするのだった。

老いて思い出の中に埋もれることと、未来だけを信じて今を生きることは、どちらも年相応とい
う心の呪縛に囚われているように思えて、少し勿体無いような気もする。
老いに希望があり若さに思い出があれば、人生もっとお買い得になるはず。

だから今のうちから思い出を咀嚼しておけば、老いて反芻する頃には食傷するはず。その隙間に
希望を入れる余地が生まれ、老いの日々もきっと楽しくなるはずと能天気な皮算用をしていた。

そんなオランプにとって、湯の香りを触媒として鮮やかに蘇ってくる心象と、未来を信じること
は共に愛おしいものであったので、今しばらく心象の世界に留まることにした。
                                  つづく  (かも
コメント(9)

Alf Rolando

Tonberry [Elemental]

官能小説かと思ったわぁ~(^^)
是非続きよろりんです

Olympe L'oeil

Tonberry [Elemental]

ありがとうですー。官能小説って・・・ご希望に添えずごめんですーw

Rikka Rokka

Tonberry [Elemental]

むむむ?
オランプさん劇場の第一話はここですかZE?
まだ見れていなくてすみません◯rz 
いそがシーズンが収束したらここからイッキ見をさせていただきます!(・∀・)b
十二国記の続きも気になりますねw

Olympe L'oeil

Tonberry [Elemental]

ようこそいらっしゃいましたー!!
ご夕食は18:00にお部屋へお持ちします~
お風呂は24時間ご入浴できます~どうぞごゆっくりとお過ごしくださいませw

Olympe L'oeil

Tonberry [Elemental]

それと十二国記、ぜひ書いて欲しいですね!!

Marika Blitz

Tonberry [Elemental]

をを

おらんぷさんんお新たな一面を見ました。
続編期待しております(*´ω`*)

Olympe L'oeil

Tonberry [Elemental]

わを!  Marika Mitumine さま
ようこそ2年前の日記へ!入浴中の回想形式なので「温泉小説」タブで続けてゆきます!

Rikka Rokka

Tonberry [Elemental]

本格的な読み物にびっくりですZE!
光の女将!夕食にはラノシアトーストもついていますか!?

Olympe L'oeil

Tonberry [Elemental]

Rikka Rokka さま
よく女将と間違われますが私はここの娘で今日はたまたま帰省しております。
ラノシアトーストは、溺れた海豚亭の名物料理?で当館ではお出ししておりませんw
ご希望に添えず申し訳ありません。
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