ファイナルファンタジーXIV 10th Anniversary Memorial Book皆さんは読んだだろうが。
旧版からプレイしていていまも現役な所謂レガシー勢の方々はもちろん買ったと思う。
新生初期からはじめた人はどうだろう。
漆黒や暁月からはじめたような人はそこまで昔の事に思い入れはないかな。
旧FF14のβテストからプレイしていた最古参なのでもちろん購入した。
新生10周年メモリアルブックが届いたその日、話題としては同日に発売になった
世界設定本 第3弾の方が大きかった。世界設定本の発売日は憶えていたがメモリアルブックの方はすっかり忘れていたので家にスクエニからの宅配便が2箱届いた時には
「世界設定本、予約したのを忘れて間違って2冊買ってしまった?」と焦ったものだ。
世界設定本といえば、番長も公式の世界設定本の話題が出る度にそれにかこつけて
自作のエオルゼア百科事典風のウソ設定シートが作れるジェネレーターの宣伝をしている。
5年前の第2弾の発売に合わせて公開したもので、日本語版とは別に英語版の世界設定本のフォーマットにも対応した英語版も作って英語でも告知したのだが日本ほどは流行らず・・・
今回なぜか英語圏で拡散した。
今回が第3弾になる世界設定本はどんな内容になるか想像できるし、そこにしかない情報もあるから買うかどうかの判断はし易いと思う。
一方、メモリアルブックの方は既出の情報のまとめとインタビューくらいだと判断され、ノータイムで購入ボタンを押す我々レガシー勢でもない限りは、どういう本か評判を見て買うかどうかを決めたい人も多いはず。なにせ3850円(税込)だ。
ということで、FF14プレイ歴14年のプレイヤーによる新生10周年メモリアルブックを読んだ感想を残しておこう。
コンテンツの構成とボリューム
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━最初に本書の内容とボリュームをざっくり見てみよう。
天野喜孝 イラストレーションギャラリー12ページ
各拡張パッケージで描き下ろされた天野喜孝氏のイメージアート。
Section1:ファイナルファンタジーXIVの歴史69ページ
いわゆる年表。
それぞれのゲームのアップデートがあった時期に公式からあったPLLの発表内容やリアルイベントの開催、その他関連ニュースなどが日付と簡単な紹介で並べられている。
Section2:ファイナルファンタジーXIVのアップデートの記録70ページ
メジャーパッチごとのアップデート内容の紹介。詳細はもちろん公式の
パッチノートの方が詳しいが、リリース日や何が初登場したのかなど端的に書いているので見返しやすい。
Section3:開発/運営スタッフが語る ファイナルファンタジーXIVの10年間26ページ
吉田Pと室内氏による特別インタビューが7P
PLL等でも登場した開発スタッフからのメッセージ。1ページ2人分構成で7P
FF14の開発/運営がどのようなセクションで構成されているのか、各セクションの代表メンバーがQ&A形式で回答。12P
Section4:ファイナルファンタジーXIV BGMリスト22ページ
拡張やパッチとサウンドトラックの収録曲をスクリーンショットと共に紹介。
Section5:ファイナルファンタジーXIV 関連アイテム図鑑25ページ
主に物販の関連アイテムを年代ごとに紹介。
内容はグッズ、プライズ景品(クレーンゲームの景品)、書籍出版、音楽CD/BD。
イベント年表とパッチノート抜粋で半分以上を占める書籍である。
それぞれの内容に触れていこう。
各セクションの感想
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━天野喜孝氏のイメージアート
 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄各拡張パッケージにて、天野喜孝氏が描いたイメージアートが掲載されている。
表紙にもなっているこの天野喜孝氏の10周年記念の描き下ろしイメージアート。
最初、これ誰を描いたものだろう?ハイデリンっぽいけど、天野氏が描いたハイデリンはEndWakerの章にあって、それとは違うな、と思った。
新生のアートの後ろに描かれた女神様っぽいのがそれに近い
このアートは新生版のコレクターズエディション(物理)の特装ボックスに使われている。
新生の天野氏のアートはタイトルのアート以外はあまり馴染みがなかったし、ハイデリンの絵はネタバレ防止の意味もあって暁月発売前はアートも表にはでてこなかった。
掲載されたハイデリンとゾディアークの絵も
拡張向けに新たに描き起こされたものだろう。
おそらく新生のイメージアートで描かれた女神は「聞いて、感じて、考えて」と冒険者に呼び掛けるハイデリンのイメージで、新生10周年のイメージアートのモデルはそこに立ち戻って描いたもの。
なので、暁月のバージョンと違ったのかな、と思った。
Section1:ファイナルファンタジーXIVの歴史
 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄まずは年表だけで69ページというボリューム。表紙や説明ページ、旧版の分も少しあるのでそれを差し引いても1年あたり6ページ、2か月で1ページ、1ページ2列なので1か月で1列で10年間超を振り返るのだ。Lodestoneのトピックスの月別表示のプルダウンに表示されるメニューの長さを見てもらえると途轍もない量だと分かるだろう。
Lodestoneのトピックスの1か月の情報量は結構多い。オケコンのようなリアルイベント1つとっても開催の発表、チケット販売の予告、抽選販売の告知、締め切り、一般販売の告知、当日の案内、BDの告知など関連のトピックスが何度も上がるが、書籍の年表の方は直前生放送と開催当日の内容くらい。実にシンプルにまとまっている。
番長は毎年旧FF14がリリースされた9月30日あたりの日にLodestone旧生祭として
1年の振り返り記事を書いている。毎年1回でもう13記事目だ。今年14記事目を書くことだろう。
年に1回、Lodestoneのトピックスを月ごとに振り返るなんて作業をしているのは番長くらいなものだろう。その時に参照するのがLodestoneのトピックスだ。
ゲームのアップデートやイベントを取り上げるだけではなく、それに対してプレイヤーはどう反応したのか、記憶が残っている内に書き残している。なのでリアルイベントはイベントの開催日と同じくらい、最初の発表を聞いた時の反応やチケット争奪戦の模様なども大事な思い出。なので毎回取り上げるべき内容のチョイスに悩む。
そんな番長だからFF14の新生10年をここまでコンパクトにまとめるのにどれだけの思い出を取捨選択してきたか分かる。シンプルにまとまっているが掲載するべきものは落としてない。この掲載するトピックの粒度が大切なのだ。
先日発売された
東京ファンフェスのオフィシャルパンフレットにも各拡張ごとにエオルゼア10大ニュースとしてゲーム内での出来事を振り返るページがあり、それぞれに「リアル世界での出来事」と4つくらい紹介している。
それだとどうしても拾い上げられない想いがあるのだ。
2015年3月31日 旧「The Lodestone」が閉鎖
旧「The Lodestone」が完全に閉鎖され、すべてのページが閲覧不可となった。この2行に
どれだけの想いを込めて読めるか。
そこには当時立ち会った当事者にしか感じられないモノがある。
1ページ1ページの重みが違うのだ。
Lodestoneのトピックスに残っているとはいえ、こうしてコンテンツとしてまとまってなかったらそうした思いを振り返ることも無いだろう。
起こった出来事をまとめる、歴史をまとめたコンテンツの価値とはそういうことなのだ。
だから自分も機会があればこれまでの出来事をまとめている。
新生10周年でもそう。
出来るだけ読みやすくコンパクトに当時の思い出を他の人と共有し易くする。
コンテンツの主役は読んでくれる当時を生きた光の戦士達それぞれの中にある思い出で、年表はそれを引き出すキーなのだ。当時FF14をプレイしていた皆さんにこそ、手元に置いておいてもらいたい一冊である。
Section2:ファイナルファンタジーXIVのアップデートの記録
 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄一見すると各パッチノートの抜粋。
だが内容のチョイスが秀逸で、そのパッチを象徴するIDや討滅戦実装コンテンツと並んでUI/UXなどの機能面のアップデートのチョイスがイイ塩梅で入っている。
ライト層を含む多くのプレイヤーの遊び方に影響を与えた機能がこのタイミングで入ったのか。そういう振り返りができるようになっている。
今のゲームを遊んでいるプレイヤーにとってはどの機能がいつ実装されたのなんてどうでもいい情報だろう。だが、どういう経緯を辿って今そうなっているのかを知る事でこの先どうなるか見通すことができる。
公式フォーラムでゲーム内容に関するディスカッションで提案された要望が、実は過去にやっていて問題があったのでなくなったものであることも珍しくない。
それは決して新規プレイヤーに対して古参が知識マウントを取るためのものではなく、建設的な議論をするために必要なものなのだ。
番長もそういう思いでFF14の
ハウジングの歴史や
ワールドとデータセンターの歴史をまとめている。
同じカテゴリーのアップデートの内容をパッチノートを横ぐしをさしてまとめるために何度も過去のパッチノートを読み返してきた。そこで培ってきた知識と同様の振り返りが、このたった70ページの内容で出来るのだ。非常に密度の濃いコンテンツだ。
パットノートだけではない。各シーズナルイベントもそれぞれ1ページにまとめられ、10年各年のクエスト名やその内容、イベント報酬などがまとまっている。
「あの衣装っていつのイベントで配ったヤツだっけ」
という時に便利だ。
クエスト名があることで、直接それを検索するとエオルゼアデータベースの当該クエストのページや当時のシーズナルイベントのページがすぐ出てくるので必要十分な情報がまとまっていると言える。
Section3:開発/運営スタッフが語る ファイナルファンタジーXIVの10年間
 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄新生10周年を記念してのインタビュー。もういろんなメディアで見たような気がする。
先に紹介した
東京ファンフェスのオフィシャルパンフレットにも開発メンバーのウェルカムメッセージが掲載されている。
もちろん内容はそれぞれに違う。
今回のインタビューの内容を一言でいえば
「新生を発表した2011年から現在までのFF14開発/運営とプレイヤーとの対話の振り返り」だ。
開発メンバーからのメッセージも新生からの長い期間を共にしてきたプレイヤーへのメッセージになっていた。FF14のプレイ歴が長い人なら感じるものがあるだろう。
PLLやファンフェスなどに出演していた開発メンバー以外にも、各開発セクションの紹介とメッセージがQ&A形式でまとめらている。
FF14という巨大なゲームの開発がどんなセクションに分かれてそれぞれ何をしているのだろう。
同じ業界の人なら分かると思うし、スタッフロールを見れば書いてある情報だが、一般向けに分かり易く解説してくれている。
セクションは次のように分かれていた。
・プランナーセクション
>ストーリーデザイナー
>クエストデザイナー
>バトルディレクター
>バトルコンテンツデザイナー
>ノンコンバットコンテンツデザイナー
>UIデザイナー
・デザイナーセクション
>バックグラウンドコンセプトアーティスト
>キャラクターコンセプトアーティスト
>キャラクターアーティスト
>バックグラウンドアーティスト
>アニメーター
>VFXアーティスト
>カットシーンアーティスト
>UIアーティスト
>テクニカルアーティスト
・プログラマーセクション
>サーバーエンジニア
>ゲームプログラマー
>ノンコンバットコンテンツプログラマー(ライブシステム)
>ノンコンバットコンテンツプログラマー(ライブ)
>UIプログラマー
>クライアントプログラマー
>カットシーンアーティスト
・その他セクション
>サウンドディレクター
>サウンドデザイナー
>プロジェクトマネージャー
>WEBディレクター
>マーケティングプランナー
>コミュニティプランナー
それぞれセクションがどんなことをして、そのセクションならではの苦労話は是非本書を読んでほしい。
そういえばローカライズスーパーバイザー兼THE PRIMALSヴォーカルのコージさんのメッセージ無かったな。東京ファンフェスのパンフレットにはあったのに。
Section4:ファイナルファンタジーXIV BGMリスト
 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄発売されているサウンドトラックごとに、どの曲がどのシーンで使われている何という曲なのかをスクリーンショットと一緒にまとめている。
ゲーム内でBGMが流れている時、その曲名は表示されない。サウンドディレクターの祖堅さんも開発内でのBGMの名前は「街1」「街2」とかそういう名前で呼んでいて、曲名はサントラを作る時に考えると言っていた。今はオーケトリオン譜があるのでゲーム内でもBGMと一緒に曲名も分かるようになっているが、普通のプレイヤーは曲名を意識することなく「どこそこのエリアのBGM」という認識だろう。
自分はたまに
FF14の動画を制作したりしているのだが、BGMは撮影時はOFFにして編集してからサントラの音源を当てることが多い。
その際、使いたいBGMがゲーム内のどのシーンのものでどのサントラに収録されて何という曲名で収録されているか、というのはだいたい頭に入っているが、これもいろいろ作ってきて覚えたものだ。
お目当てのBGMが収録されているサントラを探す時にこういう資料があれば良いな、というものがメモリアルブックにあるではないか。サントラのBDMを再生すれば使われているシーンの映像も見れるが、音楽コンテンツは再生にそれなりに時間を取られるし、探しものはビジュアルとテキストの方がありがたい。
逆に言えばそれ以外の用途がこのページにあるのかな?とは思った。
シーンを見て脳内でBGMが再生されるような人でないと、単にサントラのスクリーンショット付き曲紹介でしかないので。
Section5:ファイナルファンタジーXIV 関連アイテム図鑑
 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄いわゆる販促のグッズ紹介ではあるのだが、10年分を年ごとに並べれば歴史になる。
スクエニが販売元ではないコラボ賞品はここでは紹介されなかった。年表ではカテゴリーがあって紹介もされているのだが、ここで一覧で見るとまた違った良さがあったと思う。
UFOキャッチャーのプライズ景品はFF14の人気キャラクターの変遷みたいなものが見えて絵的にも面白い。
関連書籍はスクエニが出版したもの以外の本も収録されているのがよかった。
評判が悪くメディアの扱いもほとんどなかったFF14旧版を取り上げて来たファミ通コネクトオンの連載「オエルゼア通信」の書籍版。
そこで描かれた皆川先生のFF14の4コマ漫画を書籍化した「ファイナルファンタジー XIVじゅうよんこま」知り合いのプレイヤーもちょくちょく登場していた。
そのファミ通での吉田Pのコラム連載「吉田の日々赤裸々」。140回分も自分で書いたコラムなのでインタビューでは掘り起こせない吉田Pのベースの部分が出ているのが面白い。
プレイヤーのブログ連載が映画にまで「光のお父さん」のブログ連載を編集した書籍版。
ポプテピピックの大川ぶくぷ先生の「ララフェル先生の教えてやんよ」。
公式が監修したスクエニから出版されるものが多い中、他の出版社から出ているものはよりプレイヤーに近い立場の人が書いたものならではの良さがあって、最近はそういうのないなぁ・・・と感じた。
音楽出版もサントラだけでなくTHE RPIMALSのバンドやオーケストラコンサート、アレンジアルバムの紹介もあった。これも作品が並ぶだけで特に紹介も無いので思い入れがある人がそれぞれ語るべきものなのだろう。
結局これは買いなのか
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━本書は3,850円もする。フルカラーで装丁も豪華なので基本的には情報に対する価値というより記念本という位置づけだ。
開発と運営、そしてプレイヤーの新生10年の思い出のアルバムみたいなもの。
当時の写真や記録からそれぞれの中の思い出を引き出す。それを同じ時間を共有しただれかと語らうという楽しみ。
そういうものに価値を感じる人なら記念に一冊持っていてもいいと思う。
来月の東京ファンフェスで古いプレイヤー仲間と一緒になったら、これ1冊あれば話のネタにもなるかもしれない。
逆に当時の思い出が無い新規のプレイヤーにとっては、最終的には公式のLodestoneとかにある情報だし、書いてある情報をなぞっても、コンテクストを捕捉するコンテンツが無ければかなり味の薄い本になると思う。
旧FF14からプレイしていて、Lodestoneやブログなどで独自にプレイヤー動向を調査したりゲームとプレイヤーの歴史をまとめたりしている番長にとっては、まさに俺得な本であった。
本当にありがとう。