一つの大きな冒険が終わり、あっというまに幾日という時が過ぎて行った。
私は相変わらず、自由気ままに冒険者を続けている。
しかしそんな変わらない毎日を過ごしている私に、大きな出来事が起こった。
五紀歴 星3月6日 (リアルでは5月6日)
親しい仲だった友人と、久遠の絆を誓ったのだ。
正直無縁だと思っていたエターナルバンド。
友人達が誓い合う様を見届けたことはいくつかあるけれど、
まさか自分が誓いを立てる側になる日が来るとは思いもしなかった。
記憶というものはあっという間に薄れていく。
大事な思い出を忘れてしまわないように、断片的ではあるが日記に書き記しておこうと思う。
1.式の申し込み
Tanuki
「なるほど・・・色んなプランがあるんだね~」
△さん
「私はどれでも大丈夫だよ」
Tanuki
「一番高いのにしておこう!」
△さん
「いいの?お高いんだよ?」
Tanuki
「これぐらい普通に払えるよw
せっかくの祝い事なんだし、ここでお金を使わないのはもったいないさ」
△さん
「・・・私もちゃんと払うからね」
Tanuki
「お金の代わりに、今度美味しいお菓子を渡してくれると嬉しいな」
△さん
「・・・分かった。ありがとうね。今度もるぼ」
Tanuki
「モルボルキャラメルは遠慮しておこうかな」
2.指輪作り
式の申し込みが終わり、
十二神秘石巡りをすることになった。
秘石巡りをする前に、式に必要となる指輪を作ろうとウルダハに寄ったのだが・・・
△さん
「ねえたぬたぬ」
Tanuki
「なんだい△さん」
△さん
「雨男なのはよく知ってるけどさ・・・
指輪作り始めた瞬間に雨が降り始めるってどういうこと」
Tanuki
「いやあ・・・不思議だねぇ・・・雨男は治ったと思ったんだけどね~・・・」
△さん
「雨男って治るものなの?」
Tanuki
「まあともかく、指輪は無事に作れたから良し!!!雨宿りしたらさっそく秘石に行こう!!」
△さん
「晴れるといいね~」
大事な時はいつも雨が降ってしまう。
大事な時だから、雨が降ってしまっても仕方ない。ということにしておこう。
3.秘石巡り 黒衣森領にて
順調に各地の秘石を巡っている。
長年の冒険で慣れた土地ではあるが、どこか新鮮な気持ちで足を進めていた。
Tanuki
「本当に、人生なにがあるか分からないものだよね」
△さん
「どうしたの急に」
Tanuki
「君が冒険者になって突然グリダニアに現れて・・・それだけでもかなり驚いたのに、
今度は君とエタバンをすることになるとはね~」
△さん
「それは私も同感」
Tanuki
「冒険者生活、楽しく過ごせてるかい?」
△さん
「うん、みんなのおかげでね」
Tanuki
「その言葉が聞けて嬉しいよ」
冒険者になっても、すぐに旅をやめてしまう者もいる。
自分の意志で冒険を止めた、止めざるを得ない状況になってしまった。
人それぞれの事情があるから、歩みを止めることは悪いことではない。
仕方がないことではあるけれど、どこか寂しい気持ちになってしまう。
だからこそ、冒険が楽しいと彼女の口から聞けたのがとても嬉しかった。
△さん
「ところで雨止まないの」
Tanuki
「そろそろ止むはず!・・・おそらくたぶん!!!」
4.秘石巡り ラノシア領近辺にて
私の願いが空へと届いたのか、どうにか雨がやんでくれた。
これで移動が少し楽になる。二人で過ごせる時間が少し短くなると考えると、それはそれで寂しいが。
△さん
「今まで冒険振り返るとさ、ラノシアでの思い出がたくさんある気がする」
Tanuki
「そうなの?」
△さん
「うん。戦い方覚えたのも、初めてのダンジョン攻略もラノシアだったし。
みんなで集まる時も大体リムサとかじゃん」
Tanuki
「言われてみれば確かにね」
△さん
「積極的に冒険できてるわけじゃないけどさ、たくさん思い出できて嬉しい」
Tanuki
「良いね~…これからもたくさん思い出作っていこう!」
△さん
「作ろう作ろう。だからこれからもよろしくね」
Tanuki
「こちらこそ!」
私も、ラノシアには思い出がたくさんある。
どれも大事でかけがえのない思い出だ。
これからも色んな思い出が生まれるのかもしれない、そう思うと楽しみで仕方がない。
5.秘石巡り ザナラーン領域にて
秘石巡りも終盤に差し掛かってきた。
秘跡は様々な場所にあり、
時には凶暴な魔物が生息する場所といった危険な道を通らなければたどり着けない場所もある。
戦うこともなく、怪我をすることもなくここまで来れたのはとてもありがたいことだ。
雨に濡れて、△さんが風邪をひいてしまわないかどうかだけが気がかりである。
△さん
「たぬさん、疲れてない?大丈夫?」
Tanuki
「んー?大丈夫だよ!△さんこそ大丈夫かい?」
△さん
「私も大丈夫だよ。
…ほら、最近たぬきさん忙しいじゃん。休まなくて平気かなって」
Tanuki
「まあ正直体が疲れてる感じはするけど、それでも今は△さんと一緒に居たいんだ。
休むのは、秘石巡りが終わってからで充分さ」
△さん
「無理しないでね」
Tanuki
「しないさ、心配かけたくないし。もう怒られるの勘弁だし」
△さん
「…無理ばっかするたぬさんが悪い(# ゚Д゚)」
Tanuki
「今度ごはん奢るから怒らんといて…
△さんも、疲れたら言うんだよー!休憩するからさ」
怒ると静かな圧で私を潰しにかかってくる、それが△さんである。
あの圧力は、今まで戦ってきたどんな魔物よりも恐ろしい気がする。
恐ろしいけれど、とてもありがたいことでもある。
それだけ心配してもらえているということなのだから。申し訳ないけど、ありがたい。
6.秘石巡り クルザス領にて
さすがに、寒い。
イシュガルドやガレマルド、雪国での旅で少しは寒さになれたつもりだが、
やっぱり寒いものは寒い。
△さん
「綺麗な場所だけど・・・さすがに寒いっす」
Tanuki
「だよね~・・・できるだけはやく、ここから抜けよう。風邪ひきそうだ」
△さん
「寒いとさ、たぬきさんと初めて会った時のこと思い出すんだ」
Tanuki
「・・・? あ~・・・たしかにあの時は冬だったもんね!まだまだ寒い時期」
△さん
「あの時助けてくれなかったら、どうなってたことやら」
Tanuki
「あれからもう…二年か。今もこうして一緒にいるのが、なんだか思議な感じがするよ」
△さん
「これからもたくさん一緒にいようね。あの時、たぬさんに会えてよかった」
Tanuki
「・・・なーんか、顔が熱いっすね。風邪引いたかな~」
言葉の力とは不思議なものである。
極寒の寒さも感じぬほどに、体を熱くすることができる。
本当に、不思議なものだ。
7.最後の秘石巡り モードゥナにて
長くなると思われた旅も、あっという間に終わりの時が来た。
最後の秘石に辿り着いた私たちは、あまりの綺麗さに目を奪われていた。
△さん
「すっごい・・・これ全部クリスタル?」
Tanuki
「多分そうだね…すごい景色だ…」
旅の疲れもあったのか、私たちはしばらくの間 言葉を発することなく立ち尽くしていた。
Tanuki
「△さんありがとうね。君のおかげでまた思い出が増えたよ。
これからも一緒に、たくさんの思い出を作っていこう」
△さん
「もちろん。…言われる側になると、結構恥ずかしいね」
Tanuki
「ふふふ・・・日頃の仕返しだね!恥ずかしくなる側の気持ちを思い知るのだ」
△
「仕返しの仕返し、覚悟しときなよ」
Tanuki
「…お手柔らかに…頼みます」
思っているだけでは伝わらないこともある。
だからこそ、伝えられるときに言葉にして伝えておくのだ。
後になって、伝えられなかったことを後悔しないように。
8.誓いの場所へ
秘石巡りも終えて指輪も完成し、あとは式を迎えるだけとなった。
式が始まるのは数日後だが、介添人のご厚意で会場の下見をさせてもらることになった。
△さん
「これはまた・・・すごい・・・」
Tanuki
「何度か来た事あるけど・・・やっぱり圧倒される・・・」
式場に入ったことで、私はこれから彼女と誓いを結ぶことになるのだと再認識すると共に、
どうしても確認したいことがあった為、質問を投げかけた。
Tanuki
「ねえ△さん。
式のプランでさ、入場と退場の時にゴンドラに乗れるオプションあったけど」
△さん
「うん」
Tanuki
「あのオプション付けなくていいのかい?今ならまだ変更できると思うけど・・・」
△さん
「私さ、これかたもTanukiさんと一緒に歩いていきたいんだ。だからゴンドラに乗らなくても大丈夫。
…もちろん、たぬきさんが乗りたいならそっちに合わせるけど」
Tanuki
「…私も同じ気持ちだから、ゴンドラ無しで行こう! ありがとう、△さん」
△さん
「こちらこそだよ」
Tanuki
「あとさ・・・ほんとに・・・あのオプションでいいの?」
△さん
「…もちろーん」
Tanuki
「みんなの前で・・・することになるけど」
△さん
「もっちろん。恥ずかしいなら変更ありだよ」
Tanuki
「恥ずかしいけど・・・変更なしでだいじょぶ」
△さん
「ふふふ・・・当日が楽しみだね」
Tanuki
「うん、とても楽しみだ」
こうして
無事に式を迎えるための儀式を終えて
たくさんの方々からの祝福を受けながら
二人で道を歩んで
久遠の絆を、私たちは誓い合った
今回はここまでにしておこう。
書き残しておきたい思い出はたくさんあるけれど、焦って書き連ねる必要はない。
外から花火の音が聞こえる。
どうやら紅蓮祭が始まったようだ。
今年はどんな思い出が生まれるか、楽しみで仕方がない。
今日で、私が冒険者となって五年の月日が経った。
楽しい思い出も、辛くて悲しい思い出もたくさんあるけれど、どれもかけがえのない大切な宝物だ。
これからもたくさんの思い出を作っていきたい。
いつか終わる旅路の果てで、最後まで笑えるように。
今日で冒険者歴 5年になりました。
ここまで読んでくれた方、
今までお世話になった皆様方、本当にありがとうございました!
そしてこれからもどうか、よろしくお願いいたします!!
制作協力
MIka Amotoamaoto(△さん)
special Thanks
今までお世話になった、冒険で関わった皆様方
Tanuki Lilac
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