↓今までの小説のリンクはこちら↓
http://jp.finalfantasyxiv.com/lodestone/character/2175194/blog/1050556/ーーーーーーーーーーーー
リムサの空に大輪の花が咲く日。
ギルド主催の夏祭りの開催の合図が響く。たくさんの冒険者と沢山の観光客、縁日に、水着と浴衣。
誰かが言った『夏は、恋の季節』だと…本当か??
恋に縁なんてなくて、世界を旅して…古い遺跡を周り本を書き上げる事だけを夢みていた。
「すみませーん!」
「はーい、ただいまーー!!」
客の声に何時もよりも高い声で答える。
「パインジュースとバターフィッシュを二つ。」
注文を受け、カウンターへと戻る。
「パイン、バター、2お願いします!」
まだ、夕日が海の上にある時から客は多く楽しい雰囲気だけが広がっていた。
「ごめんね、いきなり手伝いなんて頼んじゃって。」
「!!」
突然、声をかけられた相手に心臓が高鳴り…花火を上げるように響き始める。
「だ、大丈夫ですよ…暇ですから!」
「夏に暇なんて言ったら、もったいないよー。」
そんな事をいいながら、目の前を歩いていくストライプの水着の君。
ー夏は、恋の季節ー
縁がない僕にも夏が微笑んだ。
「はいよー、パイン、バター上がったよー」
彼女の歩いていく後ろ姿が、僕の視線を釘付けにさせる。
「恋はいいよなぁ~!」
カウンターから聞こえた冷やかすような声に自分の体が跳ね上がった。
「ちょ、な、なに、言ってるんですか!!!!!!!」
「いいよ、隠さなくって。彼女の魅力に負けてこの紅蓮祭にどんだけの冒険者が参加してると思ってるんだよ。」
「そ、それって・・・ドウイウコトデスカ!」
あまりにも衝撃的な言葉に自分のしゃべりかたがおかしくなっていた。
「あんだけ、可愛くて働き者!それをほっておくわけないだろう~。ほら、運んだ運んだ!」
バンと背中をたたかれて、料理を運ぶ。
考えてなかった、彼女を目当てにここに来たのが自分以外にもいたなんて。いや、考えないようにしてただけだった。
「よし!!」
自分に気合を入れてから、海辺で祭の指示を出してる彼女へと近寄る。
「あ、丁度いいところに・・・これ、花火師さんに渡して上げて!そろそろ打ち上げ本番だからね、その前においしいものでも食べてもらわないと!」
「え、あ・・はい!」
彼女から渡されたお弁当を持ち、僕は彼女の前を後にしていた。
そして、祭の会場の少し離れた場所にいる花火師さんのもとへと向かっていた。夏が僕に微笑んでいたと思っていたのにそれはあまりにもライバルの多いものだったとは・・。
「すみませーーん、差し入れです!」
「おぅ、すまないなー!」
僕からお弁当を受け取った二人は、じーっと僕のことを見てからいきなり肩を組んできた。
「な、何ですか!」
「失恋でもしたか?」
「はぁ・・まだ、してません!」
「はっはっはっ、まだって。」
「・・・あ、いや・・。」
「まぁ、座れ!」
そのまま、二人に囲まれるようにそこに腰を下ろした。
「好きなやつがいるのか!!」
「・・・。」
「ほれ、話せよー!」
「・・・実行委員の人なんでけど・・・名前も知らなくて、その・・・。」
「夏のアバンチュールってやつだな!」
僕の事を冷やかしながら、二人はお弁当を食べ続ける。
「当たらないと何にもならないぞ~少年!」
「そうだな、言わなければただの出会い。言えば、付き合えても付き合えなくても思い出にはなるぞ!さぁ、俺らもそろそろやるか。」
散々からかわれたせいで、溜息だけがこぼれる。
僕の溜息を打ち消すように、花火が空へと上り始めた。
そんな大輪に花と対照的に自分の背中が小さくなっていることを知っていた。
「おーーーい、少年!」
「何ですか?」
立ち去ろうとしていた僕に花火師の一人が声をかけてきた。
「俺たちの花火には、魔法があるんだとよー!」
花火の音と音の間を縫うように彼らから言葉が飛んでくる。
「この花火の音に負けないぐらいの声で花火の下で、告白すると成功するらしいぞ!」
「本当ですか?」
「本当なんじゃねえか、お礼の手紙がくるぐらいだからな!花火の最後に上げる『紅蓮』は見物だぞ・・・頑張れよーーーー!そんでもって、急げ!!!!」
気付いた時には、走り出していた。
夏は、恋の季節。
たくさんの人の恋が花咲き。
たくさんの人の思いが燃え上がる。
僕は、夏の花火を背に砂を巻き上げながら夏の想いを胸に走る。
完
ーーーーーーーー
夏は恋!
祭は恋!
そんなシーズナルでしたw