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仮面の告白

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私の生い立ちをここに記したいと思います。
 とてもとても長い話になります。
お付き合いいただけると幸いです。

 私は元々アラミゴの出身です。
 当時お世話になっていたハイランダーの女性に憧れて格闘師を目指しておりました。
 その女性から熱心なご指導をしていただき、あと少しでモンクというレベルまで達しておりました。
 平穏で充実した楽しい日々でした。
 
 そんなときに皆様ご存じのあの戦火があったのです。
 両親、姉妹、故郷・・・全てを失いました。
 さらに師匠ともいえる女性とも音信不通となりました。
 そして帝国の支配から逃れたどり着いたのがウルダハでした。

 頼るものもない私は難民として第2の人生を過ごすことになったのです。
 身寄りのない子供はすぐに飢えることになります。
 生きるために手段を選んではいるわけにはまいりません。
 そして越えてはいけない一線を越えてしまいました。
 テレジ・アデレジの倉庫に手を出したのです。
 すぐさま私は銅刃団に追われる身となりました。

 追い回され逃げ場所を失いクラッチ狭間に迷い込みました。
 本来の実力が発揮できれば雑魚に過ぎないモンスターばかりのはずでした。
 しかしながら深手を負って満足に戦うことができません。
 モンスターから逃げようとして見つかりを繰り返しておりました。
 我にかえったとき周りはモンスターで何重にも囲まれており、状況を理解した私は天を仰ぎ初めて神を呪ったのです。
 覚悟を決め、儚く短かった人生をかみしめていた時に現れたのがご主人様でした。
 瞬きをする間もなくモンスターを殲滅され、疲れ果て倒れこんでいた私を治療してくださいました。

 この時覚えておりますのはここまでです。
 次に意識がもどったのはご主人様の家のベッドでした。
 ご主人様は居たいだけここにいていい、とおっしゃられました。
 心がすさんでいた私は何か裏があるのではないかと警戒した目でご主人様をにらみつけていたと思います。
 ご主人様は気にされる様子もなく、まずは食事だな、とラグマンとルイボスティーを差し出されました。今でもあの味を思い出すことができます。
 
 おなかをすかせた子供は遠慮などありません。
 がつがつと出された食事を疑いもせずに平らげました。
 ご主人様はその光景をおかしそうにご覧になっていたと思います。
 おなかが満たされ再度の倦怠と眠気が襲ってまいりました。
 ここで寝てはいけないと思いましたが、笑っているご主人様の顔を見ていると、つまらない意地を張っている自分がおかしくなって、すぐに眠気へ身を任せてしまったのです。

 次に目覚めたとき、ご主人様にこれからどうしたいのかを聞かれました。
 あわせて繰り返し、自分には他意がないこともおっしゃっておられました。
 そのお言葉に促され正直にいままでの行いを打ち明けました。
 銅刃団に追われる身であるとお話をいたしました。
 全てをお聞きになったご主人様は何事かを思案されておりました。
 しばらく出てくるから休んでおいで、とおっしゃられいずれかにお出かけになりました。
 夜半をすぎたころに戻ってこられたご主人様は、もうなにも心配しなくていい、ちゃんと話はつけてきたからね、と微笑まれました。

 この人の言うことを信じていいのか。
 いまは信じる他ないことも事実でした。
 
 ご主人様がおっしゃられたとおり、銅刃団の追手は参りませんでした。
 
 まだ表に出ることが怖かったので体が回復したのちに家事全般を自らいたしました。
 ご主人様は何もおっしゃられなかったのですが、居場所を確保する為にまずは労働を提供する必要があると考えたのです。
 何も束縛されない、強要されない環境は贅沢ではありますが心苦しいものです。
 ひと月もすると家事に慣れてきましたので他にも何かお役に立てばとクラフターを目指すことにしました。
 なにがしかの金銭を稼げればご恩返しになります。
 いつまでも甘えることも出来ないであろうと、いつか来るひとり立ちに備えてという想いもございました。
 かなり悩みましたがクラフターとして生きていきたいとお話をして、恥ずかしながら1000ギルお貸しいただけないかご相談をしました。
 ご主人様はちょっと考えられて10000ギルを差し出されました。
 驚きました。
 私の顔色をみてご主人様はおっしゃられたのです。
 「家のことはもう任せられるくらい一生懸命してもらっている。君のことを信じるよ。しっかり働くんだよ」と。
 
 次の日からクラフターの日々が始まったのです。
 まずは革細工師を始めることにしました。
 もともとのジョブである格闘師を活用して素材を集めることが出来るためです。
 シャードとアルメンはマーケットで手に入れることになります。
 ご主人様はそこまで見越して10000ギルお渡しになったのだと感じました。

 素材集めのためには門外へ出る許可が要ります。
 冒険者ギルドへの登録が必要です。
 早速ギルドにおもむき受付のモモディさんに門外通行証の申請をいたしました。
 モモディさんはコロコロと笑われ、あらあら色々大変だったようね、今の保護者さんにご迷惑がかからないようにしっかりと働くのよ、とおっしゃられました。
 町の噂は良くご存知の方のようでした。
 恋愛相談には乗るからね、ともおっしゃられましたが、私には無縁と感じていたことを覚えております。

 次は革細工師ギルドです。
 こちらにはご主人様から何がしかのお話があったようで、ギルド長は親切に色々おしえてくださいました。道具も成長に応じて支給するから頑張れと励ましていただけました。

 最初は粗皮を確保してなめすといった地味な作業の繰り返しです。
 同じ作業を何回も何回も繰り返すのは苦痛かと想像しておりましたが、悪事に手を染めることなく糧を得ることが出来る為むしろ清々しく感じました。
 もう来ることが無いとあきらめていた日々がもどってきたのです。

 なめした皮に若干の利益を乗せてマーケットに流します。
 赤字にならない程度になるべく安くしてレベルを上げることを優先しました。
 ある程度レベルが上がったところで調達業務用の装備品を作成して売りに出しました。
 初めて装備が売れたときにはご主人様がささやかではありますがお祝いをしてくれました。

 こつをつかみ徐々に貯金も出来るようになってきました。
 そしてやっと10000ギルが貯まり、早速ご主人様のもと返済に伺ったのです。
 ご主人様はお金を返したことではなく、お金を稼げるようになったことを大変喜ばれ褒めていただきました。
 そして私の大好きな耳と耳の間のカリカリをしてくださいました。(子供っぽいので普通のミコッテは嫌がるのですが、なぜか私は抵抗が無いのです)

 革細工師のレベル上げが一段落したところでお金にも余裕が出来てまいりました。
 より利益を上げる為には装備用のほかの素材も自作できるほうが有利です。
 私は彫金師、錬金術師のギルドにも出入りするようになりました。
 春の午後のまどろみにも似た日々が続いておりました。

 早いものでご主人様のお世話になって3ヶ月が過ぎておりました。
 自分自身の処遇が落ち着きますと自然と回りの事象に興味がわくものです。

 よくよく考えてみますと私はご主人様のことを何も知らないことに気が付きました。
 ご主人様はいつも穏やかに微笑まれて私のつたない話にも耳をかたむけてくださいます。
 顔も広くマーケット付近では男女問わず良い評判も耳に入ってきます。
 助けていただいた際の体術も素晴らしいものでした。
 私を信じてくださり10000Gギルもの大金をお貸しいただいた恩人です。
 
 でも。
 ご主人様は何をなさってそのような大金を持っておられるのでしょうか。
 テレジ・アデレジの件はどうやって解決されていたのでしょうか。
 
 私はご主人様のことを何も知らない。
 ご主人様は自ら教えてくださいません。
 ご質問をしましても、今は自分の事を一番に考えなさい、そのうち話してあげるからね、とおっしゃられるばかりです。
 お世話になっている身の私はそれ以上の質問ができませんでした。

 私はご主人様の動向に注意をはらうようになりました。
 ご主人様のお過ごしのありようは一般の方と違うと私のような未熟ものでも分かりました。

 生活は不規則です。
 お目覚めになるのはお昼過ぎもあれば、私が目覚めた時にいらっしゃらない時もあります。お帰りになる時間帯も夕刻の食事時もあれば深夜、あるいは翌朝になっても戻られない場合もございました。
あるときは長期の仕事でと言われて1週間ほどご不在になったこともございます。
 一度ならず、あちこちに傷を負っておられたこともございました。
 理由をお聞きするとちょっとした揉め事に巻き込まれたと笑っておっしゃっておられました。
 町の方々にお伺いするとも考えましたが、こそこそとかぎまわっていることがご主人様に露見することの嫌悪が興味を上回り、そのような行動を取ることができませんでした。

 モヤモヤとした気持ちを抱えながら、それでもクラフターとして精進をする日々をすごしておりました。

 その日は突然やってまいりました。
 ご主人様から大事な話があると私室へ呼ばれました。
 そしてこうおっしゃられたのです。

 もう一緒に暮らすことは出来ないと。

 頭の中は真っ白です。
 至らないところばかりですが、受け入れてくださっているものと考えておりました。
 この日々がもう少しは続くものと期待しておりました。
 もしかしてご主人様の周囲をかぎまわっていたことが露見したのでしょうか。
 気が付かないところで不興を買うような事があったのでしょうか。

 なにも言葉が出ない私にご主人様はいつもの優しい口調で続きをお話されました。

 明日から危険な事態になる。
 たぶん自分は国から追われる身になるだろう。
 君にも危険が及ぶ可能性を否定できない。
 君は一度国を失い、一度国から追われる身になっている。
 もう同じ目に合わせたくない、と。

 私はここまで自分が弱いとは思っておりませんでした。
 自分自身でも驚いたのですが、涙があふれご主人様にすがりついて懇願したのです。

 一緒につれていって欲しいと。
 ご主人様のいない日々などもう考えられないと。
 死に目に会っても後悔はしないと。

 ご主人様は初めてみる寂しそうな微笑をされました。
 そして意を決したかのようにおっしゃられたのです。

 はっきり言って足手まといだ、と。

 今になって思えばそれはご主人様の慈愛から出た言葉であることは明白です。
 しかしながら当時の私はそこに思い至りませんでした。

 まず、そう思われていたことへの動揺。
 お考えに思い至らなかった羞恥。
 初めて言われた厳しいお言葉の重み。

 様々な気持ちが私の中に湧き上がり、何も言葉が出てきません。
 ただただ頬を伝う流れを意識するばかりでした。
 それをご主人様は了承と受け取られたのでしょう。

 大丈夫、一人でも今なら大丈夫だ。元気でな。

 そういってご主人様は出て行かれました。

 私は今も一人でご主人様の家を守っております。
 あれだけの方です。
 無事に戻ってこられると信じております。

 ご主人様が私の前からおられなくなって一つ変わったことがございます。
 次は足手まといと言われぬよう、ご一緒させていただけるよう、共に戦う仲間となれるよう、そしてまだお返ししていないご恩が返せるよう。

 私はナイトになりました。

 ご主人様。
 ナイトがLv60になりましたよ。
 強化したイディル装備を着て日々精進をしておりますよ。
 クラフターでお金もたくさん貯めていますよ。
 ご一緒にクイックサンドで晩餐をいたしましょうね。

 その日が来ることを信じて私はウルダハの片隅で待っております。
 いつの日か、いつの日か。
 その日が来ること信じて。

 以上が私の告白です。
 最後までお付き合いをいただけたことに感謝を申し上げます。



 という設定でナイトのレベル上げとストーリーを進めています。
 ある程度進めている方にはご主人様が誰なのかご想像に難くないと存じます。
 猫ナイトは今日もエオルゼアを駆けています。

 次は「ご主人様への嫉妬編」とかでレベル上げのモチベーションにしたいと考えております。
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